耳垢が多い原因は病気?耳掃除の方法も大切!聞こえにくい場合は要注意。

耳垢 多い
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平成 2年 岡山大学医学部 卒業
平成 6年 岡山大学医学部大学院 卒業
平成 2年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 入局
国立岡山大学 耳鼻咽喉科 研修医
平成 7年~ 米国アイオワ大学医学部 耳鼻咽喉科 研究員
平成 9年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 助手
平成12年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 講師
平成26年4月~ 新倉敷耳鼻咽喉科クリニック 院長
平成27年~ 埼玉医科大学 客員教授
九州大学 臨床教授
平成29年10月~  早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 院長

目次

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耳垢は、外耳道(がいじどう:耳の穴のこと)にある黄色から焦げ茶色の脂分の多い分泌物です。

この分泌物によって外耳道の皮膚は細菌感染や水から守られていますが、大量にたまると外耳道をふさぐこともあります。

この記事では耳垢が多い原因や対処法、病気についてご紹介します。

耳垢ができるメカニズム

耳画像

1.耳垢は何でできているの?

耳垢の主成分は、脱落した皮膚の角質や、耳垢腺や皮脂腺、アポクリン汗腺などから出る「分泌物」が混ざったものです。

成分としては60%がケラチン(角質の主成分)、20%程度が飽和および不飽和長鎖脂肪酸、数%がコレステロールからできています。

耳垢腺は外耳道(耳の入口部分)の外側3分の1にあり、自然な経過では奥に耳垢がたまることはありません。

2.耳垢は移動する

外耳道の上皮は、「マイグレーション」と呼ばれる自然な動き(鼓膜から外耳道へと細胞が移動してくる働き)があるため、耳垢の元となる皮膚の角質成分は内側から外側に徐々に移動していいきます。

これは顎の「噛む動作」によっても促進されています。そのため、たいていの耳垢は乾いて耳の穴から自然に落ちることが多いのですが、外耳道が通常より曲がっている場合や、外耳道皮膚などの病気、あるいは補聴器の使用などによっては蓄積しやすいこともあります。

3.耳垢の役割

潤いイメージ

外耳道と鼓膜の保護や洗浄の役割

耳の穴の開口部から鼓膜までつながる「外耳道の表皮」と「鼓膜」は、とても薄い皮膚組織からできています。

耳垢に含まれる長鎖脂肪酸やコレステロールの成分は、こうした薄い皮膚に潤いを与える作用があり、耳の中を乾燥から保護しています。

また、こうした脂質の成分は耳の穴に侵入したごみやほこり等を粘着して、耳をきれいにする役割も担っています。

抗菌作用がある

ラベンダー画像

耳垢には菌の発育を妨げる作用があり、耳の病気を起こす様々な菌(インフルエンザ桿菌や黄色ブドウ球菌、真菌など)が増えることを抑制します。

耳垢の成分にはリゾチームや飽和脂肪酸が含まれることや、耳垢自体が弱酸性であることが理由ではないかと考えられています。

耳垢がたまる原因は?

1.病気がなくても耳垢がたまることも

耳垢は外耳道の入口にできて、自然に出てくるのが普通です。

ところが、綿棒や耳かきなどで外耳道に押し込んでしまうと、外耳道の深いところにたまることがあります。それ以外にも、携帯音楽プレーヤーやテレビのイヤホン、補聴器などを使うと、そのつもりはなくても耳垢を押し込んでしまうことがあります。

また外耳道が狭かったり、曲がっていたり、あるいは「湿った」タイプの耳垢の人は、どうしても耳垢がたまりやすい傾向にある場合もあります。

こうした耳垢が完全に外耳道を塞いでしまうと耳垢塞栓(じこうそくせん)という状態になります。詰まりすぎた耳垢のために耳の塞がった感じ(耳閉感)や、難聴、自声強調(じせいきょうちょう:自分のしゃべる声が大きくひびく感じ)等の症状が出ることがあります。

とくに、水泳の後などに耳垢がふやけてしまうと、急に症状が出始めることもあります。

2.病気が原因で耳垢がたまる場合

外耳道の入口の皮膚に湿疹や皮膚炎(脂漏性湿疹など)がある場合、耳垢腺の分泌が活発になることで、耳垢の量が増えてくることがあります。

特にこうした湿疹では、しばしばしつこいかゆみを伴うので、綿棒などを使っているうちに気がついたときには奥に耳垢を押し込んでいることはよくあります。

奥に押し込んでしまった耳垢はなかなか自然には取れなくなることがあります。

まれな原因では、外耳道の入口に尋常性疣贅(いわゆる「いぼ」)や骨腫などができたり、極端に変形した外耳道などによって、外耳道の自然なマイグレーションが阻害され、その奥に耳垢がたまってくることがあります。この状態を閉塞性角化症と言います。

これらの状態はいずれも基本的には耳垢がたまるものではありますが、病的な原因による蓄積なので、不愉快な症状(痛み・かゆみ・耳の塞がった感じ)を伴って繰り返します。これらの場合には自然な回復は難しいのでの専門医の診察が必要です。

3.「耳だれ」が固まっていることも

耳奥画像

耳垢が詰まったつもりで病院を受診しても、実際には耳漏(耳だれ:外耳道に膿などが流れている状態)であることもたまに見かけます。

真菌(カビの仲間)が外耳道皮膚に感染を起こして外耳道真菌症になることがあります。この場合、カビの塊が外耳道にたまることによって強いかゆみや痛み、塞がった感じを自覚することがあります。

外耳道の真菌症は繰り返す傾向が強く、また体の他の部位にすでに水虫などの真菌感染症を持っていることも多いので注意が必要です。

高齢者や、糖尿病等の持病がある場合には悪性外耳道炎にも注意が必要です。元々免疫力の低下した高齢者が外耳道皮膚に感染を起こすと、一部の皮膚にびらん(上皮がなくなること)ができ、さらに骨を破壊して腐骨(ふこつ)が取れる場合があります。

こうした場合には大きな「かさぶた」が外耳道にでき、耳垢のように見えることがあります。「悪性」という名前ですが、この病気そのものは「がん」ではありません。ただし、激しい炎症を起こすこともあって高齢者にとっては怖い病気です。

もちろん外耳道皮膚にがんができることもまれにはあります。強い痛みや、慢性の耳漏が続く場合には専門医への受診が必要です。

この他にも慢性中耳炎や、真珠腫性中耳炎などで耳だれが出ると、外耳道に固まって耳垢と間違えられることがあります。また、突発性難聴のように軽度の難聴が急に起こったり、耳管(じかん:耳と鼻とをつないでいる管)にトラブルが起こると「耳が塞がった感じ」(耳閉感)がする場合があります。

このような状態であれば、本人としては「耳垢が詰まっているように」感じる場合がありますが、いずれも耳垢を取るだけでは改善しません。耳鼻いんこう科で症状と所見について確認してもらう必要があるでしょう。

耳垢について やっていいことといけないこと

1.耳掃除のしすぎはよくない

外耳道の皮膚は表皮が薄く、外からの刺激に対してとてもデリケートです。

そのため耳掃除をしすぎると皮膚が荒れて湿疹になることがあります。最初は「かゆいから触る」かもしれませんが、いずれは「触るからかゆい」に変わっていきます。

そして「かゆいから」とさらに耳掃除をしてしまう、という悪循環に陥ります。耳掃除をこまめに行っている場合は、回数を減らしてみましょう。また、耳かきは耳の皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。使い捨ての綿棒で耳の表皮を優しくこするようにして行うことが大切です。

2.見えやすい場所のみを掃除する程度でOK

子ども耳画像

お子さんなどの家族に行う場合は、外からでもよく見える場所だけにしてください。

手探りで奥まで掃除しないようにしましょう。

それでも届かないところが心配なら専門医におまかせください。

「おかしい」と思えば耳鼻いんこう科に

ほとんどの人にとって、耳垢は定期的な治療による除去をする必要はありません。しかし、外耳道の形や皮膚の状態によっては耳垢が詰まりやすかったり、イヤホンの継続的な使用などのために耳垢が詰まりやすくなっている可能性もあります。こうした場合は通常の除去では難しいので、耳鼻いんこう科受診が必要になります。

自分で考える「耳の塞がった感じ」というのは、必ずしも耳垢が詰まって起こっているとは限りません。耳漏が続いていたり、難聴が発生していることもあります。自覚症状から耳垢と決めつけず、耳鏡で外耳道の状況を確認することは大切です。

耳垢が詰まっている場合の病院での対処

1.病院では器具を使って耳垢を取る

病院で耳垢を除去する場合には、様々な鉗子や針のような道具(ピック)などを使って耳垢を除去します。

通常の外耳道がある部位(外耳道入口部の外側3分の1)であればほとんど痛みを感じることなく耳垢を除去することができます。また吸引用の器具を使って吸い取るようにして除去することもあります。

2.「耳垢水」を使って除去することも

固くて取り切れない耳垢を除去するためには、耳垢を溶かして取りやすくするための薬を点耳(てんじ:耳に薬を流し込むこと)して除去する場合があります。
鼓膜穿孔(こまくせんこう:鼓膜に穴が開いていること)があれば、この薬を使うと状態が悪化することもあるため、必ず医師の指導の下で用いることが大切です。

障害のある方や、高齢者は注意

自分で症状が訴えられないような障害のある方や、高齢者、特に補聴器を装用している方では耳垢を奥に詰め込んでいても気がつかないことがあります。高齢者の場合には悪性外耳道炎との区別も必要なため、外耳道の状態についての注意を払う必要があります。

耳垢の多さを耳鼻いんこう科で相談

耳垢の多さを相談できるクリニック・病院をお探しの方は、こちらの情報をご覧ください。

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まとめ

綿棒画像

耳垢は多くの方にとって定期的な清掃をしなくても大きな問題になることはありません。毎日のように耳掃除を行うことでむしろ外耳道の皮膚を傷つけることがあります。

家庭で行う耳掃除は月に1~2回程度にとどめ、外から見える範囲だけを行いましょう。

しかし、一部の方では耳垢がたまることがあり、特に自分で症状を語れない障害のある方や、ご高齢の方、補聴器を使われている方では耳垢に対する注意が必要です。

また「音が聞こえにくい」「かゆみや痛みが持続する」など気になる症状があるときには背景に外耳道の病気が隠れているかもしれません。自己判断はせずに、速やかに耳鼻いんこう科を受診しましょう。

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