尿酸値が高い人は要注意!痛風腎ってどんな病気?治療と予防について

【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

『痛風』にかかると、激しい痛みが突然あらわれます。

痛風は、私たちの体の中にある『尿酸』という物質が原因となって発症します。健康診断などで『尿酸値が高い』という結果が出た人は特に注意しましょう。

この記事では、痛風腎の治療や予防法について解説します。

痛風腎について

1.そもそも、「痛風」はなぜ起こる?

「痛風」はなぜ起こる?

尿酸の値の高い状態が、痛風を引き起こす

『痛風』は、血液の中に含まれる『尿酸』の値が高い、『高尿酸血症』の状態で起こります。

通常、体内にある尿酸は、生成と排泄のバランスが保たれ一定です。しかし、排泄がうまくいかないと、血液中に尿酸が増え、高尿酸血症になります。

血液に溶けきらない尿酸が結晶をつくる

高尿酸血症の状態だと、血液中に『尿酸』が溶けきらず、『尿酸ナトリウム』と呼ばれる結晶ができやすくなります。

この結晶が、体の関節部分にたまって、炎症を起こすことで『痛風』を発症します。

2.「痛風腎」とは?

尿酸ナトリウムが腎臓に沈着、炎症を起こす

腎臓のしくみ

『痛風腎』は、先に解説した尿酸ナトリウムが腎臓の『髄質(ずいしつ)』や『皮質(ひしつ)』に沈着し、炎症を起こした状態のことです。

腎臓のはたらきと、痛風腎が与える影響

腎臓には、尿を作って排出することで、血液を浄化して体液のバランスをとる役割があります。

こうして、体内の水分や塩分を一定に保つとともに、血圧の調整もおこなっています。

しかし、痛風腎によって炎症が起こると、腎機能が低下し、体内へ尿酸がたまっていきます

こうして尿酸値が上昇すると、さらに腎臓に負担がかかり、腎障害が起こります。

3.症状について

痛みなどの自覚症状はほとんどない

腎臓は「がまん強い臓器」…

痛風腎の場合、痛風発作のような激しい痛みはありません。

腎臓は「がまん強い臓器」ともいわれています。そのため、腎機能がかなり低下してからでないと、自覚症状があらわれません

悪化すると、「慢性腎臓病(CKD)」になる

腎機能の低下が進むと、『慢性腎臓病』になります。慢性腎臓病は、腎機能が正常時の60%以下に低下した状態です。

慢性腎臓病は進行が遅く、自覚症状を感じないことも多いです。かなり進行すると、だるさ・食欲不振・貧血・むくみなどの症状があらわれます。

さらに進行すると、「腎不全」になる

慢性腎臓病がさらに進行すると、『腎不全』になります。腎不全になると、『透析』が必要になります。

痛風腎の治療について

1.痛風腎の検査

痛風腎の検査

痛風腎が疑われる場合は、次の検査をおこないます。

また、痛風や高尿酸血症は、合併症を起こしやすい病気でもあります。そのため合併症の有無についても詳しく調べます。

血液検査

血液検査では、『血清尿酸値』を調べます。血清尿酸値とは、血液の中の『血清』に含まれる尿酸の値のことです。

また、『尿素窒素(BUN)』や『クレアチニン』という老廃物が、血液にどれくらい含まれているかも測定します。これにより、腎機能が低下しているかどうかを調べます。

そのほか、『糖尿病』や『脂質異常症』、『肝臓疾患』などの合併症の有無についても、血液検査で調べます。

尿検査

尿検査では、尿中に含まれる尿酸の値や、腎臓の尿酸排泄能力を調べます。

そのほか、尿にたんぱく質や血液、糖が含まれていないかも確認します。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査で、腎臓内の結石や、尿酸結晶の沈着について確認します。

加えて関節への尿酸結晶の沈着や、『脂肪肝』についても調べていきます。脂肪肝とは、肝細胞の30%以上が脂肪化している状態のことです。

また、心臓エコーや心電図で、心臓の機能と不整脈についても確認します。

X線検査

X線検査などをおこなう

X線検査では、骨の関節部が変形していないかを調べます。

眼底検査

眼底検査で、眼底の血管の状態を確認し、動脈硬化の程度について調べます。

MRI検査

脳の血管障害が疑われる場合は、MRI検査をおこないます。

2.痛風腎の治療法

痛風発作が起こったら、薬で痛みを和らげる

痛風発作が起こった場合は薬で緩和

痛風発作が起こったら、痛みを和らげるため『薬物療法』をおこないます。

薬によって痛みは改善しますが、だからといって治ったわけではありません。

尿酸を下げる薬を服用し、食事や運動にも気を配る

続いて、尿酸値のコントロールをおこなう必要があります。

尿酸値を下げる『尿酸降下薬』を服用します。それとともに、『食事療法』や『運動療法』に取り組み、正常な尿酸値へと戻していきます。

痛風は再発する!再発や合併症の予防を

痛風は、一度かかると再発することのある病気です。

生涯にわたって、尿酸値をコントロールし、再発や合併症を予防する必要があります。

痛風腎の治療と予防のために!生活上の注意点

1.痛風腎は食事療法が大切!

痛風腎は『食事療法』が大切

痛風腎にかかったら、『食事療法』に取り組むことは非常に大切です。

高カロリーな食品や、プリン体の過剰摂取は避ける

肥満を防ぐため、高カロリーな食品は控え、適切なエネルギーを摂取しましょう。また、レバーやカツオ、イワシなどに含まれる『プリン体』の過剰摂取も避けてください。

プリン体は、体内で最終的に「尿酸」に代謝されるため、尿酸を増大させてしまいます。

そのため、尿酸値が高い人はプリン体の摂取過剰に気をつける必要があります。

野菜、きのこ、海藻類などアルカリ性の食品をとる

アルカリ性の食品を摂りましょう!

痛風にかかると、尿が酸性に傾きやすくなります。

そのため、アルカリ性の食品を積極的に取りましょう。アルカリ性の食品には、『野菜』や『きのこ』、『海藻類』などがあります。

水やお茶など、水分を十分にとる

また、尿酸の排泄を促すために、水やお茶などの水分を十分にとりましょう。アルコール類は、尿酸値を上げてしまうため、避けてください。

2.生活習慣を見直して、痛風腎の予防を!

痛風の予防には、生活習慣の見直しが大切です。

食生活を記録し、栄養の偏りを見直す

食生活を記録しましょう

食生活を記録し、何をどれくらい食べているかを見直してみましょう。それにより、栄養の偏りに気づくことができます。

軽い有酸素運動を生活に取り入れる

ウォーキングや体操、散歩などの有酸素運動を生活に取り入れましょう。あわせて運動量を記録しておくとよいですね。

ただし、激しい運動は痛風発作を引き起こす可能性があります。医師と相談しながら運動量を決めていきましょう。

ストレスは高尿酸血症を引き起こすことも!

ストレスを解消することも、痛風の予防にとって重要です。

ストレスによって自律神経が乱れると、尿酸を過剰に生成するとともに、排泄される尿酸の量が低下します。これが高尿酸血症へとつながります。自分に合った気分転換をみつけ、ストレスをためないようにしましょう。

まとめ

まとめ

痛風は、現代の欧米風の食習慣や生活習慣によって発症する『現代病』ともいえます。

放っておくと、他の合併症を引き起こすこともあります。合併症を予防するためには、しっかりと自己管理をする必要があります。

自らの生活習慣を見直しつつ、定期的に通院しましょう。尿酸値をコントロールするため、根気強く続けることが大切です。

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