食中毒を防ぐためのポイントとは?災害時は食事面にも注意を

食中毒
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西日本を襲った集中豪雨によって避難している方たちには、食事面でのリスクも心配の一つです。夏の暑い時期は細菌が増殖しやすくなり、汚染された食べ物を口にして食中毒になる危険が高まります。

食中毒になると、主に腹痛や下痢、嘔吐などの症状を発症します。厚生労働省では、避難生活を余儀なくされている方に注意を呼びかけています。

今回、食中毒の危険性や対策について、医療法人 小田原博信会の理事長であり、久野銀座クリニックの院長・岡村信良先生に聞いてみました。

カレーの作り置きによる“菌の増殖”も

食べ物の中に食中毒菌が混入すると「細菌性食中毒」を招きます。細菌性食中毒は、5月~9月に発症しやすく、感染型と毒素型に分類されます。

この感染型と毒素型の違いについて岡村先生は、「摂取された原因菌が腸管の中で感染増殖して食中毒を起こすものを『感染型』、すでに食品の中で原因菌が産生した毒素を体内に摂取してしまい、食中毒を起こすものを『毒素型』と呼びます」と説明してくれました。

ちなみに、感染型と毒素型の各種類は下記になります。

■感染型
サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター

■毒素型
黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌

また、岡村先生によると、「カレーをはじめ、シチューなどの加熱調理食品を長時間室温に置いたり、中途半端に再加熱したりすると、不適切な温度管理によって菌が増え、食中毒になる恐れがある」とのことで、増殖した菌は「ウエルシュ菌」と呼ばれています。

「ウエルシュ菌は感染型、毒素型と同じ細菌で、大きく分けると毒素型、さらに細かく分けると『生体内毒素型』というものに分類されます。摂取した原因菌が腸管内で増殖し、毒素を産生することが原因で食中毒がおこります。ウエルシュ菌が作る芽胞は、他の細菌に比べて加熱にとても強いため、注意が必要です」

ウエルシュ菌は、1gあたり10万個以上に増殖した場合に食中毒を発症するので、調理後は食べるまでの時間を短くするか、小分けにして冷蔵庫で10℃以下に冷やした状態で保管することが望ましいといえます。

食中毒が増殖しやすい条件

食中毒菌は「栄養分」「水分」「温度」の3つの条件がそろい、時間が経過することで増殖します。

栄養分

調理器具に付着した食べ物の汚れは細菌の栄養分となってしまいます。特に高タンパクな食品は、細菌にとって最適です。

水分

細菌は水に溶けた栄養分を分解してから摂取します。反対に、水分がなければ増殖することはありません。

温度

細菌のほとんどが10~16℃で増殖します。最も増殖しやすい温度は、35℃前後といわれています。

食中毒にならないために気をつけるべきポイント

では、実際に食中毒を予防するためにはどうしたら良いのでしょうか。岡村先生がポイントをおしえてくれました。

「調理をした後の保存方法がとても重要になります。作った料理をすぐに食べるのであれば問題ないのですが、食べるまでに少し時間が空くのであれば、サラダや冷製スープなど冷たいものは冷蔵庫、温かい料理であれば70度以上で温度を保てるようにしましょう。保存の際も粗熱をとったら冷蔵庫で保管するのが良いでしょう」

また、食中毒が原因で「急性胃腸炎」になる可能性があります。急性胃腸炎は「細菌性胃腸炎」と「ウイルス性胃腸炎」に分類されます。

「『細菌性胃腸炎』は原因が黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラ菌などです。『ウイルス性胃腸炎』は、原因がノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスとなっています」

夏の時期に流行するのが細菌性胃腸炎だとされています――。

「細菌性の原因菌は気温や湿度が高い環境で増殖しやすいので、高温多湿の梅雨や夏など暑い季節に起こりやすい食中毒です。ただ、冬でも暖かく湿度が高い室内などの環境であれば細菌は増殖します。ウイルス性については、低温や乾燥した場所で長く生きることができるので、寒い冬におこりやすいのが特徴です」

さらに、急性胃腸炎の対策についてもおしえてくれました。

「対策として、食中毒の原因菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』、原因ウイルスを『持ち込まない』『ひろげない』『つけない』『やっつける』が基本です」

食中毒は買い物の段階からリスクがあるとされています――。

「鮮度のよいものを買い、買い物から帰ったら早めに適温で適切な保管方法を行う。調理の際は生の状態で他の食品や食器に触れさせない。そして、よく洗うことが大切です。加熱の際はしっかり中まで火を通し、早めに食べる。残り物は放置せずに冷蔵・冷凍して早めに処理するようにしましょう」

また、体調が悪いときは食中毒に感染しやすいとされ、「時間が経ったものや不安なものは食べない方がリスクを抑えられます」

 

災害によって普段の生活を奪われてしまうと、衛生環境を十分に確保できない状況に陥ります。自分自身の健康を守るために、食事の際にも注意を払うことが大切です。

 

取材協力:医療法人 小田原博信会 理事長 久野銀座クリニック院長・岡村信良先生

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