排便時の違和感…直腸脱はどんな病気?症状や手術などの治療法について

直腸脱
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白畑敦先生

監修者

しらはた胃腸肛門クリニック横浜

院長:白畑敦 先生

2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年  横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任

 

大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。

目次

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直腸脱は、子どもから高齢者まで、さまざまな年代の人に発症する病気です。

この記事では、直腸脱の症状や、手術などの治療法について解説します。

直腸脱について

1.直腸脱とは?

肛門から直腸の粘膜や、壁が飛び出す病気

『直腸脱』とは、肛門から直腸の粘膜や、壁の全層が外に飛び出してしまう病気です。

肛門から、指くらいの太さの赤黒い粘膜がみえることがあります。また、直腸の壁が真逆に反転し、10~20cmほど肛門から脱出することもあります。

直腸脱

どれくらい直腸が飛び出しているかで2つに分けられる

直腸脱は、どのくらい直腸が飛び出しているかによって、2つに分けられます。

直腸壁が完全に飛び出しているものを『完全直腸脱』といいます。粘膜の一部が飛び出しているものは『不完全直腸脱(直腸粘膜脱)』です。

2.直腸脱にかかる原因

直腸脱になる原因の多くは、排便時や、便秘の時に力んでしまうことです。

乳児でもお尻に力を入れたことで、一時的に直腸脱になることがあります。

また、骨盤や、直腸の固定に異常があることも原因になります。特に、骨盤の底にある『骨盤底』に異常がみられると、直腸脱になりやすいです。

3. 直腸脱は女性の高齢者に多い!

直腸脱は、子どもから成人まであらゆる年代にみられる病気です。

特に、女性の高齢者に多いです。

4.直腸脱の症状について

直腸脱

排便時に違和感をおぼえる

直腸脱の主な症状は、排便時の直腸粘膜の脱出です。それにより、排便時に違和感をおぼえます。

進行すると、歩くだけで脱出したり、便漏れが起こったりする

進行すると、歩くだけでも直腸の脱出がみられます。加えて、肛門を閉じたり開いたりする『肛門括約筋』にも障害が出て、便漏れが起こります。

さらに悪化すると、便秘、排便時の出血などがあらわれる

さらに悪化すると、便秘や下痢、またこれらをくり返す『排便障害』や『排便時の出血』などの症状があらわれます。

4.直腸脱と痔とのちがい

直腸脱と痔は、自己判断で間違えてしまうことの多い病気です。

両者とも、肛門から「何か」が飛び出すという点は同じです。その「何か」が、直腸脱の場合は『直腸』、痔の場合は、直腸にできた『できもの』です。

自分で判断せず、気になる症状があれば医師に相談しましょう。

直腸脱の検査と治療について

直腸脱

1.直腸脱の検査法

直腸脱を実際にみて診断する

直腸脱の診断を行うには、脱出している直腸を実際にみることが1番です。

脱出していない場合には、お腹に圧力をかけて直腸を脱出させ、確認することもあります。

骨盤底や、直腸の固定の異常について調べる

また、直腸脱の原因となる『骨盤底』や、直腸の固定に異常があるかどうか、についても検査します。

直腸がんの検査を行うことも多い

さらに、直腸がんを併発している可能性もゼロではありません。そのため、直腸がんについても検査することが多いです。

2.子どもの直腸脱の治療

直腸脱

子どもの場合、緩やかに作用し便通を良くする『緩下剤(かんげざい)』を飲んで、排便時にお腹に圧力がかからないよう指導し、少しずつ治していきます。手術が行われることはほとんどありません。

3.成人の直腸脱の治療

成人の場合、直腸を固定する手術を行う

直腸脱

成人している場合は、外科的治療が良いといわれています。

最も多くされている手術は、脱出直腸を縫縮(縫い縮める)する方法です(Gant-Miwa法)。およそ7-8割の人に効果があります(脱出長が長い人は効果が乏しいです)。
直腸を固定する手術をおこないます。およそ9割の人は、この手術で効果がみられます。入院期間は、1~2週間程です。

高齢者にとっても、比較的負担は少ない

高齢者にとっても比較的負担の少ない手術です。

しかし、全身麻酔に耐えられない可能性がある場合は、局部麻酔で手術することもあります。

改善がみられなければ、ほかの手術法も検討

直腸を固定する手術で改善がみられなければ、直腸を切断する手術や、腹腔鏡にて直腸を骨盤内に固定する手術も検討されます。

高齢者は、手術にともなう危険性が高いこともあります。それぞれの生活の質に応じた手術を選択することが大切です。

直腸脱の再発について

直腸脱

1.直腸脱の手術後、再発する可能性がある

直腸脱の手術をおこなった場合、再発する可能性があります。再発の割合は、手術法や症状によっても異なります。

高齢者のかたで、もともと肛門のしまりが悪く、直腸がしっかりと固定されていない場合は、通常よりも再発する確率は高くなります。

2.直腸脱の再発を予防するために

直腸脱の再発を防ぐために、排便時はなるべくお腹に圧力をかけないようにしましょう。

また、便秘気味の人は、先に解説した『緩下剤』や『便秘薬』を医師と相談しながら服用するのも、ひとつの方法です。

まとめ

直腸脱は、幅広い年代の人にかかる可能性がある

直腸脱は、子どもから大人、高齢者まで、幅広い年代の人に発症する可能性のある病気です。

特に高齢者は、一度発症すると再発しやすいです。普段から、排便時に力を入れすぎないように心がけましょう。必要に応じて、緩下剤や便秘薬を服用するのも手です。

排便時に違和感をおぼえたら、肛門外科などの医療機関へ

排便時の違和感など、直腸脱が疑われる症状がみられたら、すぐに肛門外科など、医療機関を受診しましょう。自己判断で痔だと決めつけてしまわないよう、気をつけてください。

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