上半身がむくむ「上大静脈症候群」の症状や治療法。原因は肺がん?

上大静脈症候群
岡村長門先生

監修者

岡村クリニック

院長:岡村長門 先生

【職務経歴】
戸田中央総合病院
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック

『上大静脈症候群』は、血管にかかわる病気です。

主に、心臓に近い静脈に起こり、上半身のむくみなどが生じます。

この記事では、上大静脈症候群の症状や、進行度別の治療法、原因となる病気について解説します。

上大静脈症候群について

1.上大静脈症候群とは

上大静脈が閉塞したり、狭くなったりする

『上大静脈症候群』とは、『上大静脈』自体が閉塞する、もしくは血管の外からの圧力で狭くなる病気です。

上大静脈症候群

そもそも、「上大静脈」って?

『上大静脈』は、頭や腕をふくむ、上半身の静脈血を右心房に戻す血管です。心臓へ戻ってくる大きな静脈は、この上大静脈と、足や内臓など下半身の静脈血を右心房に戻す『下大静脈』の2本です。

静脈血の流れが阻害され、さまざまな症状があらわれる

上大静脈が閉塞したり、狭くなったりすると、頭や腕から流れてくる静脈血の流れが阻害されます。これによって発生する、さまざまな症状を総称したものが、『上大静脈症候群』です。

2.原因について

肺がんなど、胸部の悪性腫瘍が8割

上大静脈症候群

上大静脈症候群の原因となる病気の8割は『肺がん』や『縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)』など、胸部にできる悪性腫瘍です。

特に、肺がん患者は約2~3%に上大静脈症候群がみられます。近年肺がんの増加にともない、上大静脈症候群が注目されてきてきます。

そのほか、原因となる病気

そのほか、『悪性リンパ腫』、『転移性肺がん』、『胸腺腫』、『胸腺がん』、『血栓性静脈炎』、『胸部大動脈瘤』、『悪性甲状腺腫』、『心外膜炎』、『ベーチェット病』なども上大静脈症候群の原因になる可能性があります。

カテーテルを使った治療が原因になることも

治療のさいに、医療用の細い管を静脈内部におく『カテーテル留置』によって、血栓が生じることもあります。この血栓が、静脈の流れを滞らせます。

3.上大静脈症候群の症状

上半身に「うっ血」や「腫れ」が生じる

上大静脈症候群

上大静脈症候群にかかると、腕や頭部などの上半身に『うっ血』や『腫れ』の症状が生じやすくなります。

こうした症状は、静脈が閉塞したり狭くなったりすることで、静脈圧が上昇し、周辺臓器を圧迫するためあらわれます。

上大静脈の閉塞が進行した場合の症状

上代静脈の閉塞が進行すると、腕や頭部がうっ血し、さらに『むくみ』も引き起こされます。また、静脈血が本来とは異なるルートを流れ、下大静脈を通って、右心房へと流れ込むようになります。

4.合併症について

上代静脈の閉塞にともなって、『低心拍出』が起こります。低心拍出とは、心収縮力の低下により、心拍出量が減少している状態です。

それにより、『呼吸困難』や『せき』、『声のかすれ』、『胸の痛み』、『頻脈』、『頭痛』、皮膚が青紫色になる『チアノーゼ』、『血の混ざった痰』などの症状があらわれます。

上大静脈症候群の治療法について

1.どんな検査をする?

上大静脈症候群

静脈圧や、血管が狭くなっているかを調べる

『静脈圧』の計測をおこないます。静脈の閉塞がある場合、腕の静脈圧が上昇します。また、『静脈造影』によって、血管が狭くなっているかどうかを確認します。

肺がんや動脈瘤がないか検査することも

また、症状から上大静脈症候群が疑われる場合、上代静脈の血の流れを妨げるような、肺がんや動脈瘤などがないかも検査します。

その場合、『胸部レントゲン』や『CT』、『MRI』などの画像検査を用います。

2.上大静脈症候群の治療法

上大静脈症候群

ごく初期の場合の治療法

ごく初期の場合、治療として尿の排泄をうながす『利尿剤』や血行を改善する『マッサージ』、外から強い圧力を加え、静脈圧の上昇を抑える『弾性着衣』などが選択されます。

上大静脈内に血栓が形成されている場合

上大静脈内に、血栓が形成されている場合、『血栓を除去する手術』や、人工血管を用いた『バイパス手術』が検討されます。

手術は困難でも、経皮的血管形成術の適応がある場合

手術は困難な場合でも、『経皮的血管形成術』の適応があれば、これを選択されることもあります。経皮的血管形成術は、先端が風船状になっている『バルーンカテーテル』などを使用して、閉塞している部分を広げ、『ステント』と呼ばれる器具を留置し、拡張した状態を保つ手術です。

原因となる病気に合わせた治療をおこなう

上大静脈症候群の原因となる病気がわかれば、それぞれに合わせて治療を行ないます。

まとめ

上大静脈症候群は、上半身のむくみに気づいた時には、原因となる病気が進行している可能性が高いです。

むくみが改善しないなど、思い当たる症状があれば、早めに内科や循環器内科を受診し、医師に相談しましょう。

 

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連記事

お近くの循環器内科を検索!

ネット受付・予約もできる

病院検索サイト

ご自宅や職場の近くで循環器内科を探したいときは、検索サイト『EPARKクリニック・病院』を使ってみてください。口コミやクリニックの特徴を確認することができます。

EPARK
  • 科目をしぼって簡単検索♪
  • 充実の医院情報満載!
  • 待ち時間を削減!Web受付にも対応!

循環器内科一覧へ!