
2002年 福井県立藤島高等学校卒業
2002年 北里大学医学部医学科入学
2012年 北里大学医学部医学科卒業
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2016年小田原銀座クリニック 美容皮膚科
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
小田原銀座クリニックでは、患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
7月から全国的に猛暑や天候不順が続いていて、疲れがお肌にも表れているという方も多いのではないでしょうか? お肌の健康状態は、身体の内側からのケアが6~7割、外側からのケアが3~4割の割合で決まると言われています。
スキンケアで重要なのは、意外にもインナーケアだったのです。そこで、健康で美しいお肌を維持するためのインナーケアについて解説していきます。
腸の状態が肌荒れの原因に
「肌は腸の鏡」と言われるように、腸の状態はそのまま肌に表れます。腸が荒れていれば、お肌にもトラブルが出やすくなります。健康できれいなお肌を維持するためには、腸内環境の改善が1番の近道といっても過言ではありません。
なぜ、胃腸の調子が悪いとお肌にトラブルが出やすいのでしょうか。その原因について、小田原銀座クリニックの長谷川佳子先生に解説してもらいました。
「原因は、腸の働きが低下することで自律神経が乱れ、皮膚への血流が悪くなるためと考えられています。また、便秘は腸の中で便が腐敗し有害物質が発生します。この有害物質は腸から吸収され、血液中に溶け込み全身を駆け巡り、肌荒れの原因となります」
このような負のサイクルを防ぐためには、「腸の動きを活発にして便秘を予防し、自律神経のバランス、血の巡りの良い生活を意識する必要がある」とのことです。
「自律神経」とも深いつながりがある
腸の状態が肌に表れるということが分かりましたが、腸の動きや機能は、自律神経とも深いつながりがあります。自律神経はストレスに弱く、強いストレスを感じると腸の動きや機能が低下してしまいます。そして、それがお肌の状態にも結びつき、肌トラブルが発生してしまいます。
肌を健康に保つため、どのようにストレスコントロールをすることが必要なのでしょうか。その点も長谷川先生が教えてくれました。
「自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで保たれています。どちらかにバランスが崩れてもよくありませんが、腸の働きを活発にするためには、身体がリラックスして副交感神経を優位にする必要があります」
ストレスの多い状況が続くと、「交感神経が優位になり続け、血管は収縮して冷えを招き、腸の動きは悪くなる」とのことです。そうならないために大切なのは、「適度に休憩時間や休日を設け、リラックスの時間を作ること」だそうです。
皮膚への栄養供給は後回しになる?
身体に取り入れる栄養は、生命の維持に関係するような重要な部分に先に供給されるため、皮膚への栄養補給は優先順位が低くなるといわれています。皮膚へ栄養が行き渡るくらいの十分な栄養を摂ることが大切です。
摂取した栄養が内臓や血液だけではなく、皮膚にも行き渡るようにするためには、何が必要なのでしょうか。長谷川先生はこう説明してくれています。
「食事より摂取した栄養は消化吸収され、内臓や血液に送られていきます。皮膚まで効率よくそれらの栄養を送る手段の一つは、皮膚を作る器官まで栄養素を送っている『毛細血管の血行』を良くすることが必要です」
健やかな皮膚を手に入れるためには、「体の末端(毛細血管)まで血流のよい、冷えやむくみのない生活を心がけることが重要で、冷えを改善する食生活や適度な運動で血流を改善する」ことが望ましいようです。
美肌のためにおすすめの食べ物
腸内環境を改善する食べ物としては、発酵食品や酵素が含まれるものがおすすめです。発酵食品として身近な食品は、ヨーグルトやチーズ、味噌や漬けものなどです。
これらの発酵食品には乳酸菌が含まれ、それが糖をエサにして有機酸を作ります。そして、腸内が弱酸性に傾き、アルカリ性の性質を持つ悪玉菌の力が抑えられて善玉菌が優位になります。その結果、腸内が弱酸性に傾き、腸内環境が整うのです。
また、酵素が含まれる食品としては、新鮮な生野菜や果物があります。とりわけ、大根やアボカド、トマトやキャベツといった野菜のほか、キウイやりんご、パパイヤなどの果物に酵素が多く含まれています。
美肌につながるインナーケアとして、ほかにどのような栄養素の摂取が望ましいのでしょうか。
長谷川先生が挙げたのは、血行を良くする働きのあるビタミンEです。
「食品ではビタミンEを多く含むナッツ類がお薦めです。ビタミンEは、血行を良くし冷えを改善してくれます。また、砂糖を含まず食物繊維も多いことから間食にも適していると言えるでしょう。ただし、カロリーは高めなので食べ過ぎには注意してください」
ほかの栄養素やサプリメント活用法についても教えてくれました。
「ビタミンCは美肌には欠かせません。ビタミンEと一緒に摂取することでさらに効果を高めてくれます。不足しがちな栄養素を上手に取り入れたいときは、サプリメントや健康食品を活用することも有効です」
スキンケアの半分以上はインナーケアに依存しています。腸内環境を改善する食べ物を食生活に取り入れたり、ストレスコントロールについて工夫をしたりすることで、美肌づくりをしていきましょう。
取材協力:小田原銀座クリニック・長谷川佳子先生
この記事は役にたちましたか?
- すごく
- いいね
- ふつう
- あまり
- ぜんぜん