昆虫からうつる!トリパノソーマとは?アフリカや南中南米では予防を

トリパノソーマ

【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

トリパノソーマ症は、アフリカや南中南米でみられる、『トリパノソーマ原虫』による感染症です。感染すると皮膚や神経系にまで症状があらわれることがあります。

トリパノソーマには、予防できるワクチンがありません。そのため事前に予防対策について知っておくことが大切です。

この記事では、トリパノソーマの症状や予防法について解説します。

トリパノソーマについて

1.トリパノソーマとは?

トリパノソーマ

感染すると、昏睡状態に陥り死亡することも

『トリパノソーマ』は、ハエやサシガメなど、昆虫を媒介して人に感染する寄生虫のひとつです。

トリパノソーマに感染すると、さまざまな症状があらわれますが、最悪の場合、昏睡状態となり死亡することもあります。

アフリカとアメリカで症状や原因が異なる

アフリカとアメリカで、原因や症状が異なり、それぞれ『アフリカトリパノソーマ(アフリカ睡眠病)』と『アメリカトリパノソーマ(シャーガス病)』と呼ばれています。

2.感染する原因について

トリパノソーマ

アフリカトリパノソーマはハエが媒介する

アフリカトリパノソーマの場合は、トリパノソーマに感染しているツェツェバエによって媒介され、人に感染します。人から人へ感染することはありません。主にサハラより南のアフリカ大陸に感染リスクがあります。

アメリカトリパノソーマは昆虫の糞が媒介する

アメリカトリパノソーマの場合は、トリパノソーマに感染したサシガメという昆虫の糞が媒介し、感染します。そのほか汚染されている飲食物の摂取や献血、輸血、臓器提供によって感染することがあります。

3.症状について

トリパノソーマ

アフリカトリパノソーマと、アメリカトリパノソーマとで少し症状の出方が異なります。

アフリカトリパノソーマの症状

潜伏期間は1週間から数か月です。刺されてから2週間くらいの間に、赤みを帯びて皮膚が軽く腫れる『丘疹』が出ることがあります。

潜伏期間が過ぎると、『発熱』や『頭痛』、全身の痛むような『筋肉痛』が生じます。眠気や頭痛がだんだんとひどくなっていきます。

進行すると『髄膜脳炎』を起こすこともある、危険度の高い病気です。神経にも症状が出始めると、昏睡状態に陥り、死亡する可能性が高いです。

アメリカトリパノソーマの症状

潜伏期間は1週間ほどです。

寄生虫が入り込んだ傷口から、赤い斑点ができる『紅斑(こうはん)』が生じます。斑点は多くの場合時間が経つと消えます。一部の人は慢性化し、心臓の機能低下や不整脈をなどを起こすこともあります。

4.日本でも感染する?

日本でも、アメリカのトリパノソーマの感染源となる『サシガメ』は生息しています。

しかし、今のところ、日本に生息しているサシガメは感染する危険がないとされており、国内での感染を心配する必要はありません。

トリパノソーマに似た感染症

トリパノソーマ

1.マラリア

トリパノソーマと最も間違えられやすいのが『マラリア』です

間違って診断され、適切な治療がなされないことで、症状が進行することもあります。

マラリアは、『マラリア原虫』という、寄生虫の一種が感染することで起こります。体温が異常に高くなる『熱病』です。

マラリアに感染しやすいのは、アジア、オセアニア、アフリカおよび中南米の熱帯・亜熱帯地域です。

2.結核

皮膚に炎症を起きたり、肺炎を起こしたりする症状が、トリパノソーマに似ています。

結核は、結核菌という細菌が引き起こす病気です。

もしトリパノソーマに感染したら…

1.内科や総合病院へ!

トリパノソーマ

トリパノソーマの感染が疑われる場合は、近くの内科や、総合病院を受診することをおすすめします。

2.トリパノソーマの検査方法

『血液検査』を行ない、血液を顕微鏡でみて診断することが多いです。トリパノソーマが血液中に発見されれば、診断を確定します。

血液検査で判断できなければ、リンパ節からリンパ液を採取して検査をしたり、同様に脳脊髄液を検査したりします。

3.トリパノソーマの治療法

症状に合わせて、『抗トリパノソーマ薬』を使います。

筋肉注射などによって、体内に取り入れます。場合によっては、1日4回、2週間の静脈注射が必要になることもあります。そのほか、飲み薬も服用します。

海外旅行をするときの対策

トリパノソーマ

 1.トリパノソーマを予防するために

虫よけ商品を持ち歩く!

日本で市販されている虫よけ商品は、一定の効果が期待できます。常に持ち歩き、使用法を守って使いましょう。

皮膚を覆うことのできる厚い服を着る

また、服を着ていても、薄い服の上からは刺されることもあります。できるだけ、皮膚を覆うことのできる厚い服を着られるようにして、薄着は避けましょう。

2.感染する可能性のある地域から帰国した場合

帰国時に申請が必要なケースも!空港で確認

アフリカやアメリカなどトリパノソーマの感染の可能性がある地域に滞在し、その後日本に帰国した場合は、その申告が必要なケースもあります。詳しくは空港のスタッフに聞くなどして対応しましょう。

検疫は感性の可能性にかかわらず、必ず通る

また、感染している可能性は低くても、検疫は必ず通る必要があります。

まとめ

トリパノソーマは、アフリカやアメリカなどの地域で感染する可能性のある、危険な感染症のひとつです。感染は虫を媒介し、人から人へは感染しません。

万が一感染した場合には、適切な治療をうける必要があります。最悪の場合、昏睡状態に陥り、死に至ることもあります。該当地域へ行く場合は、十分に注意しましょう。

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