
2002年 福井県立藤島高等学校卒業
2002年 北里大学医学部医学科入学
2012年 北里大学医学部医学科卒業
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2016年小田原銀座クリニック 美容皮膚科
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
小田原銀座クリニックでは、患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
皮膚がんの治療法は、がんの種類によっても異なります。
この記事では、種類別にどのような治療がおこなわれるか、また治療費や新薬の開発などについても解説します。
皮膚がんの治療方法について
1.基本的には、がんを取り除く手術を行う
皮膚がんの種類によって、治療法は異なります。基本的には、手術によってがんを取り除く『外科的切除術』をおこないます。
2.切除範囲が広ければ、欠損をおおう「再建術」も
がんの種類や進行度によっても、手術で切除する範囲は異なります。
手術で切除した範囲が広い場合は、皮膚の欠損をおおうための『再建術』も行う必要があります。
がんの種類によっては、手術後に『抗がん剤』や『分子標的薬』、『放射線治療』などをあわせておこなうこともあります。
皮膚がんの種類ごとの治療法
主要な皮膚がんの治療法について、詳しく解説します。
1.基底細胞がんの治療
手術による切除や、その後放射線療法をおこなうことも
基底細胞がんの治療は、『外科的切除』による効果が最も期待されます。
とはいうものの、切除後に再発を繰り返すこともあり、その場合は切除後に『放射線療法』も検討されます。
また、基底細胞がんは基本的に転移せず、転移する割合は0.0028~0.55%と非常にまれです。転移したがんは、化学療法による効果があらわれにくく、転移後の生存期間の平均は1年程です。
2.悪性黒色腫の治療法
がんの進行度から、ステージの分類をする
悪性黒色腫の治療においては、まずステージの分類をします。
5年生存率はステージⅠで95-90%。ステージⅡが80-50%、ステージⅢが65-30%、ステージⅣが20-7%程です。
がんを完全に切除する手術がおこなわれる
治療は『外科的な完全切除』が主におこなわれます。また、ステージⅢでは、転移の有無に関係なく、周辺のリンパ節を取り除く『リンパ節の郭清(かくせい)術』がおこなわれます。ただし、この手術によって、確実に改善がみられるという根拠はありません。
そのほかの治療法
悪性黒色腫の治療法は他にも、抗がん剤治療に加えて『インターフェロンβ』を治療する『三者併用化学療法』や、遺伝子変異に対する『分子標的療法』などがあります。医師と相談しながら、治療法を決定しましょう。
3.有棘細胞がんの治療法
治療は切除のみのことが多い
有棘(ゆうきょく)細胞がんは、まだ小さい段階で発見されることが多いため、治療は切除のみの可能性が高いです。
初診時に、リンパ節への転移を伴うケースは10%以下、遠隔転移をともなうものは1%以下と、稀なケースです。
そのためがんが発見された段階で、外科的切除を行うことで根治が期待できます。
外科的切除が望ましくない場合は、放射線療法もおこなう
顔などに発症し、外科的切除が望ましくない場合や、神経の周りまでがん細胞に侵されている場合、十分な切除断端が確保できない場合は、『放射線療法』もおこないます。
また、根治的な手術が困難なケースでは、放射線や、抗がん剤による化学療法をおこない、それによりがんが縮小したら切除術を検討します。
4.日光角化症の治療法
局所的な治療…凍結療法やレーザー、手術など
日光角化症の治療は、局所的に作用する『凍結療法』や『電気凝固』、『レーザー治療』、『外科的切除』などが挙げられます。
周囲も含めた治療…外用薬やケミカルピーリング、光線療法など
また、病変部を面として考え、外用薬やケミカルピーリング、紫外線の出るランプを用いる『光線療法』をおこなうことも多々あります。
5.Bowen病
外科的切除がすすめられる
Bowen病の治療は、『外科的切除』がおこなわれます。
Bowen病は病気の部分と周囲の区別が肉眼では難しいです。そのため、『外用薬』や『光線療法』も良好な結果を得ていますが、切り取った皮膚からその端にがんがあるかを確認できる、という点で切除がすすめられます。
皮膚がんの治療は保険診療!新薬の開発も…
1.治療は保険診療、高額な場合は補助金も
皮膚がんの治療は、基本的に保険診療です。
年齢などによっても自己負担額は変わってきますが、治療費が高額である場合は、収入に応じて高額医療補助制度により、補助金が出ます。
詳しくは、治療時に医療機関にて聞いておくと良いですね。
2.新薬の開発も進められている
皮膚がんは、目で見ることができるため観察しやすく、研究も進んでいます。
最近では、進行性の悪性黒色腫の治療に用いる、『分子標的薬』に2剤が新薬として登場しています。また、基底細胞がんに対する分子標的薬も、開発がすすめられています。
このように、今後も新薬の開発が期待されます。
まとめ
皮膚がんの治療法は、病気の種類によってもさまざまです。
基本的には、切除する手術を行ないますが、新薬の開発も同時に進んでいます。従来の切除術だけでなく、薬のみでの治療法が出現してくるのも、そう遠くない未来かもしれませんね。
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