小児てんかんにかかる原因や治療法を解説。家族ができるサポートは?

小児てんかん

【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

この記事では、18歳くらいまでの子どもにかかる『小児てんかん』について解説します。

『てんかん』は、大脳の神経細胞の一部が過剰に興奮することで起こる発作です。

また、突然意識を失ったりけいれんしたり、発作をくり返す体質のことをいいます。

小児てんかんにかかる原因や、病院でうける治療法、保護者の方ができるサポートについてお伝えして参ります。

小児てんかんってどんな病気?

1.小児てんかんとは

小児 てんかん

小児てんかんでは、てんかんの中でもとくに18歳くらいまでの子どもがかかるものを指します。

中でも、乳児期に発病することが多いです。

出生時の『脳の損傷』・『先天性の代謝異常』・『先天性奇形』が原因と言われています。

しかし、小児てんかんは検査をしても異常が見当たらず、原因不明の場合も多い病気です。

発病は生後から3歳までは症候性てんかんの発症が多く、学童期では突発性てんかんが起こりやすいといわれています。

2.小児てんかんの症状って?

乳児

てんかんには、『部分発作』と『全般発作』があります。

部分発作

おもな症状は、けいれん・しびれ・手が勝手に動く・頭痛などで、突然始まり1分程度で治ります。小児てんかんの役7割が『部分発作』だといわれています。

全般発作

突然意識を失い、体の硬直・突っ張り・倒れる・呼吸の停止などを起こすことがあります。

3.小児てんかんの原因は?

妊婦

小児のてんかんには、何らかの理由(大脳で突如発生する激しい電気的な異常興奮など)で損傷したことによって起こる『症候性てんかん』と、遺伝的にけいれんを起こしやすい『突発性てんかん』があります。

お母さんのお腹にいるときや分娩時に、大脳の損傷などの原因でけいれんを起こしたり、先天性の脳の奇形や代謝異常があったりすると発症します。

またウイルスや細菌による感染症や、頭部のケガも原因になることがあります。

小児てんかんの検査と治療

1.小児てんかんは何科を受診するべき?

小児科

16歳以下は『小児科』を受診します。必要であれば、小児科医から神経内科を紹介される場合があります。

16歳以上は、発作が「てんかん」なのか判断できない場合は、まずは『内科』へ行ってから『神経内科』を受診しましょう。

2.病院では、問診のあと脳波を検査する

出生時の様子も聞かれます!

親子

問診では、出生時の様子からくわしく聞かれます。そのため発達時の様子をくわしく説明できることが大切です。

おもな質問は、発作に関することや、出生時に関する問診、首のすわり、寝返りやハイハイの時期、大きな病気の有無、脳炎、代謝性の病気、高熱時のひきつけなどです。

発作についても具体的に説明できるように

チェック

発作時は慌ててしまうものですが、いつ発作が始まったのか、どの部分にけいれんがあったのかなども聞かれます。症状をよく観察して、具体的に説明できるようにしておきましょう。

発作後の様子や、決まった時間に発作が起こるなど、より詳しく説明ができるとなおよいでしょう。

『脳波』の検査について

検査

頭皮に電極を取りつけて脳波を調べます。脳が活動すると、脳の中には微弱な電気が流れます。その電位変化を体外に誘導し、増幅・記録したものが脳波です。

脳波検査では脳の活動状態がわかるので、てんかんの診断と治療経過の判断には欠かせません。

ただし、子どもの脳は大人とくらべて未熟なため、一回の検査では診断がつかないこともあります。

3.小児てんかんの治療

小児てんかんは、比較的治る可能性の高い病気です。基本的には『抗てんかん薬』を用いて、発作を起こさず生活できるようにしていきます

そのほか、病状によって治療の方法があります。それぞれくわしくみていきましょう。

抗てんかん薬

薬

体重や血中濃度を測定しながら、薬の量を調整していきます。

子どもでも飲みやすいように、錠剤・散剤・シロップ剤・ドライシロップ剤などさまざまなものがあります。

抗てんかん薬は、風邪薬などと一緒に飲むと血中濃度が変わってしまいます。ほかの薬も一緒に服用したい場合は、必ず医師に相談しましょう。

発作が3年以上あらわれない場合は、抗てんかん薬の使用を中止する場合もあります。

てんかん外科手術

手術

抗てんかん薬を飲んでいて血中濃度が安定していても発作が多い場合があります。

その場合は、外科手術で発作を抑えることがあります。短くても3~4ヶ月ほどの入院期間を要します。

  • 皮質焦点切除術:一部に限られている焦点に対して、その大脳の皮質部分を切り取る
  • 半球切除術:大脳の片側半分にわたる広い障害がある場合に行われる
  • 脳梁切除術:脳の一部を切り取るのではなく、発作の波が伝わるのを防ぐ
  • 多葉切除術:発作を起こす部分が側頭葉だけでなく前頭葉などほかの部分(葉)に広がっている場合、複数の葉を切除する

ケトン食療法

卵

米やパン、砂糖などの炭水化物を減らし、『卵・豆腐・肉・魚』を中心に、良質な食用油などの脂肪を増やす食事療法です。

これによって、脳が糖質の代わりにケトン体を栄養源に活動するようになり、発作が減ると考えられています。

食事バランスは整えることが難しいため、医師や管理栄養士による栄養指導を受けながら進めます。

食事療法は薬とちがい、効果が出るまでに最低でも1ヶ月ほどかかります。2年ほどの長期にわたって続けていく必要があるでしょう。

ACTH療法

注射

ACTHとは、「脳下垂体ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)」のことで、副腎に作用して副腎皮質ステロイドホルモンの分泌を促す動きがあります。これを投与するために筋肉注射が用いられます。

発症後できるだけ早く使用したほうがよいとされています。筋肉注射は、少ない量で短期間の投与になります。

小児てんかんのお子さまがいる保護者のかたへ

てんかんで、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方は、精神障害者保健福祉手帳を申請することで、手帳をもらえます。

1.意識を失ったときは家族がサポート!

家族

わが子がてんかん発作を起こして、けいれんしたりや意識を失ったりすると、とても不安に感じますよね。

突然のことで驚くこともあるでしょう。発作で意識を失ったときは、本人がわかっていないこともあるため、家族のサポートが不可欠です。

発作の始まりに注意

周りの状況に合わない行動、例えば目的と違うことをしたり、時に乱暴な行動や自分を傷つける行動をしたりしたら、発作の始まりのこともあるので、事前に行動に注意してください。

意識を失ったら安全確認を

意識を失ったら、身の回りの安全確認を必ずするようにしましょう。足元の不安定な場所や水周り、火の元から遠ざけることが重要です。

また着ている服が子どもの体をしめつけてしまっていないか、呼吸をきちんとキープできるようにしましょう。

特に注意してほしいのは嘔吐してしまった時で、嘔吐物によって窒息する可能性があります。嘔吐物がのどを詰まらせてないか、きちんとケアをします。

大声で呼びかけたり、体を叩いたり、ゆすったりすることはNGで、すぐに病院へ連絡しましょう。

日頃から環境に注意

日頃から倒れても衝撃がすくないよう、じゅうたんやマットを引いた環境にするのもよいです。

2.日常生活で気をつけたいこと

休息

睡眠不足や疲れがたまっているときや発熱時は、てんかん発作を引き起こしやすいため注意が必要です。日ごろから、しっかり休息をとることを心がけましょう。

また、テレビゲームなど強い光も刺激になっててんかん発作につながることがあります。

3.治療は医師の指示に従い、周りが支えていきましょう

支え

病気を受け入れるには時間もかかります。医師の指示のもと、てんかん発作時の症状やその前後の行動などを観察し、治療薬をしっかり飲んで治療にとり組みましょう。

家族が精神的な支えとなり、発作が起きた際は落ち着いて対処してあげてください。

まとめ

てんかんは出生後から3歳くらいまでに発症するケースが多いです。

成長していくなかで、発作を抑えるためには治療がとても大切です。きちんと治療を受けることで、元気な子どもと変わりなく日常生活を送ることができます。

そのためにも、なるべく早く症状に気づき、適切な治療を開始できるようにしましょう。

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