
荒牧内科 院長
【職務経験】
福岡大学病院
西田厚徳病院
1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
地域密着型で、内科全般を診療。早期発見、早期治療が病気の予後を変えるため、患者さんに有益な情報発信を行っていく。
ついついお酒を飲みすぎてしまった翌日は、吐き気や頭痛といった二日酔いの症状に悩まされることが多いです。
この記事では、つらい二日酔いに効く食べ物や飲み物、サプリメントなどを紹介します。
またお風呂に入るときや、市販薬を選ぶときの注意点についても解説します。
なぜ飲みすぎると二日酔いになるの?
お酒を飲んだ翌日は、頭痛・吐き気・嘔吐・ほてり・喉のかわきといった二日酔いの症状が出ることがあります。
このような症状が出る原因としては、アルコール分解の際に発生する「アセトアルデヒド」という有害物質が、代謝しきれず体内に残ってしまうことが挙げられます。
またアルコールを代謝する際に大量の水分が失われることで、「低髄液圧症候群(脳を保護する髄液の減少)」が生じ、頭痛を引き起こす場合もあります。
自分でできる二日酔いの治し方
つらい症状を解消するには、二日酔いに効く食べ物や飲み物、サプリメントなどを摂ると効果的です。
1.二日酔いにおすすめの食べ物
「オルニチン」や「クルクミン」が含まれた食べ物は、肝機能を高めてアセトアルデヒドの分解を助けるため、二日酔いに効果的です。
それぞれ次のような食材に含まれます。
- オルニチン:しじみ・キハダマグロ・チーズ・きのこ(しめじ・えのきなど)
- クルクミン:主にウコン(ターメリック)に含まれる
クルクミンは基本的にウコンからの摂取となるため、ウコンの使われるカレーから摂ると良いでしょう。
二日酔いの朝はしじみの味噌汁や、カレー粉を使ったスープなどを摂ると良いでしょう。
2.二日酔いにおすすめの飲み物
アルコールは脱水症状を引き起こすため、頭痛やめまいなどの原因となります。
体がアルコールを分解するときは水分・塩分・電解質を多く消費するため、これを飲み物から補給してあげると二日酔い改善に効果的です。
飲み物の温度は冷たいものより常温の方が胃に負担をかけません。水のほかに下記もおすすめなので、症状に合わせて飲めそうなものを選んでみてください。
スポーツドリンク
お酒を飲み過ぎてしまった直後でも、翌日二日酔いが起きたときでも有効です。
スポーツドリンクにはアミノ酸・ビタミンB1・塩分・糖分が含まれており、これらを効率よく吸収することができます。
また二日酔いのときは真水よりは多少塩分が入っている方が、刺激も少なく胃にやさしいとされています。
また尿の排出に伴って不足しがちな糖分を補給することで、倦怠感の予防にも役立ちます。
味噌汁
味噌汁には肝臓のはたらきを助けるアミノ酸やミネラルが含まれているほか、脱水症状改善に必要な水分や塩分も同時に摂取できます。
また味噌に含まれるコリン・たんぱく質・ミネラル・塩分は、肝臓のはたらきを助けてアルコール処理能力を高めます。
野菜ジュース
ジュースに含まれる果糖は、体に即効的なエネルギーを与え新陳代謝を促します。
特にトマトジュースに多く含まれるリコピンは、アセトアルデヒドを分解するはたらきがあり、二日酔い改善の効果が期待できます。
また胃を保護するはたらきのあるクエン酸や、弱った肝臓を助けるGABAも多く含まれているためおすすめです。
レモン果汁を入れた炭酸水(無糖)
炭酸水はアルコール分解時に使う酵素のはたらきを促進するため、二日酔いに効果的です。
またレモン果汁に含まれるビタミンCやクエン酸も、アルコールの分解を助けます。
カフェイン飲料
頭痛の症状がある場合、脳内の血管がむくんでいることが考えられます。
この場合はカフェインの利尿作用を利用し、水分を尿として排出する方法もあります。
水分が排出されることで、むくみがとれて頭痛が緩和されるでしょう。
3.二日酔いにおすすめのサプリメント
サプリメントでは、下記を摂取することをおすすめします。
- オルニチン、クルクミン:肝機能を高める
- タウリン、セサミン、スルフォラファン:アセトアルデヒドの代謝促進、肝臓機能の回復
- L-システイン:肝臓のアルコール分解酵素を助ける、新陳代謝を促進
ドラッグストアなどで手に入るものも多いので、食事を摂るのが難しい場合はサプリメントを取り入れてみると良いでしょう。
二日酔いの時の注意点。お風呂や市販薬は?
1.お風呂に入っても良い?
体調次第で入浴はOKですが、いくつか注意点があります。
水分補給は欠かさずに
入浴は汗をかくので、体内の水分が奪われやすくなります。
ただでさえ二日酔いのときは水分不足になりがちなので、脱水症状を誘発しないためにもお風呂に入る前は必ず水分補給をしましょう。
浴室に飲み物を持参するのもありです。
熱いお湯よりぬるま湯で
熱いお湯は発汗を促すため、脱水症状を誘発します。
これにより二日酔いの症状が悪化する可能性があるので、38℃くらいのぬるま湯に浸かるようにしましょう。
体調が悪い時は安静に
体調が悪い時は無理して入らず、安静にしましょう。
2.市販薬を服用するときの注意点
二日酔い用の市販薬を使用するときは、症状に合った成分が含まれているか確認しましょう。
胃がムカムカする場合は消化吸収を促進する「消化酵素」や、胃酸を中和する成分が含まれた「総合胃腸薬」が適しています。
また漢方薬などもあるので、市販薬を購入するときは薬剤師に相談することをおすすめします。
まとめ
二日酔いになる前にアルコール摂取量を調節できるとベストですが、付き合いなどでどうしても飲みすぎてしまう場面はあります。
そういうときは二日酔いの予防も兼ねて、いつもより多めに水分補給をし、早めに寝ましょう。
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