
2006年 北里大学大学院卒
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
早期発見、早期治療を心がけ、健康で心豊かな人生を歩んでいただくことを願っており、内科・消化器内科を中心に幅広い情報の発信に努める。
マイコプラズマ肺炎は、他の人にうつる病気です。ただし、それほど感染力は強くありません。
この記事では、『マイコプラズマ肺炎はどうやってうつるのか』を中心に、予防法や感染する可能性のある期間について解説します。
マイコプラズマ肺炎とは
1.マイコプラズマ肺炎って、どんな病気?
マイコプラズマ肺炎は、『マイコプラズマニューモニエ』とよばれる微生物に感染することで起こる肺の炎症のことです。
おもに気道から感染するため、一般的に『かぜ』と呼ばれる『かぜ症候群』のうち、2割がマイコプラズマによるものだともいわれています。
マイコプラズマ肺炎は、秋から冬がとくに多く、春にも流行します。
2.マイコプラズマ肺炎は人にうつる?
マイコプラズマ肺炎は、くしゃみやせき、接触によって他の人にうつります。
ただし、感染力はそれほど強くありません。
3.感染した場合の症状
マイコプラズマ肺炎に感染すると、『鼻水』『鼻づまり』『のどの痛み』『発熱(37℃~39℃)』『長く続くせき』などの症状があらわれます。
乳幼児の子どもに感染した場合は、かぜ程度ですむこともあります。
一方で、学童期の子どもや大人が感染すると、症状が悪化しやすく、肺炎になりやすいです。
マイコプラズマ肺炎の感染経路と予防法
1.マイコプラズマ肺炎の感染経路
マイコプラズマは、『飛沫感染』と『接触感染』によってうつります。
飛沫感染について
飛沫感染は、病原体の含まれたしぶきが「せき」や「くしゃみ」によって飛び、それ吸い込んでのどの粘膜などから体内に入ることで感染します。飛沫は1メートル近く飛びます。
接触感染について
接触感染は、感染した人と接触することでうつります。そのため、家族やクラスなど、限られた集団で感染が広がることがあります。
2.マイコプラズマ肺炎を予防するために
マスクを着用して飛沫感染を防ぐ!
飛沫感染を防ぐには、感染している人と、1~2mほど離れることで予防になります。
感染している人は必ずマスクをつけ、周りの人にうつさないようつとめましょう。
また、周りの人もマスクをすることで、さらに予防効果が高まります。
日頃から体調を整えておくことも大切
感染症を予防するためには、日頃から『手洗い』と『うがい』をこまめにおこないましょう。
さらに、バランスの良い食事をとり規則正しい生活を送ることで、体調を整え免疫力を上げることも大切です。
マイコプラズマ肺炎がうつるのはいつまで?
1.感染期間
他の人にマイコプラズマ肺炎をうつす可能性があるのは、感染して症状が出るまでの『潜伏期間』から治癒するまでの間です。
マイコプラズマ肺炎は、潜伏期間が2~3週間と長いです。そのため、感染していることに気づかず、他の人へ感染を広めてしまうことがあります。
また、せきが長く続く病気でもあるため、治癒するまでに1ヶ月以上かかることもあります。
2.子どもの出席停止について
子どもがマイコプラズマ肺炎にかかったら、まず感染を学校に報告し、出席について指示を仰ぎましょう。
というのも、マイコプラズマ肺炎は、『学校保健安全法』の定める『第3種』の病気にあたります。
そのため、学校に報告後、発熱やせきなどの症状が落ち着けば登校できることが多いでしょう。
学校保健安全法は、感染症の種類によって、出席停止の扱いが以下の3つに分けられています。
・第1種(『コレラ』、『ペスト』など)…完全に治癒するまで出席停止
・第2種(『インフルエンザ』、『おたふくかぜ』など)…医師が、病状から伝染のおそれがないと判断すれば、登校できる
・第3種(『マイコプラズマ肺炎』、『手足口病』など)…学校長が出席停止などの措置をとることができる
まとめ
マイコプラズマ肺炎は、感染力が特別強い、というわけではありません。
しかし、飛沫感染や接触感染によってうつります。
人混みを避ける、マスクを着用するなどして、予防につとめましょう。外出から帰ったら、手洗い・うがいをすることも大切です。
かぜに似た症状が続く、せきが止まらないといった場合は、早めに病院を受診しましょう。
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