知っておきたい!本格的なインフルエンザの流行に備えるための薬の知識や対策

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取材協力

薬剤師:石上和子 先生

静岡薬科大学出身
現在管理薬剤師として関東の薬局で活躍中。

子供から高齢者まで皆様が安心して、効果的にお薬を使用していただけるよう、日々調剤を行う。
まずは薬を飲まずに済むように自分自身で対策を取ること。そのために役立つ情報を発信していく。

今季のインフルエンザは例年よりも早い11月には流行し始め、今後さらに本格的な流行期に入ると見込まれています。

これから年末年始にかけては帰省などによって人の動きが活発になることから、感染にはとくに注意が必要です。

対策として抗インフルエンザ薬の服用が挙げられますが、「タミフル」や「リレンザ」に続き昨年登場したのが「ゾフルーザ」でした。

この新薬の安全性やインフルエンザの予防法、咳エチケットといったインフルエンザにまつわる話題について、薬剤師の石上和子先生にお話を伺いました。

目次

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新薬「ゾフルーザ」の効果と安全性は?

「タミフル」や「リレンザ」などの抗インフルエンザ薬は1日2回(5日間)服用することが求められます。

それに比べ、昨年3月に登場した「ゾフルーザ」は、1回の服用で済むことから使い勝手の良さで話題になりました。

しかし、後に「耐性ウイルス」についても問題視されています。このことについて石上先生にお聞きしました。

薬剤耐性ウイルス問題の疑問

そもそも、よく耳にする「耐性ウイルス」とは何なのでしょうか?

これについて石上先生は「『薬剤耐性ウイルス』とは増殖する過程で一部の性質が変化し、今まで効果のあった薬が効きにくくなる性質を獲得したウイルスのことです」と説明してくれました。

子どもへの投与を慎重に行う理由

1回の内服で済むゾフルーザは、子どもを持つ親にとっては何度も薬を飲ませなくて済むのでとても便利です。

しかし、多くの病院で子どもへの投与は控える傾向にあるようです。また、日本感染症学会では「ゾフルーザの12歳未満の子どもへの投与は慎重に」と警告しています。

その理由について、このように答えてくれました。

「ゾフルーザによる薬剤耐性ウイルスの出現頻度が高いことが理由です。約3割の小児患者にゾフルーザ耐性菌が見られたという報告もあります。

また、新薬は臨床データが乏しいため、今まで長期間使われてきた薬の方が子どもには安心して処方できるということです」

ゾフルーザを処方するケース

ゾフルーザの処方については、「禁止ではないので処方は行えます」とのことです。

医師が子どもにゾフルーザを処方するケースについて「吸引薬が苦手で何度も薬を飲むのが難しいというお子さんには、ゾフルーザは1度の内服で済むので処方することがあります」と説明します。

薬で異常行動が起きる?

子どもは大人よりもインフルエンザで異常行動を起こすケースが多いようです。原因のひとつに「抗インフルエンザ薬の服用」があるようです。このことから、ゾフルーザを服用後に異常行動は確認されているのか、石上先生に聞いてみました。

「ゾフルーザに限らず、薬と異常行動の因果関係は現時点では不明です。薬の種類に関係なく、また、飲んでいなくてもインフルエンザによる異常行動を起こすことがあります。

とくに小児や未成年男性に多く見られるので、お子さんがインフルエンザにかかった場合には2~3日は目を離さないようにしましょう」と注意を促しています。

【関連記事】薬の服用や脳症が原因!?子どものインフルエンザは異常行動に注意

インフルエンザの予防法と効果について

インフルエンザ対策といえば「予防接種」「手洗い」「うがい」「マスク」ですが、これらと合わせて行うと効果的な予防法について、石上先生にお聞きしました。

抗インフルエンザ薬で予防もできる!?

例えば受験生を抱えるご家庭では、インフルエンザの感染にとてもナーバスになることがあるかもしれません。

受験のような大事な予定を控えている場合、「タミフル」「リレンザ」「イナビル」といった抗インフルエンザ薬で予防をするという方法があります。

ただし、この方法でも効果は100%ではなく、保険は適用されません。

また、石上先生は「この予防投与ができるのは原則として『同居する人がインフルエンザにかかっている人』『感染により重症になりやすい人』です。

それ以外の人がこの予防法によって健康被害が出た場合には、医薬品副作用被害救済制度の適応外となり、万が一重い副作用が出ても救済制度の対象にはなりません」とリスクについても説明します。

【関連記事】医師が答える!抗インフルエンザ薬の予防投与でインフルは防げる?

「咳エチケット」でウイルスを拡散させない

インフルエンザ対策のためにマスクを着ける方は多いと思いますが、「咳は何かで口を覆わなければ、ウイルスが数メートルは飛散します」と話すように、自分がウイルスを拡散させないためにも大切なアイテムです。

しかし、たまたまマスクをしていないときに咳がでてしまったときに気をつけなければいけないことについては、こう話します。

「ウイルスが付いた手で、ドアノブや電車の吊り革といった公共物に触ることで感染源になるので、すぐに手洗いをしてください」

咳をする際に手で覆ってしまった場合、そこからウイルスを拡散させてしまうので、必ず手洗いをすることが大切だと説明してくれました。

マスクをしていないときは袖で口を覆う

マスクをしていないときには「袖で口を覆う」という方法が厚生労働省でも推奨されています。これなら手にウイルスが付着することもなく、感染源になることもありません。

石上先生は「袖で口を覆うだけでもマスクやハンカチのように咳によるウイルスの飛散を防げます」と効果について説明します。

マスクは使い捨てが基本

最後に、マスクの取り扱いについても説明してくれました。

「マスクにはウイルスが付着しているので、毎日取り替えましょう。咳やくしゃみが多いときには数時間おきに取り替えても良いですね」

まとめ

新薬「ゾフルーザ」の薬剤耐性ウイルス問題や抗インフルエンザ薬の予防投与の注意点について石上先生に伺いました。

また、インフルエンザは予防のためだけでなく、人にうつさないようにするためにもマスクをつけることが大切です。

もしマスクがないときに咳が出た場合には、感染拡大を防ぐためにも手ではなく、洋服の袖で口を覆うように心がけましょう。

 

取材協力:管理薬剤師 石上和子 先生

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