子どもの中耳炎の症状は?種類別に解説。プールやお風呂はどうする?

中耳炎 子ども
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白畑敦先生

監修者

しらはた胃腸肛門クリニック横浜

院長:白畑敦 先生

2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年  横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任

 

大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。

目次

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「中耳炎」は、子どもがかかりやすい病気のひとつです。

ふつうの風邪から発症することが多く、「耳の痛み」「耳が聞こえにくい」「耳だれ」などの症状をともないます。放っておくと、手術が必要になるケースもあるでしょう。

この記事では、「子どもの中耳炎」について、原因や症状、治療法などを解説していきます。

耳の構造と、中耳炎の原因や症状

外耳、中耳、内耳のイラスト

1.耳の構造って?中耳ってどこ?

耳は、上の図のように「外耳・中耳・内耳」と大きく3つに分かれています。

「外耳」の役割

最も外側の耳介から外耳道の部分を「外耳」といいます。「外耳」は、音そのものや音の出ている方向を感知し、それを「中耳」に伝える役割があります。

「中耳」の役割

「中耳」とは、鼓膜と鼓室の部分のことで、音を「鼓膜の振動」としてとらえ、「内耳」に伝える役割があります。

「内耳」の役割

「内耳」とは、蝸牛・前庭・半規管といわれる部分のことです。

「中耳内」にある耳小骨から伝わった音が、蝸牛を介し聴神経へと伝えられます。

2.「中耳炎」について。原因や症状は?

中耳炎で機嫌が悪い子ども

中耳炎は、耳の中耳で起こる炎症

外耳・中耳・内耳の3つの部分のうち、中耳で起こる炎症を中耳炎といいます。

中耳炎の原因は?

中耳炎のおもな原因は「肺炎球菌」と「インフルエンザ菌」で、肺炎やインフルエンザと併発しやすいです。

そのほかに「黄色ブドウ球菌」や「モラクセラ・カタラ-リス」などの常在菌が考えられます。

中耳炎のおもな症状は?

中耳炎のおもな症状は、耳の痛み・耳の詰まったような感覚・聞こえにくい・耳だれ(耳から膿が出てくること)・発熱などです。

乳幼児の場合は、耳をしきりに触る・耳だれ・機嫌が悪いなどがみられるでしょう。

病院でうける治療法

まず問診をおこない、中耳炎が疑われる場合は鼓膜をみるのが基本です。

3. 中耳炎の症状は?種類別に解説!

中耳炎で発熱した子どもイメージ

急性中耳炎

急性中耳炎は、最も一般的で、子供に多くみられます。耳痛や発熱、鼓膜の腫れ、耳漏などの症状が起こります。

急な痛みをともない、鼓膜が赤く腫れます。細菌やウイルスが中耳に入り、急性の炎症を起こしている状態です。

ふつう、数日~10日程度で治りますが、なかなか治らず1ヶ月ほど長引いたり、何度も急性中耳炎を繰り返す「反復性中耳炎」になることもあります。

「急性中耳炎」をきちんと治療せずにいると、何回も繰り返したり、何回も繰り返すことで耐性菌を出現させたり、後に解説する「滲出性中耳炎」に移行するなど、炎症が慢性化してしまうことがあります。

慢性中耳炎

慢性中耳炎は、菌やウイルスの感染、炎症が慢性化してしまって「急性中耳炎」や「滲出性中耳炎」が治らずにいる状態で、耳漏や難聴などの症状が起こります。

鼓膜に穴があいて治らない状態(鼓膜穿孔)や、鼓膜が中耳の壁にくっついてしまう状態(癒着性中耳炎)になることもあり、これらが難聴の原因になる場合もあります。

難聴の子どもイラスト

炎症がひどい場合は、耳小骨にまで影響がおよび、音を伝える部分に障害が残ることもあります。

また、「肉芽(にくげ)」と呼ばれる線維組織や、鼓膜の表面の細胞が増殖した「真珠腫(しんじゅしゅ)」と呼ばれるかたまりができることもあります。

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

中耳腔に水がたまった状態で、耳管の働きがうまくいかないことや、鼻の調子が悪いときに起こります。

「慢性中耳炎」や「滲出性中耳炎」を放置しておくと、炎症が内耳にまで広がって重い難聴やめまい、「顔面神経麻痺」を起こしたり、命にかかわるような合併症を引き起こすこともあります。

子どもに中耳炎が多い原因は?風邪からの発症が多い

大人と子供の耳の構造を比較するイラスト

1.子どもに中耳炎が多いのは、「耳管」の未発達が原因

中耳内には、耳と鼻をつなぐ「耳管」といわれる部分があります。

子どもは大人に比べ、「耳管」が、太く短く、角度も水平に近い状態です。そのため、鼻の奥で増殖した原因菌やウイルスが中耳へ入るリスクが高く、中耳炎を起こしやすくなります。

成長とともに耳管も発達するため、10歳以降から発症が減ってきます。

2.どんなときに中耳炎を発症するの?

耳を触る乳児のイメージ

風邪からの発症が多いです!

風邪のウイルスや菌が鼻から中耳に入って、中耳炎に発展することは多いです。

耳をしきりに触る・耳だれ・機嫌が悪いなどが続くようであれば中耳炎の可能性があります。

基本的なことではありますが、日ごろから風邪対策をしっかりおこない、風邪を引いた場合は最後まで子どもの様子をよく観察しましょう

耳は気圧の変化に弱い

飛行機に乗った際やダイビングをしたときなど、気圧の変化でも中耳炎を起こすことがあります。

中耳(鼓膜の内側)には少量の空気が入っており、「耳管」と呼ばれる管で咽頭部とつながっています。

この耳管は通常閉じていますが、開閉し空気が通ることにより外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。飛行機に乗っていると、離着陸時の急激な気圧の変化が起こるため、耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて耳が痛くなることがあります。

飛行機を降りてしばらく経っても耳が痛いなど、気になる場合は早めに病院を受診しましょう。

中耳炎の検査について

耳鼻科で診察を受ける幼児のイメージ

1.重症化する前に!早期発見・治療が大切

軽症であれば、放置していても問題ない場合もあります。しかし、早期に治療をおこなわないと、鼓膜の内耳に膿が溜まり続け、最も重症である「滲出性中耳炎」に移行しかねません。

鼓膜が破れると耳だれが続き、嘔吐や痙攣(けいれん)のほか、「髄膜炎」や「意識障害」を引き起こすこともあります。

重症度はドクターに診てもらってください。症状が半日や1日ほどで治ってしまったなら軽症だったと言えますが、耳の中は自分では見えない部分ですので自分自身で判断することは良くありません。

2. 問診ではどんなことを聞かれるの?

問診では、以下のことに答えられるように準備しておきましょう。

  • 耳が聞こえづらいなど難聴の症状がないか
  • 耳から膿が出てくるか(耳だれがあるか)
  • 耳鳴りやめまいなどがあるか
  • いつから症状が出ているか

3.中耳炎の基本的な検査と判断基準

鼓膜の状態を顕微鏡や内視鏡で確認し、治療方針を決定します。

場合によっては、鼓膜を閉鎖し炎症を取り除く手術が必要になることもあります。

急性中耳炎が3ヶ月以上続く場合は「慢性中耳炎」と診断されます。さらに、中耳に浸出液がたまったままになっていると、「滲出性中耳炎」と診断されることもあります。

4.中耳炎の種類別の検査

鼻と耳の構造イラスト

「急性中耳炎」の検査

顕微鏡や内視鏡検査で、鼓膜が赤く腫れているかを確認します。

中耳炎をくり返す場合や長引く場合は、細菌検査をおこないます。菌があった場合は、鼓膜を切開する方法か、鼻の奥から細菌を採取する方法で、菌を採取・治療していきます。

内耳の障害が考えられる場合は、聴力検査もおこないます。

「慢性中耳炎」の検査

鼓膜に穴が空いていれば聴力検査をおこないます。耳に入る音そのものの聞こえ方と、バイブレーターで耳の後ろの骨を振動させて内耳の聞こえを測定する検査を実施します。

聴力検査をする少年のイラスト

 

耳だれをともなっている場合は、細菌検査をおこない「急性中耳炎」と同様の治療をおこなっていきます。

「滲出性中耳炎」の検査

中耳の浸出液を、顕微鏡や内視鏡検査で確認します。鼻の奥のリンパ組織の増殖が炎症に関係している場合は、ファイバースコープやレントゲン検査をおこなうこともあります。

乳幼児で聴力検査がむずかしい場合は、遊びながらおこなう聴力検査や、眠った状態で脳波の反応を見て聴力を推定する検査もあります。

中耳炎の治療について。プールやお風呂は?

中耳炎の飲み薬イメージ

1. 中耳炎の3つの治療法

薬物療法

高熱が出ている場合や、痛み止めが効かない場合は、抗生剤を処方されます

服薬後の鼓膜の検査や細菌検査によっては、薬を変更する場合もあるでしょう。

原因となる菌に免疫があれば点滴や耳の洗浄をおこなう治療法もあります。

手術療法

ひどい場合は手術によって、鼓膜を切開し膿を出すこともあります。

局所麻酔でメスを入れ、内部の膿を排出することで、熱を下げ中耳の換気をおこないます。小さなお子さんの場合、恐怖心で暴れることもありますが、ご家族がつき添ってリラックスさせてあげましょう。

手術が必要かどうかはドクターによって考え方や治療法が違い、患者さんの状態などをみて判断していきます。

通気療法

鼻水を吸引してもらう赤ちゃんのイメージ

通気療法は、最も重症な「滲出性中耳炎」の治療法です。

手術のように切開はせず、中耳へ空気を送り、膿などのたまった液体 を排出させます。

その後は、医師による治療をおこないながら、自宅で安静にします。鼻水をすすると中耳炎が悪化する可能性があるため、鼻水はかませるようにしましょう。

自分で鼻をかめない乳幼児の場合は、専用器具を使って定期的に吸い出してください。

2.治療中の注意点!プール、お風呂に入っていい?

学校のプールではしゃぐ子供達のイメージ

園や学校には「中耳炎」であることを伝えましょう

園や学校によっては、中耳炎の場合、プールを禁止していることもあります。

そのため、必ず中耳炎であることを伝えておきましょう。

お風呂やプールは医師に確認してから

基本的に人にうつる心配はないため、お風呂もプールも禁止ではありません。

しかし、症状によってはひかえたほうがよい場合もあります。医師に必ず確認しておきましょう。

症状が長引いていたり、頻繁に痛がっていたら確実に控えた方がいいと言えます。

お風呂での注意点

お風呂に入る中耳炎の少女のイメージ

鼓膜に穴があいている場合、耳に水が入ると炎症を悪化させる場合があります。

必ずガーゼを耳に当ててお風呂に入りましょう。シャンプーの際に耳に水が入る可能性がある場合は、医師に確認しておくと安心です。

プールでの注意点

耳にビニールのカバーをつけると水が入りにくくなります。できれば浅いプールの方が良いでしょう。

そのほかの症状について

鼻をすすると中耳炎が悪化する可能性があります。そのため、鼻水はかませるか吸引させてください。また、発熱をともなう場合は、こまめに水分補給をおこないましょう。

まとめ

中耳炎は風邪などをきっかけで、子どもがかかりやすい病気のひとつです。お子さんが風邪をひいた際は完治するまで様子を観察し、症状や機嫌を確認しましょう。

まだコミュニケーションがとれない乳幼児は、鼻水に注意しながら細菌感染を防いであげることが大切です。

中耳炎を予防するためにも、日ごろから風邪をひかないよう体調を整えることが大切です。体調が悪いと感じたらなるべく早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

 

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