やせた女性に多い!遊走腎の症状とは?痛みがあるときの対処法について

遊走腎
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【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

『遊走腎』は、特にやせた女性に多い病気で、症状が無いことも少なくありません。そのため、健康診断の尿検査から判明することも多いです。

この記事では、遊走腎の治療法や、放っておいたときのリスク、日常生活で注意することについて解説します。

遊走腎について

1.遊走腎って?

腎臓が極端に下がった状態

『遊走腎』とは、腎臓の位置が極端に下がった状態です。同時に、腎臓が動きやすい状態にもなっています。

腎臓はもともと、体内で移動する

遊走腎

腎臓は、長さ約約10㎝、幅5㎝、厚さ3㎝くらいの大きさで、そら豆のような形をしています。背中よりの上部に位置しています。

腎臓はもともと、体の向きによって重力に引っ張られて下がったり、呼吸によって上下したり、人間の生理的な動きとともに移動しています。

生理的な動きより、さらに下がると遊走腎に

遊走腎は、こうした生理的な動き(5cmほど)よりも腎臓が下がりすぎた状態です。ひどいと骨盤や膣のあたりまで下がることもあります。また、右側に肝臓など重い臓器があるため、右側が下がりやすい傾向があります。

2.遊走腎の原因について

遊走腎

遊走腎にかかる原因には、先天的な要因と後天的な要因があります。

先天的な要因

先天的な要因としては、腎臓の周りの組織の発育不全が挙げられます。

腎臓は、『腎繊維被膜』や『脂肪被膜』『腎筋膜』などの組織によって支えられています。この組織が弱い状態であることで、遊走腎がおこります。

また、『腎臓につながる血管』が伸びてしまうことも、遊走腎の原因になります。

後天的な要因

後天的な要因としては、腎臓周囲の脂肪や筋肉が少なく、腎臓を支えられないことが挙げられます。そのため、脂肪の少ないやせた女性がかかりやすいです。

また、出産後に筋力が落ちることが原因になる場合もあります。

3.遊走腎の症状について

無症状のことも多い!

遊走腎にかかっても、無症状のことが多いです。健康診断で、『血尿』や『たんぱく尿』が出て判明することも多々あります。

腰やお腹の痛み、吐き気を生じることも

遊走腎

『腰痛』や『腹部の痛み』、『吐き気』などの症状があらわれることもあります。こうした症状は長時間立っていることで腎臓が下がって生じるため、横になると治まるのも、遊走腎の特徴です。

症状がある場合は、泌尿器科や腎臓内科へ

症状がみられる場合、腎機能が低下している可能性があります。早めに泌尿器科や腎臓内科を受診しましょう。

4.遊走腎は放っておいたら悪化する?

症状がなく、腎機能の低下もなければ、治療は必要ない

遊走腎にかかっていても、自覚症状がなく腎機能の低下がみられなければ、特に治療する必要はありません。

症状が持続した状態で放っておくと、「水腎症」になることも

遊走腎

しかし、症状が持続しているまま放っておくと、『水腎症』という病気になることもあります。

水腎症は、尿が腎臓から尿の出口を通過するあいだに障害がおこって停滞し、腎機能が低下する病気です。『尿路感染症』や『尿路結石』などの病気を引き起こすこともあります。

水腎症が、さらに「腎不全」や「尿毒症」を引き起こす

水腎症を放っておくと、さらに悪化し、『腎不全』や『尿毒症』へと進行する可能性もあります。

遊走腎の治療法について

1.遊走腎が疑われる場合の検査

遊走腎の検査では、『X線撮影』や『エコー検査』で、立っているときと寝ているときの腎臓の移動を確認します。

2.遊走腎の治療について

症状がなければ治療は必要ない

先に解説したように、症状がなければ、特に治療は必要ありません。

症状がある場合は、運動療法や食事療法などをおこなう

遊走腎

症状がある場合は、腎臓を支える筋肉を強くするため、『運動療法』や『食事療法』を実施します。

運動療法では、腹筋を鍛えるトレーニングをおこないます。また、医療用のコルセットを装着して、腎臓が下がりすぎないよう支えることもあります。

食事療法では、過剰なダイエットは腎臓の周囲の脂肪が増加するため、毎日適量の食事(脂肪分、たんぱく質摂取)に気をつけます。

3.遊走腎で手術することはある?

遊走腎で手術がおこなわれることはほとんどありません。

しかし、先に解説した水腎症などの合併症がみられる場合には、手術が適用されます。手術で腎臓を固定し、腎臓が下がりすぎないようにして、他の臓器へ影響しないようにします。

日々の生活の注意点

1.痛みがあるときの解消法

遊走腎によって痛みを感じるときは、横になると楽になります。ただし、あまりに痛みがひどければ医師に相談して、痛み止めを処方してもらいましょう。

2.腎臓が下がらないために気をつけること

遊走腎

腎臓が下がりすぎないように、日常生活では次のことに注意しましょう。

・長時間立ちつづけることは避ける

・ウエストを締める服装をしない

・痩せすぎに注意する

・腹筋や背筋運動をおこなう

ウエストを締める服装をしていると、腎臓が下がったままで固定されてしまうことがあります。

また、痩せて脂肪や筋肉が減ると、遊走腎の症状が出やすくなってしまいます。食生活にも注意しましょう。

まとめ

遊走腎は、やせた女性に多い症状です。

特に痛みなどがなければ、気にする必要はありません。しかし、腰や背中に痛みなどの症状がある場合は、腎機能の低下など、合併症も疑われます。病院を受診しましょう。

また、日ごろからバランスのよい食生活を心がけるとともに、適度な運動をおこなって、筋力をつけておくことも大切です。

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