
2002年 福井県立藤島高等学校卒業
2002年 北里大学医学部医学科入学
2012年 北里大学医学部医学科卒業
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
『皮膚がん』というと、どんなイメージがありますか?
「足の裏のほくろは危ない」「白人に多い」などのイメージをお持ちのかたも、いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、近年では日本人にも皮膚がんが多くみられるようになっています。
この記事では、皮膚がんの発生する要因や、気になるほくろやあざがあるときのチェック法について解説します。
皮膚がんとは
1.どんな病気?ほくろやあざとの違い
『皮膚がん』とは、その名の通り皮膚に発症するがんのことです。
他にも皮膚にできる「ほくろ」や「あざ」とは何が違うのでしょうか。
皮膚がんの場合、他の部位にできるがんと同様に、大きくなる性質があります。その時に周囲の組織をも巻き込んでしまいます。その威力はとても強く、正常な組織をどんどん破壊してしまいます。
2.皮膚がんを放置した場合のリスク
皮膚がんを放っておくと、がんはどんどん深くなり、血液やリンパの流れに乗って転移します。
転移が起こると、がんがその先の臓器をむしばみ、最悪の場合死にいたります。
皮膚がんの初期症状とは?セルフチェック!
皮膚がんの初期症状は、一般的なほくろやあざとよく似ています。
気になるほくろやあざ、傷があったら、次のような症状に当てはまるか、チェックしてみましょう。
- 急にできて、どんどん大きくなっている
- 膨らむ、またはへこんできている
- 大きさが1㎝以上ある
- 色がまだら
- 形がいびつ
- 足の裏や陰部にある
- 以前、やけどや傷のあったところに新たに傷ができている
これらは、皮膚がんの特徴的な症状です。もし、上記の中に当てはまる項目があれば、皮膚科を受診しましょう。
皮膚がんの要因や発症しやすい人とは?
皮膚がんにかかる要因や、どんな人が皮膚がんを発症しやすいかについて解説します。
1.「日光紫外線」が最も大きな要因
皮膚がんの最も大きな要因は『日光紫外線』です。
紫外線で損傷した遺伝子が、修復する過程でがん化する
中でも、『UVB』と呼ばれる中波長紫外線には、強力な核DNAの破壊機能があります。破壊されたDNAを修復する過程で、異形成が生じ、それががん細胞化します。
紫外線によって皮膚の免疫機能が低下
それから、日光紫外線は、皮膚の免疫機能を抑制する、『免疫抑制状態』を引き起こします。これも発がんに関与していると言われています。
オゾン層の破壊から、紫外線到達量が増加している!
また、環境汚染によるオゾン層の破壊によって、地表への紫外線到達量が増加しています。これも間接的に皮膚がんを引き起こす要因になっています。
2.そのほか「発がん化学物質」や外傷、やけどなど
日光紫外線以外にも、次のような要因で皮膚がんにかかることがあります。
ヒ素など発がん性のある化学物質
紫外線以外の要因としては、『発がん化学物質』が挙げられます。
ヒ素やベンゾピレンなど生活環境の中に存在する『化学物質』や、皮膚の接触から感染する『ヒト乳頭腫ウイルス』もそのひとつです。
くり返し起こる外傷ややけど、感染など
そのほか、特定の箇所の皮膚にくり返し起こる『炎症反応』や『免疫の低下』、紫外線により損傷した箇所を元に戻す『DNA修復能』なども皮膚がんの要因です。つまり、外傷ややけど、感染のくり返しが皮膚がんの原因になり得るということです。
3.加齢により発症しやすい
がんは「老人病」とも言われるように、加齢はがんの要因のひとつです。
加齢によって、各細胞の産生機能や修復機能がおとろえ異常をきたすことが、がんを招くと考えられています。
4.「白人に多い」イメージは本当?
人種によっても、皮膚がんの発症しやすさには差があります。
人口あたりの発症人数が圧倒的に多いのは白人です。白人の場合は、すべてのがんの中で最も多いのがこの皮膚がんです。
人種によって発症する割合が異なるのは、紫外線へ抵抗する能力の差が関係しています。
5.皮膚がんの予防と早期発見のために
過度な日焼けを繰り返すことによって、紫外線を浴びる量を増やすことになります。日焼けのし過ぎは、できる限り避けましょう。
また、長期間治らないかぶれや、昔やけどしたところに出来たあざなどの変化に気を配るようにしましょう。先に解説した症状にあてはまる場合は、皮膚科を受診してください。
皮膚がんの検査・治療法
1.診断が最も大切!皮膚がんの検査法
皮膚がんは、種類によって治療法も変わってくるため、診断が大切です。
皮膚がんの検査では、皮膚を一部切り取って、顕微鏡を使って調べる『生検』が用いられることが多いです。
2.種類によっても異なる治療法
検査によって皮膚がんの種類が判明したら、治療を進めます。
種類によって治療方法は異なり、切除することで根治するものもあれば、その後も抗がん剤や放射線による治療が必要なものもあります。いずれも治療には健康保険が適用されます。
まとめ
皮膚がんは、他のがんとは違って、目で見ることのできるがんです。
ほくろやあざに気になる変化がみられたら皮膚科へ
ほくろやあざが急に大きくなる、盛り上がる、くぼむ、などの症状がみられる場合は皮膚科を受診しましょう。
皮膚がんは初期に発見することが大切!
皮膚がんは、早期発見、早期治療が大切です。必要以上に怖がることなく、気になることがあれば医師に相談してください。
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