薬や感染によって起こる!尿細管間質性腎炎とは?治療や合併症について

尿細管間質性腎炎
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2006年 北里大学大学院卒
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業

早期発見、早期治療を心がけ、健康で心豊かな人生を歩んでいただくことを願っており、内科・消化器内科を中心に幅広い情報の発信に努める。

目次

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『尿細管間質性腎炎』は腎臓に炎症が起こる病気です。

腎臓は、血液をろ過して尿を作る機能のほか、体内の老廃物や有害物質を排泄する大切な役割も担っています。

この記事では、尿細管間質性腎炎とはどんな病気か、薬物治療や透析療法について解説します。

尿細管間質性腎炎について

命

1.尿細管間質性腎炎とは

「尿細管」とその周りの「間質」に炎症が起こる

『尿細管間質性腎炎』は、腎臓の中にある『尿細管』という管と、その周りの『間質』に炎症が起こる病気です。

尿細管のはたらき

尿細管は、腎臓にある無数の細い管で、尿のもとや栄養成分、水分などを再吸収するとともに、不要なものを運ぶはたらきをしています。

尿細管は2つにわけられる!損傷するとどうなる?

尿細管は『近位曲尿細管』『遠位曲尿細管』とにわけられます。

〈近位曲尿細管〉

腎臓のネフロンを構成する組織で、グルコース、アミノ酸、ビタミンなどが再吸収されるところ。

近位尿細管が損傷すると、『カリウム』や『ナトリウム』などの再吸収が妨げられ、これらの血中濃度が低下します。

〈遠位曲尿細管〉

腎臓の尿細管のヘンレループから集合管までの部分で、水やナトリウム、イオンなどが再吸収されるところ。

遠位曲尿細管が損傷すると、うまく尿を濃縮することができなくなり、尿量が増えることがあります。

2.原因について

薬

急性尿細管間質性腎炎の原因

薬に対する「アレルギー反応」が原因のことが多い

急性尿細管間質性腎炎は、薬に対する『アレルギー反応』が原因であることが多いです。

原因となる薬には、『抗生物質』(スルホンアミド、ペニシリンなど)や『利尿薬』、『非ステロイド性抗炎症薬』などが挙げられます。薬を飲み始めてから症状が出るまでには、1ヶ月以上かかることもあります。

「腎盂腎炎」という病気も原因になる

また、『腎盂腎炎(じんうじんえん)』という、腎臓に細菌感染を起こす病気が原因のこともあります。この病気は女性に多く、尿道から膀胱に入った細菌が炎症を起こすことで起こります。

慢性尿細管間質性腎炎の原因

非ステロイド性抗炎症薬による損傷

慢性尿細管間質性腎炎は、『非ステロイド性抗炎症薬』による、組織の損傷が原因になります。非ステロイド性抗炎症薬は、アレルギー反応と別に、組織の損傷を起こすことがあります。それから1年以上をかけて、慢性尿細管間質性腎炎を発症します。

腎盂腎炎が原因のことも

急性尿細管間質性腎炎と同様に、腎盂腎炎が原因で、慢性尿細管間質性腎炎にかかることもあります。

3.合併症について

尿細管間質性腎炎によって、尿路が閉塞した場合や、両方の腎臓に尿細管間質性腎を発症している場合は、『腎不全』にかかることがあります。腎不全まで進行すると、腎機能の回復が難しくなります。そのため、早期発見・早期治療が大切です。

尿細管間質性腎炎の治療について

医師

1.尿細管間質性腎炎の検査

『血液検査』で、血液中の老廃物の濃度を確認したり、『尿検査』で腎機能の状態をみたりします。

また『超音波検査』では、アレルギー反応による腎臓の腫れがないかどうかを確認します。

2.尿細管間質性腎炎の治療

薬の使用を止めたら、症状が改善することも

薬に対するアレルギー反応が原因であれば、薬の使用を中止することで、症状が改善することもあります。

アレルギー反応が強ければ、ステロイドを使う

アレルギー反応が強い場合は、『ステロイド剤』を使用することもあります。

感染が原因であれば、病気に対して治療する

腎盂腎炎など、感染が原因の場合は、病気に対する治療をおこないます。病気を治すことで、腎機能の回復をはかります。

慢性尿細管間質性腎炎は、腎機能が回復しないことも

慢性尿細管間質性腎炎は、徐々に進行し、体のさまざまな場所で炎症を起こすため、腎機能の回復が難しいケースもあります。その場合は『透析』や『腎移植』が必要になります。

3.透析療法について

点滴

腎不全になると「透析」が必要

治療によって腎機能が回復すれば、透析をおこなう必要はありません。

しかし、炎症が広がって腎機能の回復がみられない『腎不全』になると、『尿毒症』を引き起こす恐れがあり、透析が必要です。

腎不全が引き起こす「尿毒症」とは?

尿毒症とは、体内の老廃物を排出できず、有害な物質が体中をめぐる病気です。吐き気や嘔吐、疲れやすい、食欲低下、むくみ、呼吸がしづらいなどの症状があらわれます。

「血液透析」と「腹膜透析」について

透析療法は、人工腎臓を使う『血液透析』と、自分の腹膜を使う『腹膜透析』にわけられます。

〈血液透析〉

血液を体外に取り出し、透析器を通してから体内へと戻すものです。透析器によって、血液中の余分な水分や老廃物を取り除きます。週3回通院する必要があり、3~5時間ほどかかります。

〈腹膜透析〉

横隔膜の下にある『腹腔』に『透析液』をいれて、老廃物を透析液に移行させます。自分の腹膜を使って血液をきれいにするものです。自宅でおこなうことができます。

まとめ

命

「尿細管間質性腎炎」自体の自覚症状はほとんどありません。

膀胱炎や腎盂腎炎などにかかったとき、また副作用を起こす可能性がある薬を服用したときなどは、病院で検査を受け、腎臓についても気にかけることが大切です。

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