乳腺症のしこりが石灰化したらどうなるの?痛みや検査、治療法について

乳腺症 石灰化
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北総合病院 初期・後期研修医(一般外科コース)
国立国際医療研究センター病院 乳腺内分泌外科 フェロー
2018年より現クリニック勤務

目次

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がん検診や人間ドックでマンモグラフィーを受けたときに、結果のところによくわからないコメントが書いてあると、「乳がんの前兆なのでは」と不安になりますよね。
しかし、石灰化があるからといって、すべて乳がんというわけではありません。石灰化の8~9割は、良性の石灰化です。

こちらの記事では、乳腺に石灰化があるとはどういう状態なのか、乳がんとの見分け方について解説します。

乳腺症の石灰化について

がん検診や人間ドックでマンモグラフィー検査を受けると、結果のところに「良性石灰化」などと書かれていたことはありませんか?見慣れない単語に戸惑ったり、心配になる方もいるかと思います。

若い方でも線維腺腫や乳腺症、さらには皮膚の中にできた石灰化といった良性の変化により、『石灰化』がみられることがあります。

1.「石灰化」とは?

『石灰化』とは、カルシウムが乳腺に沈着することで起こる変化のことです。

石灰化の診断にはマンモグラフィー検査が有用です。石灰化は乳房だけでなく、腎臓や肩、脳の中など、身体のいろいろな場所で起こる可能性があります。

2.乳がんの場合も石灰化がみられる

乳腺症 石灰化

乳がんの場合も同様に石灰化がみられることがあります。ただし、すべての乳がんで石灰化が見られるわけではありません。良性の石灰化と乳がんからくる石灰化、どちらによるものかしっかりと区別する必要があります。

マンモグラフィー検査で石灰化が見つかった場合は、石灰化が見える数や大きさ、形、場所、分布状態を観察します。その結果によって、以下のようにカテゴリー分けされます。

①異常なし
②良性
③良性だが悪性を否定できない
④悪性の疑い
⑤悪性

石灰化から症状が出ることはまずないため、何も自覚症状がなくてもマンモグラフィー検査してみたら石灰化が映っている、ということはよくあります。それを②良性石灰化と呼ばれます。

マンモグラフィー検査で石灰化がみられた場合は、悪性の疑いも考慮しつつ、読影する医師が①-⑤のような判定を行っています。
③、④、⑤に該当した場合には精密検査を受けるように指示されることになり、乳腺科・乳腺外科・外科などを受診することになります。

3.乳がん以外に石灰化を起こす病気

石灰化には、さまざまな原因があり、必ずしもがんとは限りません。

石灰化の起こる病気「線維腺腫」

たとえば、石灰化の起こるほかの病気として『線維腺腫』という良性疾患があります。

線維腺腫は、若年の女性に最も多い乳腺腫瘤(しゅりゅう…しこりなどのかたまり)です。

増殖の仕方によって『管内型』と『管周囲型』などと分けられたりしますが、これは組織をとる検査をしなければ見分けはつきません。症状はしこりだけで、痛みや分泌物はありませんが、しこりが大きくなると、胸がそこだけ出っ張ってしまったり、生理前に張って痛みがでたりする人がいます。しこりの大きさはさまざまですが、多いのは1cmくらいの球形か楕円形です。

しこりが良性で、小さなものであれば特に治療の必要はありません。乳腺科だけでなく、人間ドックなどで定期的に経過観察を行う場合もあります。

乳腺石灰化の治療

乳腺症 石灰化

1.良性であれば経過観察

石灰化が良性と判断された場合は『経過観察』になります。ほとんどの場合、治療の必要はありません。
そもそも乳腺はミルクをつくっているところで、ミルクの成分にはカルシウムが含まれていますから、それが水垢のように沈着すると、生理的に(病気ではなく)石灰化が起こることはよくあります。

2.悪性が疑われる場合は精密検査

悪性が疑われる場合は、さらに精密検査を行います。
石灰化は一般的にマンモグラフィー検査で見られるものなので、マンモグラフィー検査しかしていなければ乳房超音波検査も追加されたりします。

3.症状が強い場合は薬を服用

自然に治癒することが多いですが、痛みなどの症状が強い場合は、女性ホルモンのひとつである『エストロゲン』の分泌を抑える薬や、鎮痛剤が処方されることもあります。

まとめ

乳腺症 石灰化

乳腺には石灰化が生理的に起こることがあり、「良性石灰化」という記載であれば、特に心配する必要はありません。

ただし、石灰化が増えてこないか、怪しい石灰化が新たに出てこないかなどは定期的にチェックした方がよいです。その場合、通院する施設を一定にしたほうが、時系列でマンモグラフィーの写真を比較しながら診断してもらうことができるのでよいと言えます。

良性の石灰化なのか悪性の疑いがあるのか心配な場合には乳腺科や乳腺外科を受診するとよいでしょう。また、中には産婦人科でも乳がん検診を行っているところもあるため、確認して受診しましょう。

生活習慣を見直して、乳腺症を改善しよう!

乳がんの発生や増殖には、「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが深く関わっています。

生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとること、バランスの良い食事をとるよう心がけましょう。脂肪細胞から「エストロゲン」が分泌されることが分かっています。過度な肥満にならないように、油っぽい食事は控え、さまざまな種類の食品を、腹八分目を守って食べるとよいですね。

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