
1993年 私立駒場東邦高等学校卒業
1999年 慶応義塾大学医学部卒業
1999年 慶応義塾大学医学部皮膚科入局 静岡市立清水病院、慶應義塾大学病院助手 三井タワークリニック さくら皮膚科スキンケアクリニック(調布市仙川)院長
2010年 成城スキンケアクリニック開院
2015年 独立行政法人成育医療センターにて、乳幼児のレーザー治療(全身麻酔)を担当
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
質の高い医療を目指し、患者さん一人ひとりに合った治療法を提供。
夜間や日曜日の診療、日帰り手術を行うことで、患者さんに寄り添った診療を心がけている。
汗をかいたあと、そのままにしてはいませんか?
汗をかいたところにできる、赤いブツブツや水ぶくれが『あせも(汗疹)』です。運動をして大量に汗をかいたときや、気温の高いときは、特に注意が必要です。しかし、むれる服装や長時間の座りっぱなしなど、日常の中にもあせもの原因は潜んでいます。
この記事では、あせもをまねく原因や、治しかたについて解説しています。
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あせもができる原因とは?
1.あせもができるしくみ
あせもは、汗の出る管『汗管(かんかん)』に汗が詰まることが原因で発症します。
汗管が詰まると、皮膚表面に汗が出られなくなり、炎症が起こります。そうして発生する赤いブツブツや水ぶくれ、かゆみなどがあせもです。
2.通気性の悪い服や座りっぱなしが原因に
通気性の悪い衣服の着用や、長時間同じ姿勢でイスに座ることが、あせもをできやすくします。身体がむれることで、汗管に汗がつまり、あせもを引き起こします。
また、刺激に弱い肌のかたは、大量に汗をかいたり、むれたりという自覚がなくともあせもになります。
乳幼児の場合も、皮膚が大人より薄くデリケートなため、あせもができやすいです。
3.あせもはどこにできやすい?
汗がたまりやすいところは注意!
あせものできやすい箇所は、頭や顔、首回り、背中、胸やお腹周り、肘の内側、脚の付け根、お尻、膝の裏側などです。これらの部位は汗がたまりやすく、かつ乾きにくいため、あせもができやすくなります。
男女別、あせものできやすい箇所
大人は、男性の場合は襟まわりやベルトのあたる位置、女性は下着のあたる位置や生理用品のあたるところがあせもになりやすいです。
乳幼児は、オムツでおおわれている部分にできやすい
特に、乳幼児の場合は、オムツでおおわれている部分にできることが多いので注意しましょう。
あせもの症状と引き起こす病気
1.あせもの種類と症状
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
一般的なあせものことです。赤い小さなブツブツが一部にでき、かゆみを伴います。
水晶様(すいしょうよう)汗疹
小さく透明な水ぶくれになる、白いあせもです。かゆみは伴いません。
深在性(しんざいせい)汗疹
皮膚の深いところにできるあせもです。水晶様汗疹と同様に、かゆみは伴いません。
日本ではあまりみられません。
2.あせもが引き起こす他の病気
あせもをかきすぎると、『とびひ』や『皮膚炎』など、他の病気になることもあります。
あせもをかくことによって傷ができ、そこから細菌が侵入し、化膿することで発症します。
子どもは特に、かきむしってしまわないよう、気を配る必要があります。もちろん大人の場合も、かゆくても我慢するようにしてください。
あせもの治しかた
1.あせもはとにかく「かかない」 !
あせもができてしまったら、まずは『かかない』ことです。
かくことによって、皮膚に傷ができ細菌に感染して重症化してしまうことがあります。
あせもが出来ている間は、汗をかかないように涼しい環境作りが大切です。また、指の爪も短く切り、傷を作らないようにしましょう。
「どうしてもかいてしまう…」というときは、ガーゼを使って患部を保護するなど、工夫するとよいですね。
2.重症化したら皮膚科で治療をうける
『あせもがたくさんできる』、『かきすぎて傷になり、眠ることができない』など、日常生活に影響がでるときは、皮膚科で診察をうけましょう。
重症化している場合は、薬の処方が必要になります。炎症を抑える薬には、『ステロイド剤』があります。
かきすぎて傷があると、細菌が繁殖してとびひになっていることもあります。その場合は抗生物質の飲み薬や外用薬をあわせて使うこともあります。
あせもを予防するために
あせもの予防には、汗をかいた後どのように対処するかが重要です。予防するための方法を紹介します。
1.濡れタオルなどで汗をふきとる
汗をかいたら、タオルなどでこまめに汗をふきとりましょう。
乾いたタオルでゴシゴシとこすると、皮膚を傷めかねません。濡れたタオルでやさしくふき取りましょう。
携帯用の顔・からだ専用のウェットシートを常備すると便利ですね。
2.汗をかいたらこまめに着替える
あらかじめ汗をかくことがわかっている場合は、着替えを持参して、汗をかいたら着替えるようにしましょう。
汗をかいたままにしておくと、むれてあせもが出来やすくなります。着替えるときは、下着まですべて替えるとよいです。
3.シャワーで汗を洗い流す
汗をかいたら早めにシャワーを浴びましょう。汗を流して身体を清潔にすることで、あせもの予防になります。
湯船につかる場合は、さらに汗をかいてしまうので注意が必要です。
ぬるま湯にする、お風呂から出たらしっかりと水をふくなど、汗が残らないよう工夫しましょう。
4.加湿器などで乾燥しない工夫を!
あせもの予防には、皮膚の乾燥にも注意する必要があります。
汗をかかないようにエアコンをつけていると、かえって皮膚が乾燥して過敏になってしまいます。また乾燥していると、あせもができたときに症状が悪化しがちです。加湿器などを使って、適度な湿度を保ちましょう。
まとめ
汗には、大切な役割がある!
あせもを引き起こす『汗』は、私たちの身体にとって大切な役割を果たしています。
体温を調整したり、老廃物を身体の外に出したりすることで、汗は私たちの身体を健康に保ってくれているのです。そのため、必要以上に汗をかかないようにすることはやめましょう。
あせをふきとり、シャワーを浴びてあせも予防
汗をかいたら、こまめにふきとったり、シャワーを浴びたりすることであせもを防ぐことをおすすめします。
あせもができたらとにかく「かかない」
あせもができると、大人でもかきたくなってしまいます。子どもならなおさらです。かきすぎると傷になり、重症化するおそれがあります。かきむしらないように気をつけてください。
もし、かきすぎて重症化してしまったら、すみやかに病院へ行き、適切な治療を受けましょう。
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