どんな病気?進行性筋ジストロフィーの症状や治療法。遺伝する?

進行性筋ジストロフィー
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【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

私たちの体には、さまざまな部位に『筋肉』がついています。筋肉があることで、立つ、歩く、笑うなど当たり前にしている行動ができているのです。

『進行性筋ジストロフィー』は、そんな筋肉が失われていく病気です。

この記事では、進行性筋ジストロフィーとはどんな病気か、症状や原因について解説します。

進行性筋ジストロフィーについて

1.進行性筋ジストロフィーとは

進行性筋ジストロフィーとは

『進行性筋ジストロフィー』は、筋肉の細胞が次第に壊れていく病気です。遺伝性筋疾患の総称で、難病にも指定されています。

筋疾患は、筋肉の力がない、やせてくるなどの症状があらわれますが、神経は障害されていない状態です。

2.主な症状は「運動機能の低下」

主な症状として、運動機能の低下があらわれます。

それは腕や足だけにとどまらず、心臓やものを飲み込む『嚥下(えんげ)能力』にも影響します。

症状が進行すると、全身の体の機能に障害が出る恐れがあります。

3.根本的な治療は研究段階

現在まだ研究段階

根本治療は、未だ研究段階なのが現状です。

運動機能を補ったり、各種障害を防いだりするために、リハビリテーションや装具の装着をおこないます。

4.進行性筋ジストロフィーと遺伝について

進行性筋ジストロフィーは、遺伝子の突然変異によって発症します。そのため必ずしも遺伝によってかかるわけではありません。

しかし遺伝的な要因も強く、家系的に発症しやすいケースがあります。

その場合、原因となる遺伝子が分かっている病気であれば、遺伝子検査等から診断することも可能です。

進行性筋ジストロフィーの種類と症状

1.デュシェンヌ型筋ジストロフィー

階段昇降

走れない、階段の昇降が難しいなどの症状

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの症状としては、走れない、階段の昇降が難しい、などが生じます。

次第に介助や車椅子が必要になっていきます。症状が進行したら、人工呼吸器も用います。

そのほか、筋肉や皮膚などが伸縮性を失って固くなり、その結果関節の動きが悪くなる『拘縮(こうしゅく)』などもみられます。

性染色体の異常が原因

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因は、性染色体の異常です。患者は男児に限られます。

デュシェンヌ型にかかったからといって、必ずしも母親が遺伝子を持っているとは限りません。

本人の遺伝子が突然変異し、発症することもあります。

2.ベッカー型筋ジストロフィー

ベッカー型筋ジストロフィー

比較的症状が軽い

ベッカー型筋ジストロフィーの場合は、デュシェンヌ型に比べて症状が軽いのが特徴です。15歳を過ぎても、歩行が可能なケースもあります。

ベッカー型は、5~10歳頃に、歩行の異常から気づかれることがあります。

一方、成人になっても筋力低下がみられないこともあり、発症年齢や進行スピードはさまざまです。

性染色体の異常が原因

ベッカー型筋ジストロフィーの原因は、デュシェンヌ型と同様に、性染色体の異です。

3.肢帯型筋ジストロフィー

主な症状は、手足やおしりの筋力低下

肢帯型筋ジストロフィーの主な症状は、手足やおしりの筋力の低下です。

症状はゆっくりと進行していき、心筋に障害が及ぶことは少ないです。

原因は多岐にわたる…特定できないことも

肢帯型筋ジストロフィーの原因となる遺伝形式は、多岐にわたります。

そのため原因が特定できないことも多いです。さまざまな検査をおこなっても、遺伝子変異の分類ができるのは、6~7割ほどです。

4.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー

顔や肩、首の筋肉に症状があらわれる

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの症状は、名前の通り、『顔面筋』や肩や首の筋肉に影響が出ることが多いです。

中でも特徴的なのが『翼状肩甲(よくじょうけんこう)』です。

『翼状肩甲』とは、手を挙げたときに肩甲骨の内側部分が浮き上がり、翼のように見えるものです。腕を前方に上げる際に肩を折り曲げる動作が制限されます。

発症する時期は幼年期から壮年期までと幅広く、病気に気づかないほど軽い症状の人もいます。

常染色体優性遺伝が原因

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの原因は、常染色体優性遺伝です。両親が遺伝子を持っていることが多いです。

一方で、突然変異によっても起こることが明らかになっています。

筋ジストロフィーの治療について

ステロイド療法

1.筋ジストロフィーの治療法

治療は対症療法が中心

先に解説したように、現段階で筋ジストロフィーに対する根本治療はありません。

そのため、治療は『対症療法』が中心になります。

デュシェンヌ型の場合は、ステロイド療法を用いる

中でも、有効性が確認されているのは、デュシェンヌ型に対する『ステロイド療法』です。

ステロイドを投与することで、筋力や運動機能の低下を遅らせることができます。

副作用も…定期的に病院を受診する

治療を開始するタイミングは、運動機能が低下し始めたときや、運動機能の発達が止まったときが多いです。

しかし、ステロイドは長期間使用することで副作用が起こる可能性もあります。定期的に病院を受診し、検査などを受けてください。

2.リハビリテーションについて

リハビリ

リハビリテーションで期待される効果

リハビリテーションをおこなうことで、『運動機能の維持』や『筋力の向上』、『日常生活動作の維持』、『合併症の予防』などが期待できます。

病気から起こる障害に対して、リハビリテーションで対策をし、よりよい社会生活を送れるようつとめます。

筋力トレーニングや関節可動域運動をおこなう

リハビリテーションは、筋力トレーニングや関節可動域運動、舌咽(ぜついん)呼吸などをおこないます。車椅子や装具を用いることもあります。

舌咽呼吸とは、少量の空気を舌や咽頭を使って飲み込むように肺に送り込む方法です。

まとめ

進行性筋ジストロフィーは、難病にも指定されている病気です。現在の医療では根本治療がなく、対症療法が中心です。

とはいえ、早めに発見することで、今後起こりうる症状の対策を立てたり、リハビリテーションで日常生活動作を維持したりすることも可能です。

体に異変を感じる、日頃と違う様子が見受けられるといった場合は、すみやかに整形外科 か神経内科を受診しましょう。

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