
2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。
『声帯ポリープ』は、歌手など“のど”を使う職業の人に発症するイメージが強いですよね。
たしかに、声をよく使う人にかかりやすいですが、特別声を使っていない人でもかかる身近な病気でもあります。
こちらの記事では、『声帯ポリープ』であらわれる初期症状や悪化したときの症状、病院へ行くべきタイミングについて解説します。
声帯ポリープの症状
1.声帯ポリープとは?
『声帯ポリープ』とは、のど仏の裏側の「喉頭(こうとう)」にある「声帯」の粘膜が膨張したり、突出したりする病気です。
2.初期症状
初期症状としては、普段との『声の出かたの違い』を感じます。
声が出しづらい、かすれる、風邪をひいていないのにハスキーボイスが続く、などの症状があらわれるでしょう。
そのほか、発声時ののどの違和感や、“たん”がからむといった症状がみられることもあります。
3.悪化した場合の症状は?
最初は、高音や低音など、一定の音域の声が出にくくなります。
しかし、どの音域でも地声・裏声に限らずかすれるようになると、声帯ポリープの可能性が高いといえます。
腫瘍とは異なり、転移することはありませんが、ポリープができている状態で声帯を使い続けると、大きくなって悪化してしまいます。
声帯ポリープの原因。どんな人がかかりやすい?
1.声帯ポリープの原因ってなに?
原因は、『声を出すことによって、声帯に刺激を与えること』です。
無理に声を出しすぎると声帯から出血し、血管が破れることによって『血腫(けっしゅ)』ができます。
これが声帯ポリープのもとです。
2.声帯ポリープができやすいのはどんな人?
声をよく使う人にできやすい
一般的に、声をよく使う人にできやすいです。
歌手や声優などが、声帯ポリープで休業しているニュースを目にしたこともあるのではないでしょうか。
よく大きな声を出す、怒鳴ってしまう人
声を使う職業の人でなくとも、発症する可能性は十分にあります。
よく大きな声を出す人やすぐに怒鳴ってしまう人なども、声帯ポリープを発症しやすいです。
飲酒や喫煙によってできることも
飲酒や喫煙によって声帯ポリープの発症がうながされることもあります。
そのため普段それほど声を使っている意識のない人でも、発症する可能性は十分にあります。
声帯ポリープにかかったら
1.病院へ行くタイミングは?何科へ行くべき?
日常的な声のかすれなどが生じたら耳鼻咽喉科へ!
先に解説した、初期症状が出たら声帯ポリープを疑いましょう。
そのほかにも、音域にかかわらず声が出しづらい、普段の会話でも声がかすれる、などの症状がみられたら耳鼻咽喉科を受診しましょう。
診断はのどの奥をチェック!
医師が声を聞くことで、ある程度声帯ポリープの可能性があるかどうか分かります。
診断の際は、のどの奥を診ることで声帯ポリープかどうかを判断します。
この診断は難しくありませんので、症状があらわれたら早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
2.放置するとどうなる?ほかの病気の可能性も!
声帯ポリープはがんに変わったり、転移したりはしない
声帯ポリープは、放置したからといってガンに変わったり転移したりすることはありません。
もちろん、職業上などの理由ですぐに症状を改善させたい方は、早めに対応する必要があります。
ポリープがあるままで声を使い続けると、ポリープが悪化してしまう可能性は高いといえるでしょう。
初期症状が似ている『喉頭がん』に注意!
注意するべきなのは、『喉頭がん』の可能性です。
初期症状が似ていることから、声帯ポリープだろうと自己判断してしまうこともあります。
しかし、喉頭がんの場合は肥大化や転移の可能性があります。声帯ポリープだと思っても、放置せずに病院できちんと診断を受けましょう。
声帯ポリープを治すために。自分でできるケアや病院の治療
1.自分でできるケアはある?
声帯ポリープの診断を受けたら、あまりのどを使わないようにしましょう。
仕事上、声を使うことを避けられない場合は、仕事を休んだり、減らしたりするなどの対応も必要です。
2.のどに負担をかけない発声法を身につける!
以下のように、のどに負担をかけない発声をおこない、声を休ませる日をつくりましょう。
・大声を出さないようにする
・高すぎる声や低すぎる声を出さないようにする
・長時間話さないようにする
・のどを休める時間をつくる
・お腹に力を入れて(腹式呼吸)発声する
3.病院で受ける治療って?
病院での治療は、『飲み薬』を服用する場合と、『手術』をする場合があります。
どちらを選択するかは、ポリープの状態によって医師が判断します。飲み薬での完治率は3~4割程度で、手術が必要になることが多いです。
4.再発のリスクを下げるために
声帯ポリープは、再発する可能性もあります。
まずは、医師の指示にしたがって完治させましょう。
完治してからは、のどの使いかたを学び、発声方法を変えるなどの工夫をしていきましょう。
まとめ
声帯ポリープはがんではありませんし、がんに変わることもありません。
しかし、声のかすれなどの症状から『喉頭がん』と間違えやすく、他の病気が隠れていたりする可能性もあります。
声帯ポリープが疑われるような症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
この記事は役にたちましたか?
- すごく
- いいね
- ふつう
- あまり
- ぜんぜん