
2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。
メニエール病という病気をご存知ですか?
名前をどこかで聞いたことがある、というかたもいらっしゃるかもしれません。一方で、メニエール病にかかっていても、周りの人は分かりづらく、身近に感じる人は少ないのではないでしょうか。
しかし、患者数は決して少なくない病気です。こちらの記事では、メニエール病の症状や、メニエール病と診断するのに必要な検査について解説します。
メニエール病について
1.どんな病気?
『メニエール病』は、めまいや平衡感覚のくるい、吐き気などが繰り返し起こる病気です。
『内リンパ水腫』 とも呼ばれています。内耳のリンパ液の圧や体積が増えることが原因で発症します。なぜ内耳のリンパ液が変化するのかについては、未だ解明されていません。
しかし、ストレスや睡眠不足などの生活習慣がかかわっていると徐々に分かってきています。その他にも、気圧の変化や、繊細で几帳面な性格な人は、メニエール病にかかりやすいです。
2.自覚症状
初期症状は聞こえづらさ、耳鳴りなど
メニエール病の初期の自覚症状は、なんとなく音が聞こえづらい、耳鳴り、耳の奥に何か詰まっているような感覚、などあいまいなものが多いです。症状のほとんどは片耳に起こります。
続いて、めまいや平衡感覚のくるい、吐き気が生じる
症状が進んでくると、激しく回転するようなめまいや、平衡感覚のくるいから起こる、雲の上を歩いているようなフワフワとした感覚、突然の吐き気などが繰り返されます。
一方でメニエール病の症状は個人差が大きく、頭痛や吐き気などの症状が、初期の段階で生じる人もいます。
めまいは通常10分ほど続く
めまいの程度も人によってさまざまです。ぐるぐると回転して立っていられないほど重い症状のこともあれば、なんとなくフワフワし、ぼーっとするくらいの軽い症状のこともあります。
一般的に、めまいは10分程度続きます。まれに24時間続くこともあります。
その他の症状
通常とは音の響きかたが違って聞こえるケースもあります。「難聴」のイメージがあるメニエール病ですが、難聴という自覚がなくとも、診断を受けることがあります。
他には、冷や汗や動悸などの症状があらわれることもあります。
3.メニエール病と間違えられやすい他の病気
メニエール病に症状が似ている病気として、次の病気が挙げられます。
・難聴
・前庭性片頭痛
・ウイルス性内耳炎
・神経炎
・その他、脳や中枢性の器官にかかわる病気
メニエール病は、症状が1日に何度も、もしくは数日間にわたってくり返し起こることが特徴です。そのため、一度の違和感では、メニエール病と他の病気との区別がつきづらいです。
また、耳の神経は脳とつながっています。メニエール病でなければ、他の耳の病気や、脳や中枢性の器官にかかわる病気が疑われます。
4.メニエール病のリスク!早めに病院へ
聴力に影響を及ぼすことも
メニエール病の症状である、聞こえづらさを放っておくと、聴力にも影響を及ぼすことがあります。
手術には、後遺症の残るリスクがともなう
重症化し、薬を使った治療での改善が見込めなければ、手術が必要になるケースもあります。手術は、少なからず聴力を失うリスクをともないます。完全に聞こえなくなることは稀ですが、以前より聞こえづらくなる、といった後遺症が残ることは十分に考えられます。
メニエール病を疑われるような症状や、耳に違和感を覚えたら、早めに病院で診療を受けましょう。
メニエール病かも?と思ったら…診断と検査法
1.耳鼻咽喉科を受診!
めまいや吐き気を繰り返すようであれば、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳鼻咽喉科が近くにない場合は、一度内科や総合診療を受診して、紹介状を書いてもらうことも可能です。
2.メニエール病の診断と検査
メニエール病の診断をするために
メニエール病、と診断するにはいくつかの基準があります。診断は、他の病気でないことを確かめ、診断を確定する『除外診断』によって主に行われます。
先に解説したように、メニエール病には、症状の似た病気がいくつかあります。そのため、いくつか検査を実施して、診断する必要があります。
メニエール病の検査
検査は、『聴力検査』や、『バランス検査』、自覚症状の聞き取りを実施します。
必要に応じて、目を閉じた状態での足踏み検査や、目の動きの異常、内耳を調べることもあります。
また、以上の検査を実施しても、メニエール病との判断が難しい場合は、中枢神経系のMRIである、『ガドリニウム造影MRI』によって神経系の検査を行います。
おわりに
生活習慣の見直しが1番の治療!
メニエール病には、ストレスや睡眠不足、疲労などがかかわっています。
そのため、生活習慣の見直しが1番の治療です。薬や手術によって治療することもありますが、まずは生活習慣を見直し、ストレスや疲労の軽減をはかりましょう。
あまりに急に生活を変えてしまうと、かえって心身の負担となってしまいます。医師と相談しながら、少しずつ今の生活を改善していきましょう。
メニエール病が疑われる場合は、早めに耳鼻咽喉科へ
また、聞こえづらさやめまいなど、メニエール病を疑われる症状があれば、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
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