
2002年 福井県立藤島高等学校卒業
2002年 北里大学医学部医学科入学
2012年 北里大学医学部医学科卒業
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
童謡の歌詞のなかにも出てくるほど、しもやけは子どもに多く見られる症状です。
しかし、子どもの頃からしもやけを繰り返しているという人は、注意が必要です。もしかしたら、しもやけだと思っていた症状は別の病気によるものかもしれません。
膠原病の一種である「シェーングレン症候群」や「全身性エリテマトーデス」といった病気は、幼少期からしもやけを繰り返すことに加え、しもやけに似た紅斑も出ることが特徴です。
「小田原銀座クリニック 長谷川佳子先生」にしもやけの原因や症状、家庭でできる対処法、しもやけと間違いやすい病気などについてお話をうかがいました。
しもやけの原因や症状について
しもやけは、どのような人がなりやすいのでしょうか? また、しもやけの原因や症状についても長谷川先生はこう説明してくれました。
「しもやけは皮膚の弱い子どもに多い症状です。大人では水仕事をする方に多く、身体が冷えやすい女性や高齢者に多く見られます。
1日の寒暖差が激しい初冬から春先、暖かい場所と寒い場所を繰り返し行き来することで発症しやすくなります。
また、汗をかいた後や、水仕事の後などに皮膚を濡らしたままにしておくと水分が蒸発するときに皮膚の温度が急激に下がるため、しもやけになりやすくなります。
このように寒さと暖かさの刺激を繰り返し受けることで、血管循環に障害が起こることがしもやけの原因です。
発症しやすい箇所は、手、指や足先、頰、鼻や耳たぶなどです。しもやけを発症した箇所は、赤く腫れてジンジンしてむず痒く『痛い』『熱い』といった症状が現れます」
家庭でできる対処法や外出時の格好は?
しもやけになったときの家庭でできる対処法については、「血行を良くすることが改善につながります。温かいお湯にゆっくりつかって、身体を温めましょう。
また、患部を冷やさないように外に出るときは、イヤーウォーマーや手袋などを活用してください。足先の細いヒールや細身のブーツは血行を悪くするので長時間の着用は避けましょう」(長谷川先生)
冷えは万病の元といいますが、しもやけも例外ではないようです。
現代人は普段の入浴をシャワーで済ませているという人も多いと思われますが、やはり湯船にゆっくりとつかることは血行不良の予防や改善にも効果を発揮するわけです。
こんなしもやけは病院へ!何科を受診する?
しもやけで病院を受診する際の目安も知りたいところです。また、何科でどのような治療を行うのでしょうか?
「出血や水ぶくれ、痛みが強い、赤黒く肌が変色しているなどの症状があれば皮膚科を受診してください。
治療については、 血行を良くする塗り薬やステロイド薬、内服薬ではユベラ(ビタミンE)などが主に処方されます」(長谷川先生)
症状の悪化が見られる場合には、早めに皮膚科を受診した方が良さそうです。
しもやけのような症状が出る病気について
しもやけのような症状が出る病気として、「シェーングレン症候群※」や「全身性エリテマトーデス※」があります。
※シェーングレン症候群…目や口の渇きを伴う膠原病の一種
※全身性エリテマトーデス…全身さまざまな箇所に赤い紅斑が広がる膠原病の一種
これは膠原病の一種で、子どもの頃からしもやけを繰り返すようになり、しもやけに似た紅斑も出ることが特徴です。
また、その他にも同様の症状がでる病気があります。
「しもやけのような症状が出る病気には、ほかに『混合性結合組織病※』や『クリオグロブリン血症※』があります。
これらの病は、しもやけのような症状のほかにも様々な症状が合併します。幼少期からしもやけを繰り返している場合や疑わしい場合は、まずは皮膚科を受診することをおすすめします」(長谷川先生)
※混合性結合組織病…症状のひとつに手指のこわばりや浮腫が見られる膠原病の一種
※クリオグロブリン血症…C型肝炎と関連が深く、寒冷刺激によって皮疹、紫色の斑点、潰瘍などの皮膚症状が出る疾患
冬場は冷えから血行が悪くなりやすく、しもやけになりやすい時期です。
子どもから高齢者まで誰にでも起こり得るポピュラーな症状ですが、子供の頃からしもやけを繰り返している場合には病気が潜んでいる可能性もあります。
気になる場合には、まずは皮膚科で相談してみましょう。
取材協力:小田原銀座クリニック・長谷川佳子先生
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