
2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。
声帯ポリープの治療法は、『飲み薬の服用』と『手術』があります。
ポリープの状態によってもどちらになるかは変わってきますが、飲み薬での完治率は3~4割にとどまり、手術が必要になるケースも多いです。
この記事では、声帯ポリープの手術について、1か月前~術後までの流れや、術後の食事や飲酒、喫煙について解説します。
声帯ポリープの手術について
1.手術は全身麻酔でおこなう
声帯ポリープの手術では、全身麻酔を用いて、ポリープの切除をおこないます。
全身麻酔を使用する理由は、手術中に“のど”の反射的な動きを止めるためです。
2.入院について。日帰りでの手術は可能?
症状によって、日帰りで手術をうけられることも
症状によっては、その日のうちに麻酔から目覚め、帰宅できるケースもあります。
一般的には1週間ほど入院して術後のケアをする
術後は、1週間ほど入院するケースが一般的です。
手術による声帯の傷を安静に保つことが大切です。そのため、5日程度はのどを極力使わず、喋らないようにする必要があります。これを『沈黙療法』と呼んでいます。
入院していれば病院にのどの管理を任せられますが、日帰りや2日ほどの短期入院の場合は、自身で沈黙療法をおこなう必要があります。
手術を受けるときの流れ
1.手術前にはどんなことをおこなうの?
手術1か月前:術前検査
通常、手術の約1か月前に『術前検査』をおこないます。
術前検査では、声帯ポリープのほかに病気などがないかを検査して、手術のときにかかる身体への負担を調べます。
手術1~2週間前:手術内容の説明
手術の1~2週間前になったら、医師から手術内容の説明があります。
このときに、術後の注意点についても説明を受けるでしょう。
2.手術当日の流れは?
まずは麻酔科の診察を受ける
手術当日は、まず麻酔科の診察を受けます。
麻酔科では、「麻酔法」や「鎮痛法」などについての説明を受けながらコンディションを整えていきます。
手術前の血液検査やX線写真の結果を説明した後に、必要に応じて聴診・打診・触診などをおこなうこともあるでしょう。場合によっては、口やのどの奥を診ることもあります。
手術は通常1時間ほどで終わる
手術室に移動して全身麻酔がかかったら、上を向いて寝た状態で声帯ポリープの切除をおこないます。
耳鼻咽喉科でおこなわれる代表的な手術方法は『ラリンゴマイクロサージェリー』です。口から金属製の管を入れて、顕微鏡を見ながらポリープを取り除きます。手術自体は1時間ほどで終わるでしょう。
3.手術後
手術~5日間:沈黙期間
手術後には、先に解説したように沈黙期間があります。日数は症状によっても異なりますが、通常5日前後です。沈黙期間の過ごしかたについては、事前の医師からの指示にしたがいましょう。
4.手術費用について
手術にかかる費用は、症状や病院にもよりますが、1泊2日で10万円ほどです。
知っておきたい!手術のリスクや術後の食事
1.声が出なくなることはある?
声が出なくなることはほとんどない
声帯ポリープを切除しても、医師の指示に従って正しく声を出していれば声が出なくなることはほとんどありません。
声帯ポリープの症状や術後の沈黙期間を経ているため、「慣れるまで声が出しづらい」「以前の声と違う気がする」と感じることもあるでしょう。
しかし、正しい発声の仕方に慣れていけば、多くは問題なく解決します。
不安なことがあれば、手術前に医師に相談!
術後の経過は、症状によっても変わってきます。何か不安なことがあれば、手術前に医師に相談することをおすすめします。
2.術後の食事の注意点!飲酒・喫煙は?
チョコレートや唐辛子などの刺激物を避ける
食事は、基本的に手術の翌日からとれます。
手術後1週間は、のどに負担のない食事がおすすめです。
唐辛子など、辛みのある調味料や刺激物はひかえましょう。チョコレートに含まれるカフェインも、のどの刺激になるので、避けたほうがよいです。
飲酒や喫煙は再発をまねくことも!
飲酒や喫煙は声帯ポリープの原因とも言われます。再発を防ぐためにもひかえましょう。
特に喫煙については、一時的に控えるのではなく、『禁煙』をするつもりでいてください。
飲酒の量や頻度、手術後いつから飲んでいいかは、症状によっても異なります。気になる場合は、主治医に相談しましょう。
まとめ
声帯ポリープの手術は比較的簡単なもの
声帯ポリープの手術は全身麻酔でおこないますが、比較的簡単なものになります。手術と聞くと不安になる方もいるかもしれませんが、過剰に心配する必要はないでしょう。
入院も、長くて1週間程度になります。症状によっては、日帰りや2日ほどの短期入院も可能です。
声帯ポリープは手術後のケアが大切!
手術後は、しっかりと医師の指示を守ることが大切です。
声を出さない「沈黙期間」を、しっかりと守ってもとの声に戻していきましょう。また、手術後には禁煙をする、飲酒を控えるなど、生活習慣を改める必要もあります。
再発を防ぐためにも、手術を機に今の生活を見直してみましょう。
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