小児がんのひとつ「ウィルムス腫瘍」とは?治療法や転移について解説

ウィルムス腫瘍
  • LINEで送る
岡村長門先生

監修医

岡村クリニック

院長:岡村長門 先生

【職務経歴】
戸田中央総合病院
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック

『ウィルムス腫瘍』は、特殊な小児がんのひとつです。同時に、小児三大固形悪性腫瘍のひとつでもあります。

この記事では、ウィルムス腫瘍とはどんな病気か、症状や転移の可能性について解説します。

ウィルムス腫瘍とは

1.ウィルムス腫瘍って?どんな病気?

ウィルムス腫瘍

腎臓に悪性腫瘍ができる

『ウィルムス腫瘍』は、子どもの腎臓にできる悪性腫瘍です。腎臓に発生することから『腎芽腫(じんがしゅ)』とも呼ばれます。

5歳までの発症が9割を占める

特に乳幼児に多く、全体の9割が5歳までに発症します。とはいえ、成人もかかります。また、まれに新生児に発症することもあります。

左右の腎臓のうち、片方にできることが多い

ウィルムス腫瘍の多くは、左右にある腎臓のうち片方に発症します。両方発症するのは5%ほどです。

また、ウィルムス腫瘍を発症する割合は、1.5万人に1人ほどです。性別による発症割合の差はほとんどありませんが、女児の方が少し多い傾向があります。

2. ウィルムス腫瘍の原因

ウィルムス腫瘍

ウィルムス腫瘍の原因は、多くが『遺伝子異常』です。

『がん抑制遺伝子』という遺伝子があり、そこに異常があると、がんが生じます。

また、遺伝子異常によるその他の合併症も多数報告されています。たとえば、腎臓の奇形や、泌尿器科系の病気、手足の奇形などが挙げられます。

3.ウィルムス腫瘍の症状

無症状のことが多い

ウィルムス腫瘍にかかっても、ほとんどが無症状です。子どもの自覚症状から気づく、ということはほぼありません。

お腹のしこりや、お腹のふくらみが生じる

親や周りの人がわかる症状としては、『お腹にしこりがある』、『お腹が少し大きくなっている』などです。わずかな変化で、なかなか気づきにくいです。

そのほか腹痛や嘔吐、発熱、血尿などが生じることも

そのほか、『腹痛』や『嘔吐』、『発熱』、『血尿』などの症状があらわれることもあります。また、子どもが不機嫌で調子が悪いような場合は、なんらかの不調を訴えていることもあります。注意して見守りましょう。

ウィルムス腫瘍の治療法について

1.まずは小児科や内科を受診!

ウィルムス腫瘍

子どもの異変に気づいたら、小児科や内科、総合病院などを受診し、医師に相談しましょう。

2.ウィルムス腫瘍の検査

超音波やCT、MRIを使って検査する

ウィルムス腫瘍が疑われる場合、『超音波』や『CT』、『MRI』をもちいて検査します。

超音波検査では、腫瘍を確認するとともに、周りのリンパ節の状態も確認します。CTやMRIでは、腫瘍の場所や大きさ、リンパ節への転移の有無など、詳細な検査をおこないます。

肺など、他の部位の転移を調べることも

そのほか、肺転移について調べるために、肺の『X腺検査』や『CT検査』を行なうこともあります。同様に、肝臓や骨、脳などにも転移が考えられます。症状に合わせて検査を実施していきます。

3.ウィルムス腫瘍の治療法

摘出手術

ウィルムス腫瘍

ウィルムス腫瘍にかかると、ほとんどの場合で手術が必要になります。

腫瘍の大きさと転移の有無が、手術で腫瘍だけを摘出するのか、腎臓ごと摘出するのかの決め手になります。

<腫瘍が大きくなく、転移もない場合>

腫瘍がそこまで大きくなく、転移もみられなければ、先に抗がん剤治療を行ない、腫瘍を小さくしてから摘出することが多いです。先に腫瘍を小さくすることで、腎臓をそのまま残して、腫瘍だけを摘出できるようになります。

<腫瘍が大きく、転移などがみられる場合>

腫瘍が大きい、転移などがみられる、といった場合は、腎臓ごと摘出することもあります。その場合も、抗がん剤治療と並行して手術をすることが多いです。

放射線治療

<ステージ1~2の場合>

ステージ1~2であれば、基本的に放射線治療を行なう必要はありません。しかし、腫瘍の予後が不良の場合は、ステージ1~2であっても、放射線治療を行なうことがあります。

<ステージ3~4の場合>

ステージ3〜4の場合は、放射線治療を行ないます。

放射線治療の目的は、腎臓を超えて広がった腫瘍や、手術で完全にとり除けなかった腫瘍を減らすことです。

化学療法(抗がん剤治療)

ウィルムス腫瘍

先に解説したように、抗がん剤治療は、手術と併用されることが多いです。

手術の前に少しでも腫瘍を小さくするために行いますが、小さくならない場合は、摘出手術や放射線治療を行なうことがあります。

ウィルムス腫瘍の転移や生存率について

ウィルムス腫瘍

 1.転移の可能性

ウィルムス腫瘍は、転移する可能性があります

血液の流れにのって転移していく(『血行性転移』)ため、肺や脳、肝臓などに転移することがあります。

2. ウィルムス腫瘍の生存率について

ウィルムス腫瘍は、早期発見で転移がない、もしくはステージ1の場合の、2年生存率は95%です。予後の悪い腫瘍の場合の2年生存率は、85%~90%と考えてください。

ただし、特殊な場所に腫瘍ができている、他の病気を併発しているなどの場合には、生存率が変動してきます。

まとめ

ウィルムス腫瘍は、子どもに多く発症する病気です。

なかなか気づきにくく、発見が遅れがちですが、早期発見が大切です。子どもに気になる症状があれば、すぐに小児科や内科を受診しましょう。

 

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
コメント(オプション):

関連記事

  • LINEで送る

お近くの小児科を検索!

ネット受付・予約もできる

病院検索サイト

ご自宅や職場の近くで小児科を探したいときは、検索サイト『EPARKクリニック・病院』を使ってみてください。口コミやクリニックの特徴を確認することができます。

EPARK
  • 科目をしぼって簡単検索♪
  • 充実の医院情報満載!
  • 待ち時間を削減!Web受付にも対応!

小児科一覧へ!