婦人科医が教える!女性ホルモンの周期を味方につけたスキンケアのコツ

女性ホルモンの肌への影響
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監修医

霞ヶ関土居美佐クリニック

土居美佐 先生

1991年3月 大分医科大学(現 大分大学)医学部医学科 卒業
東京大学医学部付属病院 産婦人科学教室研修医、 愛育病院を経て、
東京労災病院産婦人科医長、 東京厚生年金 病院産婦人科医長に就任。
2008年8月 霞ヶ関土居美佐クリニックを設立

婦人科医の土居先生が、女性のお悩みについて毎回アドバイスをしていきます。

今回は、『女性ホルモンの役割や周期的な変動、そしてお肌への影響』について解説していただきます。

女性ホルモンの役割と周期変動

1.生理周期に深く関係する2つのホルモン

女性ホルモン

女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれる2つの種類があります。それぞれの女性ホルモンの役割を一言で簡単に説明すると、エストロゲンはいわゆる“女性らしさ”をつかさどるホルモンで、プロゲステロンは“妊娠のため”に必要なホルモンと言えます。

この2つの女性ホルモンはいつも同じように分泌されているわけではありません。生理の周期によってその分泌量は変動しています。例として、生理周期が28日の健康な女性を見てみましょう。

下の図にあるように、この女性の場合、排卵は生理が始まってから14日目ごろに行われます。正確に言うと次の生理の14日前ごろに起きるのです。

なぜ、次の生理が基準になるかと言いますと、健康な女性でも妊娠をしない限りプロゲステロンの分泌は排卵後最長でも14日間だからです。プロゲステロンは生理から排卵するまでの14日間はほとんど分泌されません。妊娠したときに流産や早産を予防するのがプロゲステロンの目的なので排卵しない限りは分泌されないのです。排卵後に徐々に増えてきますが、ここで妊娠が成立しなければプロゲステロンは必要なくなりますから分泌が極端に減少し、排卵前のレベルになります。

それに対して、エストロゲンは生理中には分泌量が最も少なく、排卵の直前に分泌がピークに達します。そして、排卵期には少し減少して、排卵後二つ目のピークを迎え、妊娠が成立しなければ分泌は極端に減少します(下の図の点線)。エストロゲンとプロゲステロンの減少が生理を引き起こしているわけです。

女性ホルモンのバランス

2.月経前の不調の原因は女性ホルモンの乱れ

生理の周期で女性ホルモンは大きく変動しています。

医学的知識がなくても生理周期に関連して心身の変調を実感している女性はとても多いのではないでしょうか。

例えば、生理前に、全身のだるさ、頭痛、熱っぽい、むくみっぽい、おなかや胸が張る、一日中眠い、いらいら、気分の落ち込み、意欲・集中力・判断力・根気の低下、食欲の昂ぶり、食嗜の変化、便秘、にきび、肌荒れ、しみが濃くなるなどの多様な症状が現れ、生理が始まると共に症状は消失していく現象があります。

女性ホルモン

これを月経前症候群(PMS)といいます。PMSの原因は、排卵後に分泌されるプロゲステロン、あるいはプロゲステロンとエストロゲンのバランスの悪さが原因だと言われています。プロゲステロンが分泌されること自体はまったく正常な現象なのですが、心身がプロゲステロンに対する感受性の違いで反応してしまうのです。

アトピー性皮膚炎や気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患やうつ、パニック障害などの心の不調が月経前に悪化することも女性ホルモンに関係していると思われます。生理と生理の中間ごろ(排卵期)におりものが増えたり、性情が変わったり、少量の性器出血が数日出現する(排卵期出血)現象も先に説明しました女性ホルモンの変動で起きる現象です。

ちなみに、男性の場合、男性ホルモンは精巣から分泌されていますが、女性のような周期的変動はありませんので男性ホルモンによる心身の変調は女性に比べ軽微ですみます。

女性ホルモンとお肌の関係は?

1.2つのホルモンが肌にもたらす働きについて

大人のニキビがお悩みで来院される患者さんも多いのですが、最近の傾向としては「極端なダイエットの結果、生理が止まってしまった」という患者さんの受診が目立ちます。そして、こうした患者さんでは、同時に「お肌が乾燥する」や「シワが目立つ」といったように、お肌にお悩みを抱えているケースが非常に多く見受けられます。

一見無関係に思える生理とお肌の関係…実はこの両者には密接な関係があるのです。エストロゲンは“女性らしさ”をつかさどるホルモンだというお話をしましたが、お肌の状態にも様々な影響を与えています。例えば、お肌の最表層の角層の水分を保持しお肌の潤いを保つ働きがあります。
また、真皮層のコラーゲンやエラスチンの合成を促進して、お肌のハリを保ち、シワやタルミを予防する働きもあります。

もう1つの女性ホルモン、プロゲステロンは皮脂の分泌を促進する働きがあります。健康なお肌にとってある程度の皮脂は必要なものですが、皮脂の分泌が過剰になるとニキビの原因になります。先にお話しました、大人のニキビやダイエットで生理が止まってしまった女性のお肌のトラブルは、“女性ホルモンの乱れ”が原因のひとつなのです。

女性ホルモン 肌

最後に

女性ホルモンはお肌の状態に大きな影響を与えますが、それぞれがお肌に対して果す役割は異なります。ですから、生理周期によってお肌のケアの方法を意識するのはとても大切な事です。例えば、エストロゲンがたくさん分泌される時期、つまり、生理が終わってから排卵までの間は、お肌にとっては安定した良い時期です。

この時期は、お肌のケアとしてみれば、“攻め”の期間とも言えます。新しい化粧品を試めすのも良いですし、エステテイックもより効果が現れやすい時期なので、エステに通ってみるのも良いかも知れません。

その一方で、プロゲステロンがたくさん分泌される時期、つまり、排卵から次の生理までは、肌荒れやニキビができやすい時期です。この時期は、お肌のケアとしては、“守り”の期間とも言えます。皮脂でお化粧がくずれやすくなったり、排卵のきっかけになる別のホルモンの影響で色素が沈着しやすくなり、シミのように見えることもあります。この時期は、お肌の状態に特に気を配ったスキンケアを心がけましょう。

毎月の健康な卵巣の営みの結果がお肌を含めて女性の日常生活の質を左右しています。これは医学的事実なのです。皆さんはご存知でしたか?

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