過呼吸の原因は?ストレスや自律神経の乱れも要因に。病気の可能性は?

過呼吸 原因
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岡村長門先生

監修者

岡村クリニック

院長:岡村長門 先生

【職務経歴】
戸田中央総合病院
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック

過呼吸とは、浅い呼吸を短時間に繰り返すことで、身体の中の酸素の濃度が上がり、二酸化炭素の濃度が下がることによって起こる息苦しい状況です。この記事では、過呼吸の原因について詳しく説明します。

どこから過呼吸?定義について

1.正常な呼吸のパターンとは

深呼吸

呼吸には正常なパターンがあります。

規則正しいリズムで、1分間に12-20回(新生児では1分間に40-50回)が普通です。また、呼吸の深さという考え方もあります。意識せずに息を吸ったり吐いたりするのが正常の深さです。深呼吸とは大きく吸って、大きく吐くことです。

2.1分間あたりの呼吸数と、呼吸の深さ

一分間あたりの呼吸数 呼吸の深さ 例
 頻呼吸25回以上 変化なし肺炎、発熱
 徐呼吸12回以下 変化なし

頭蓋内圧亢進ヘルニア

麻酔時

 多呼吸 20回以上 増加

呼吸窮迫症候群

過換気症候群

肺血栓塞栓症

先天性横隔膜ヘルニア

 過呼吸 変化なし 増加 過換気症候群

 モヤモヤ病 など

 減呼吸 変化なし 減少睡眠時、

呼吸筋麻痺、

薬物の影響など

 無呼吸 安静時呼吸が一時的に停止 停止 睡眠時無呼吸症候群など

頻呼吸

1分間の呼吸数が25回以上で、呼吸の深さの変化はほとんど見られません。肺炎や発熱など、さまざまな呼吸器の病気で見られます。

徐呼吸

1分間の呼吸数が12回以下で、呼吸の深さの変化はほとんど見られません

脳腫瘍や頭部外傷、脳血管障害などが原因で、頭がい骨内の圧力が高まった場合、あるいは麻酔時に見られます。

多呼吸

1分間の呼吸数が20回以上で、呼吸の深さも増加している状態をいいます。

呼吸窮迫症候群、過換気症候群、肺血栓塞栓症、先天性横隔膜ヘルニアなどで見られます。

過呼吸

1分間の呼吸数には関係なく、呼吸の深さが増大している状態をいいます。

過換気症候群、神経症、モヤモヤ秒などで見られます。

減呼吸

1分間の呼吸数には変化はなく、呼吸の深さは減少している状態をいいます。

睡眠時、呼吸筋麻痺、薬物の影響などで見られます。

無呼吸

安静吸気位(安静にした状態で普通に息を吸ったときの呼吸位)で呼吸が一時的に停止する状態をいいます。睡眠時無呼吸症候群などで見られます。

過呼吸が起こるしくみと症状

1.過呼吸が起こるしくみ

呼吸が浅い

過呼吸とは、必要以上の換気活動を行うことで、動脈血中の二酸化炭素がなくなることで起こります。

取り込む酸素が多くなることで、血中の二酸化炭素が少なくなるだけでなく、呼吸が早くなりすぎることにより、血液の巡りが悪くなり、全身に酸素が行き渡らなくなります。息苦しさを感じたり、動悸やめまいなどの症状が起こったり、重症化すると手足の痺れなどにも繋がります。

しかし命に関わるものではなく、時間とともに収まってくるものなので必要以上に不安になることはありません。

精神的な要因で起こり、筋肉のけいれん、硬直などの所見がある場合を過換気症候群といいます。

2.過呼吸の症状

過呼吸に息苦しさ以外にも以下のようなさまざまな症状を引き起こすことがあります。

めまいやふらつき

めまい

自分がぐるぐる回っている感覚になる。

頭や身体がふらつく感じがする

 心拍数・脈拍が速くなる

呼吸が浅く早くなる

筋肉のこわばりや痙攣

身体の筋肉がこわばることで動かしづらくなったり、ビリビリと電気が走るような感覚になる

発汗や口の渇き

口の渇き

過呼吸になることにより全身に汗をかき、うまく話せないほど口が渇いて水分が失われてしまう

3.過呼吸の症状の流れ

呼吸が浅く速くなる

過呼吸はまず、呼吸が浅く速くなることか始まります。必要以上に体内から二酸化炭素を吐き出してしまうことにより、呼吸中枢を支配する脳の延髄部分が、身体の正常を保つための酸が少ない状態になっていると判断し、反射的に呼吸を抑制する指令を出します。

息を吸うのも吐くのも過剰になる

しかし、呼吸中枢をある程度コントロールできる脳の大脳皮質では、呼吸できないことを異常と判断し、呼吸をするように調整されていきます。結果として、身体に大量の酸素を取り込んでしまいます。

これがいわゆる過呼吸であり、息を吸うのも吐くのも過剰になってしまうようになります。

手足や身体全体にまで症状が出る

手足のしびれ

しばらく続くことにより血液中の二酸化炭素の濃度がさらに薄くなり、手足や身体全体に様々な症状が出てしまうことになります。

過呼吸が起こる原因。起こしやすい人は?

1.過呼吸の原因

自律神経の乱れ

多くは、自律神経の乱れが関係しているといわれています。

自律神経は、体内の血液循環や呼吸、消化、体温調節や発汗、内分泌に関する機能、生殖機能、および代謝に関わるような自分でコントロールができない機能を制御しています。

疲労や精神的なストレス

自律神経が支配する呼吸が乱れると、過呼吸が発症しやすくなります。

具体的には、仕事や学業などにおけるプレッシャーや疲労、人間関係の悩みなど精神的なストレスでも自律神経の乱れを引き起こします。

睡眠の質や時間

睡眠の質

他にも、自律神経が乱れ始めると睡眠の質の低下にも繋がります。それに加え、過労で元々睡眠時間が足りていない場合、よけいに過呼吸を引き起こす可能性は高くなります。

質が良く十分な睡眠時間を確保することに加え、同じ時間に寝て起きるという規則正しいリズムを作ることも大切です。睡眠の質や時間は、過呼吸に大きく関係するので、十分に注意をしましょう。

2.病気の可能性は?

精神的な病気が原因も

疲れやすい

過呼吸は、疲労など身体をしっかりと休めることができなかったり、精神的なストレスが大きかったりすると起こります。

器質的な病気が潜んでいることはほとんどありませんが、何らかの精神疾患が潜んでいる可能性はあります。うつ病や自律神経失調症は、過呼吸を起こしやすくするといわれています。

いつでも疲れている、休んでも疲れが取れない、日ごろから精神的な不安や緊張がある人は、過呼吸の症状が出ていないとしても早めに病院を受診することが重要です。

3.過呼吸を起こしやすい人

過呼吸はストレスや睡眠など生活習慣が大きく関係しているといわれています。

ストレスを溜めやすかったり、睡眠の質が低下するような生活習慣を持つ以下のような人は注意しましょう。

頑張りすぎる人、真面目な人

必要以上に悩みすぎたり、悩みを四六時中考えすぎたりすると、それが精神的な負担を引き起こすことになります。

深く考えすぎると脳が興奮状態に陥るので、睡眠前ならなおさら睡眠の質を下げることになります。普段から頑張りすぎてしまう人や真面目すぎる人は、考えすぎる傾向にあるので十分に注意が必要です。

就寝前の長時間のスマホ

スマホ

最近では、長い間スマートフォンを眺めていたり、ベッドの中に持ち込んで就寝ぎりぎりまで見ていたりすると、睡眠の質の低下に繋がることが分かってきました。

スマートフォンの光は脳の刺激になり、交感神経を興奮状態にさせ、深い眠りにつくことを妨げてしまいます。

就寝前の食べ過ぎや飲みすぎ

また、食事の仕方によっても睡眠の質を低下させてしまいます。食べ過ぎや飲みすぎに注意するのはもちろんのこと、寝るまでの時間を逆算し、寝る数時間前には食事を終えておきましょう。

過剰な飲酒は逆に睡眠を妨げてしまいます。満腹状態で寝るのは呼吸が浅くなる原因ともなり、休息になりません。

 

過呼吸を予防するために

1.生活習慣を整える

まずは生活習慣を整えるようにしましょう。正しく栄養をとり、休息できる時間を取りましょう。特に睡眠には十分に注意を払い、規則正しい起床・就寝時間、睡眠時間を心がけましょう。

2.身体の異常ではないことを理解し、焦らない

過呼吸や過換気症候群は、身体の異常で発症するものではありません。

身体の異常は何もなく、原因は精神的ストレスによる自律神経の異常です。ですから発作が起きた本人も周囲の方々も、慌てずに行動しましょう。

まとめ

過呼吸は、ストレスなどの自律神経の乱れにより誰でも発症する可能性があります。

多くは時間がたつと正常に戻るので心配はいりませんが、万が一過呼吸が起きた場合には、かなり身体や精神的に負担がかかっている状態であると認識しましょう。

身体のことや自分が今置かれている状況や環境などを再考し、焦らず、身体にとって無理のない範囲を見極めることが大切です。

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