ある日突然、目の前に”黒い点”が見える病気とは?原因と対処法を医師が解説

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山内明子先生

執筆者

田町三田やまうち眼科

院長:山内明子 先生

東京医科大学眼科入局
2015年 田町三田やまうち眼科開業

落ち着いて診療を受けることができるよう、環境を整えることに尽力。
丁寧な説明を心掛け、地域に根ざすクリニックをつくりあげていく。

目次

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ある日突然、目の前に黒っぽい点や糸のようなものが浮遊して見えたことはありませんか?

これは中高年に多い「飛蚊症(ひぶんしょう)」という症状の可能性があります。

飛蚊症とはどんな症状か、また、その原因や治療などについて詳しく解説します。

飛蚊症とは?

飛蚊症の症状

空や白い壁を見た直後に、黒い点のようなものがちかちかと動いて見えます。

この黒い点のようなものの大きさや形状はさまざまで、視線を変えるとついてくるような動きをすることもあります。

症状につながる仕組み

飛蚊症は生理的なものと、目の病気から起こるものがあります。

紫外線が網膜(もうまく)を通して目に入ると、眼球の形を保ったり、入ってくる光を屈折させたりする役割をする硝子体(しょうしたい)の中に活性酸素が発生し、タンパク質や脂質が酸化します。

硝子体は水晶体(目のレンズ)の後ろにあり、眼球の大部分にあたるものです。そのため硝子体の組織が酸化し、濁りが生じて飛蚊症につながります。

飛蚊症の原因

年代によって異なる原因

若年層の場合

胎児の硝子体には血管が通っています。生まれてきた時点でこの血管は消失していることが多いのですが、血管が残っていると濁りとなり飛蚊症の症状が表れることがあります。

この場合は、生理的なことが原因なので心配する必要はありません。

また、強度の近視の人は硝子体剥離が早期に起こりやすく、飛蚊症の原因になります。

中高年の場合

加齢に伴い硝子体がゼリー状から液状に変わり、次第に収縮して網膜から剥がれる症状で、飛蚊症の原因でもあります。

これは病気ではありませんが、まれに網膜を引き裂く恐れがあるため注意してください。

見える浮遊物が急に増加したら注意が必要なので、早急に眼科を受診しましょう。

ほかの病気が原因のことも

網膜剥離

網膜が剥がれてくる病気です。

剥がれた部分の網膜色素上皮細胞が眼球内を浮遊することで飛蚊症を引き起こします。

また、網膜が剥がれたことで起きた出血が硝子体に広がった場合も飛蚊症の原因になります。

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎で目に炎症が起こると、硝子体が濁ることがあります。

この濁りが網膜に映ることにより飛蚊症のように感じることがあります。

ぶどう膜炎の場合には、眩しさや充血、視力低下、眼の痛みなどを伴います。

硝子体出血

網膜血管断裂による眼底出血が硝子体に侵入した状態を硝子体出血といい、飛蚊症を起こす原因です。

出血した血液は時間が経過すると周りの組織に吸収されるため症状が軽減しているように感じますが、回復しているわけではないので注意が必要です。

飛蚊症は放っておいても大丈夫?治療について

原因によっては治療が必要

生理的なもの(体の機能)が原因の場合

硝子体の中にある線維や細胞成分が網膜に作る影が飛蚊症として自覚されるものや、加齢によって網膜から剥がれて硝子体と網膜の間に隙間ができる「後部硝子体剥離」があります。

この場合、とくに治療は必要ありません。

目の病気が原因の場合

視力に問題が出てくる恐れがあるため、治療が必要です。

飛蚊症を起こしやすい目の病気に「網膜剥離(もうまくはくり)」ぶどう膜炎」などがあります。

飛蚊症の検査方法

眼底検査

目の外側だけでは判断が難しいため、瞳孔(どうこう)を広げて眼底を観察する検査を行います。

超音波検査

硝子体に出血が生じていて眼底検査ができない場合には、超音波検査を行います。

飛蚊症の治療法

生理的飛蚊症は病気ではないため、治療の対象にはならないと言われています。

飛蚊症に薬は効果あり?

硝子体の中の浮遊物を目薬によって除去することはできず、現在までに飛蚊症に有効な目薬は開発されていません。

原因と考えられる眼精疲労をできるだけ予防する目的で目薬を使用することで、予防になります。

レーザー治療について

近年では、レーザー治療が飛蚊症の治療法として有効だとされ、治療時間も20分程度で済みます。

飛蚊症の原因となる硝子体内の濁りをレーザーによって砕き、分散させることにより症状を軽減させることが期待できます。

メスを使用しないため、非侵襲的(体に傷をつけない)にできることがレーザー治療のメリットです。

デメリットとしては、保険適用外の治療になるため、費用は医療機関により異なるので事前に確認するようにしましょう。

治療期間

濁りの大きさや位置にもよりますが、レーザー治療は数回に分けて行われることが多いです。

治療の進行や症状には個人差があるため、医師と相談しながら治療がすすめられます。

費用

生理的な飛蚊症は保険適用診療での治療法が現在のところ確立されていません。

しかし、網膜に穴が開くことで起こるなどの目の病気による飛蚊症の場合には、保険が適用になります。

自分でできる飛蚊症を防ぐ方法

生活習慣が原因で免疫力が低下すると、硝子体組織の酸化を抑制できず飛蚊症が起こりやすくなります。

活性酸素を防ぐ

飛蚊症の原因に「活性酸素」があります。紫外線が活性酸素を発生させる原因になるので、外出の際には紫外線から目を保護するためのサングラスを使用するようにしましょう。

「パソコンの使用時間を減らす」「喫煙しない」ことも活性酸素を発生させないためには重要です。

食生活を見直す

免疫機能が正常に機能していれば眼内に発生した活性酸素をすぐに除去することができます。免疫機能を正常に保つためにも食事内容は重要です。

また、下記で挙げたような「目の健康のために必要な栄養素」を含む食品やサプリメントを摂るようにしましょう。

・アスタキサンチン
・アントシアニン
・ゼアキサンチン

とくにブルーベリーなどのベリー類に多く含まれているアントシアニンというポリフェノールの一種は、高い抗酸化作用が期待できます。

また、近年注目されている成分の「ルテイン」は、ほうれん草やケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

カロチノイドの一種で、高い抗酸化作用と紫外線吸収作用が期待できます。

まとめ

飛蚊症の多くは加齢に伴う生理的なもののため、さほど心配することはありませんが、病気が原因の場合には治療が必要です。

加齢に伴い、誰もが飛蚊症になる可能性があります。

症状が見られ、悪化した場合には眼科を受診することをおすすめします。

 

執筆者:田町三田やまうち眼科 院長 山内明子 先生

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