「ステロイド」を使った突発性難聴の治療。副作用や投与量について

突発性難聴 ステロイド
  • LINEで送る
  • すごく役に立った
  • 役に立った
  • 普通に役に立った
  • あんまり役に立たなかった
  • ぜんぜん役に立たなかった
白畑敦先生

監修者

しらはた胃腸肛門クリニック横浜

院長:白畑敦 先生

2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年  横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任

 

大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。

目次

もっと見る

さまざまな病気の治療に使われる『ステロイド』ですが、どのような薬かご存知ですか?

皮膚科でぬり薬として処方されたことがある、という人もいるかもしれません。突発性難聴の治療としては、『点滴』や『飲み薬』として使われます。

こちらの記事では、なぜ突発性難聴の治療薬としてステロイドを使うのか、副作用や飲酒についてなど注意点を解説します。

突発性難聴とは?

1.片耳の聞こえが悪くなる病気

突発性難聴 ステロイド

突然片方の耳が詰まったように感じ、聞こえにくくなります。多くの人が同時に『耳鳴り』をともないます。『めまい』をともなうこともあります。

2.何が原因でかかるの?

原因ははっきりしていませんが、ウイルス感染によって起こるという説と、内耳の血流不良で起こるという説が有力です。多量飲酒や疲労、ストレスとの関連性が高いこともわかっています。

3.おもな治療法

安静にして心身ともに休めることが大切です。くわえて、『飲み薬』と『点滴』を用いて治療します。薬を使う治療の目的は、内耳の炎症を抑えることと、内耳の血流をよくすることです。

飲み薬と点滴をあわせて用いることが多いです。症状が軽い場合は飲み薬のみで治療します。症状が重ければ2週間ほど入院して治療することもあります。

ステロイドを使った突発性難聴の治療

1.なぜ治療にステロイドを使うの?

先に解説したように、突発性難聴の治療では、内耳に生じている炎症を抑えて機能の回復をはかります。そのため、炎症を鎮める作用のある『ステロイド』を使用します。ステロイドは、難聴に対する投薬治療のなかで、もっとも効果が期待できます。

2.ステロイド点滴について

突発性難聴 ステロイド

ステロイドの4段階の投薬量

ステロイドの投与量には4つの段階があります。

量が少ない方から、『少量』、『中等量』、『多量』、『パルス療法』といいます。病気の種類や症状に応じて投与量を変更します。

突発性難聴の治療は「多量」

このうち、突発性難聴の治療で投与するステロイド量は、多い方から2番目の『多量』で、体重1kgあたり1mgから2mgです。つまり、体重60kgの人には60mgから120mgのステロイドが投与されます。ステロイドは、使用量の管理が重要です。点滴は、飲み薬と比べて飲み忘れなどもなく、効果が高いとされています。

点滴は2週間程度おこなう

点滴をおこなう期間は、2週間程度です。突発性難聴に対して、それ以上投薬治療をおこなっても効果がありません。また、長期使用による副作用を避ける必要もあります。

効果がすぐに出るように、はじめに多量を投与します。徐々に量を減らし、2週間以内に使用を中止します。急に投薬をやめると、症状が悪化することがあるため、ゆっくりと量を減らしていきます。

3.副作用について

突発性難聴 ステロイド

有益な作用をもつステロイドですが、同時にさまざまな副作用もあります。

感染症にかかりやすい

ステロイドは、異常な免疫反応を抑えるはたらきがあります。一方で、多量に投与すると、正常な免疫反応まで抑えてしまうこともあります。それにより、感染症にかかりやすくなります。

胃の粘膜が傷つきやすくなる

突発性難聴 ステロイド

ステロイドは、胃粘膜を保護する物質を減少させます。そのため、胃の粘膜が傷つく『消化性潰瘍(かいよう)』にかかりやすくなります。

血糖値の低下や血中の脂質増加

ステロイドによって、体内の糖の利用が低下するため、血糖値が下がりにくくなります。

また、ステロイドは脂肪の合成を促進します。血中の脂質の値が高くなる『脂質異常症』や『動脈硬化』を起こすこともあります。

こうした血糖値や血管への影響から、『糖尿病』や『高血圧』の持病がある場合は、ステロイドの使用量を減らしたり、使用を避けたりすることがあります。

そのほかの副作用

そのほかには、『骨粗しょう症』や『不眠』を引き起こす、『皮膚が薄くなる』などの副作用があります。

副作用を抑える薬が処方されることも

こうした副作用を抑えるために、『胃薬』や『抗菌薬』を処方されることもあります。

4.治療中に注意すること

突発性難聴 ステロイド

自己判断で薬を減らさない!

ステロイドは副作用が多くて「怖い」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、短期間の投薬では、こうした副作用はあらわれにくいです。また、医師は副作用も見据えて薬を処方しています。病気の治療に必要だと判断しての投薬ですので、副作用が怖いからといって、自己判断で量を減らさないようにしましょう。

治療中、体調に異変を感じたら、医師に相談しましょう。

ステロイド治療中の飲酒はNG!

治療中の飲酒は控えましょう。ステロイドの効果を低下させたり、反対に必要以上に高めたりすることがあります。また、飲酒は突発性難聴との関連性が高いこともわかっています。ステロイド治療が終わってからも、多量の飲酒は避け、適量を心がけましょう。

また、喫煙も血流を悪くするので、治療中はなるべく避けましょう。

まとめ

発症から2週間以内にしっかり治療することが大切!

突発性難聴は、発症から2週間を過ぎると、治療の効果が低下します。

そのため、治療を始めるときに多量のステロイドを投与します。薬の量が多いと驚くかもしれませんが、決して自己判断で飲むのを止めたり、減らしたりしないようにしましょう。

また、ステロイドによる副作用は短期間の使用であれば、そこまで心配する必要はありません。早めに病院へ行き、薬の効果が高い2週間以内にしっかり治療しましょう。

この記事は役にたちましたか?

  • すごく
  • いいね
  • ふつう
  • あまり
  • ぜんぜん
不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):