花粉症になる人とならない人の違いは何!?医師がポイントを解説【2月20日はアレルギーの日】

花粉症 免疫力
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荒牧竜太郎先生

取材協力

荒牧内科

院長:荒牧竜太郎 先生

荒牧内科 院長
【職務経験】
福岡大学病院
西田厚徳病院

 

1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業

 

地域密着型で、内科全般を診療。早期発見、早期治療が病気の予後を変えるため、患者さんに有益な情報発信を行っていく。

日本アレルギー協会は、日本の学者がアレルギーの原因物質(アレルゲン)に働きかける「IgE抗体」を発見した日として、2月20日を「アレルギーの日」と制定しました。

アレルギーといえば今年も花粉症の季節がやってきましたが、地域によっては既に花粉の飛散が始まっており、東京では2月3日に飛散が開始しました。

毎年、花粉症の症状に悩まされている人は多いと思いますが、なぜ「花粉症になる人とならない人がいる」のか、考えたことはありませんか?

この記事では、そんな疑問を荒牧内科の荒牧竜太郎先生にぶつけてみました。さらに、花粉症を完治させることはできるのか、対策についても一緒に紹介していきます。

目次

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花粉症になる人とならない人の違い

花粉症の発症メカニズム

まずは、なぜ花粉症になってしまうのか、発症のメカニズムについて荒牧先生に説明してもらいました。

「体内の免疫システムによって「花粉=異物」とみなされると、花粉に対抗するために、本来免疫が働かなくていい抗体「IgE抗体」がつくられます。長年かけて蓄積したIgE抗体が一定量に達すると、それをきっかけに花粉症を発症します」

花粉症になる原因

同じような生活をしている人のなかに、花粉症になる人とならない人がいるのはなぜでしょうか。

花粉症になるのは、遺伝的な問題、食生活や生活環境の変化、睡眠不足、ストレスなど、いろいろな原因があります。

荒牧先生は「花粉症を発症する基準になる『一定量』については、もともとの体質の問題で、個人差があります。体質的な問題以外にも遺伝や環境要因なども起因します」と話します。

ここでいう体質とは「アレルギー体質」のことで、花粉症になる人とならない人の差は「アレルギー体質であるかどうか」が深く関係しています。

実際に、アレルギー体質と花粉症の関係性について、荒牧先生に解説してもらいました。

「アレルギー体質とは、体にとって問題のない物質を異物として感知してしまい、アレルギー症状(かゆみや発疹、腫れなどの炎症)を起こしやすい体質のことです。

花粉症も花粉に対してのアレルギーなので、アレルギー体質の方は花粉症になりやすい傾向があります。ゆえに、アレルギー体質が改善されれば、花粉症の症状が緩和することもあります」

このことから、アレルギー体質が治れば、花粉症が改善される可能性があるといえます。

では、遺伝的な問題についてはどうでしょうか。次で説明していきます。

花粉症と遺伝の関係について

家族がアレルギー体質の場合、遺伝によって花粉症になるケースはあるのでしょうか。

「正確には、花粉症が遺伝しやすいのではなく、アレルギー体質が遺伝しやすいのです。そのため、家族がアレルギー体質の場合は、結果として花粉症を発症しやすいということになります。

ただ、花粉症の発症には、他のいろいろな環境要因も関係するため、必ずしも遺伝するとは限りません」

花粉症を完治させることはできる?

先述したとおり、IgE抗体(本来免疫が働かなくていい抗体)が一定量に達すると、それをきっかけに花粉症を発症します。

花粉症は、症状がツライだけでなく、一度かかると完治することが難しいのも悩ましいところです。

まずは、なぜ花粉症を完治させることが難しいのかについて、荒牧先生は次のように説明しています。

「IgE抗体は、花粉に接触するたびに反応してつくられます。そのため一度、一定量に達してしまうと、花粉と接触するたびに花粉症の症状が起こってしまうのです。これが治るのが難しいとされている理由です」

症状緩和が期待できる「舌下免疫療法」

それでも、ある治療法によって花粉症を根本から改善できる可能性も生まれました。

「今までは花粉症はアレルゲンの除去、対症療法が主体でした。しかし、今では2014年から保険も適用されるようになった『舌下免疫療法』が根本治療となり、必ずとは言い切れませんが完治も可能になってきました。

舌下免疫療法は、スギ花粉の方であれば効果が期待できます。しかしすぐに効果が出るものではなく、数ヶ月後からだんだんと症状が緩和し、数年で改善される方が多いです。

治療は3年以上の長期間継続して行う必要があるため、経済的にも時間的にも負担があります。また、治療を受けた全員が完治するということではありません。しかし完治しなくても、症状が緩和したという人もいます」

免疫力を高めれば花粉症対策になる?

免疫力を高める方法

ウイルスや細菌などを退治するためには免疫力をつけることが重要であるといわれていますが、アレルギーの場合はどうなのでしょうか。

荒牧先生は、免疫力をつけるために「偏った食事(同じものばかり、脂っこいものばかり、野菜不足など)をしない、体を動かす、疲れを溜めない、といった、食事・運動・休養の面から、全体的に体力低下を防ぐように意識することが大切です」と説明します。

しかし、免疫力をただ高めるだけで、花粉症の対策につながるのでしょうか。

免疫力が高いことで花粉症になる場合がある!?

「免疫反応が過剰になると、アレルギー反応が強く起きてしまいます。そのため、免疫力を高めれば高めるほど良いということではありません。

特定のアレルゲンに対しての免疫反応が敏感な人を、アレルゲンに対して免疫力が高い、と言うことがあります。その場合は、免疫力が高いことによって、花粉症が起きている可能性があります。

しかし、特定のアレルゲンに免疫反応がない場合は、免疫力が低いと言えます。その場合は、細菌やウイルスに体が負けやすくなり、他の感染症にかかるリスクが上がるので、病気がちな状況になります」

そのうえで、「大切なのは、免疫バランスを適度に保つことです」とアドバイスしてくれました。

花粉症をラクにするための正しい対処法

免疫バランスを適度に保つことは重要ですが、あらかじめ花粉を体内に入れないようにするための対策も必要です。

また、花粉が体内に入った場合でも、症状を和らげるために食事面で気をつけることも大切です。

アレルゲンが体内に入らないようにするには?

アレルゲンが体内に入れば入るほど、花粉の症状は悪化してしまいます。

そのためには、花粉を寄せ付けない工夫が大切だと、荒牧先生は説明します。

「大切なポイントは、抗原となる花粉に接触しないことです。そのために、花粉がつかない服を選んだり、マスクをしたり、こまめにうがいをしたりして、花粉を寄せ付けず、体内に入れないことです

具体的な方法としては、外出する際に帽子やサングラスをかける、花粉がつかないようナイロン製の洋服にする、といった対策をしましょう。(毛糸やファーのついたものは花粉がつきやすいので要注意)

また、外出先から戻ったら玄関に入る前に上着を脱ぎ、花粉を室内に持ち込まないようにしましょう」

体内でアレルギーの働きを抑制する

アレルギー症状(くしゃみや目のかゆみ、鼻水など)を緩和する働きのある食べ物を、合わせて摂ることも重要だと話します。

アレルギー症状をラクにする食べ物について、次のように紹介してくれました。

「ヨーグルトや味噌、キムチなどに含まれている乳酸菌は、IgE抗体の産生を抑制するため、症状緩和に働きます。

また、お茶のカテキンや 、ブルーベリーのアントシアニンといった、抗酸化作用の強いポリフェノールは、ヒスタミンなどの放出が抑制されるのでおすすめです。

そのほか、梅肉エキスもヒスタミンの働きを抑える働きがあります」

花粉症の症状(鼻水や目のかゆみなど)を引き起こす原因となる、ヒスタミンという物質の放出を抑制することで症状の緩和につながります。

腸内の環境を整える

免疫バランスを適度に保つためには、多くの免疫を司っている腸内の環境を整えることも重要です。そのうえで、花粉症の症状を悪化させてしまう食べ物には注意を払いましょう。

どのような食べ物は避けた方が良いのか、お聞きしました。

「唐辛子などの刺激的な香辛料は、粘膜を刺激して、花粉症の症状を悪化させます。

また、油の中でも、特に『リノール酸』は体内でアレルギーを誘発しやすくします。植物油にも多いので、揚げ物やこってりしたものは控えましょう。

さらに、アルコールは血管を拡張させる働きがあるので、花粉症の症状を悪化させてしまいます」

呼吸しやすいような工夫も

花粉症になると、鼻が詰まって呼吸がしづらくなります。

そこで、すぐにできる方法として次のようなことを教えてくれました。

「メントール飴をなめたり、鼻下に塗れるメントールスティックを利用したりしてみましょう。メントールには清涼感があり呼吸がしやすくなるため、花粉症の症状が和らぐ場合があります」

まとめ

免疫力はつければつけるほど良いものではなく、アレルギー症の観点では「免疫バランスを適度に保つこと」が大切です。

健康的な生活をしているのに、なぜか症状が良くならないという人は、もしかしたら免疫力を高めすぎている可能性もあります。

また、アレルギー症状がひどいという人は、舌下免疫療法を試してみるのも良いかもしれません。すぐに効果が出るわけではありませんが、症状の緩和は期待できます。

さらに、日常生活では「アレルゲンが身体に入らないようにすること」「アレルギー症状を抑える食べ物を摂る」といったことも心がけると良いでしょう。

 

取材協力:荒牧内科 荒牧竜太郎 先生

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