ダンピング症候群(胃切除後症候群)とは?おすすめの食事と予防について

ダンピング症候群

【職務経歴】
平塚共済病院
小田原銀座クリニック
久野銀座クリニック

『ダンピング症候群(胃切除後症候群)』は、胃を切除する手術を受けることで起こる病気です。

こちらの記事では、ダンピング症候群の『早期』と『晩期』それぞれの症状や、胃を切除した後も食事を楽しむために知っておきたい食事療法について解説します。

ダンピング症候群(胃切除後症候群)について

1.ダンピング症候群ってどんな病気?

胃切除後症候群

胃を切除した後の後遺症として起こる

『ダンピング症候群(胃切除後症候群)』は、胃潰瘍(かいよう)やがんなどによって、胃を切除した人に起こる『胃切除後遺症』です。切除した人の約3割に発症します。

吐き気や嘔吐などの『消化器症状』と、動悸や発汗などの『循環器失調症』両方を含めた一連の症状をさします。

「早期」と「晩期」の2種類に分けられる

ダンピング症候群は『早期ダンピング症候群』と『晩期ダンピング症候群』の2つに分けられます。発症のタイミングによって、原因や症状が異なります。

2.早期ダンピング症候群の症状と原因

ダンピング症候群

食事中、あるいは食後30分以内に起こる症状を、早期ダンピング症候群と呼んでいます。

症状は『腹痛』や『心拍数の増加』、『発汗』、『嘔吐』、『下痢』、『ほてり』などがあらわれます。

早期ダンピング症候群の原因は、胃の切除により、胃に食べ物をためる貯蔵機能が低下して、『体内を循環する血液量が低下する』ことと、『消化管ホルモンが一気に分泌される』ことです。

3.晩期ダンピング症候群の症状と原因

胃切除後症候群

食後2~3時間後に起こる症状を、「晩期ダンピング症候群」と呼んでいます。

症状は『冷汗』や『めまい』、『動悸』、『手の震え』、『脱力感』、『空腹感』などがあらわれます。

晩期ダンピング症候群の原因は、食事で急速に糖質が吸収され、一過性の高血糖な状態に対応しようとインスリンが過剰分泌されることで『血糖値が下がりすぎて低血糖になること』です。

なぜ?ダンピング症候群は注意が必要

胃切除後症候群

1.栄養吸収障害を起こすため

胃を切除すると、胃酸が出なくなります。それによって、消化吸収機能が低下し『鉄欠乏性貧血』になりやすいです。また、ビタミンB12の吸収も低下するため『巨赤芽球性貧血』を引き起こすこともあります

胃を切除すると、栄養吸収障害が起こりやすいです。切除後は定期的な検査をおすすめします。

2.その他、命にかかわる病気をも引き起こす

ダンピング症候群によってあらわれる『低血糖』を放っておくと、意識障害があらわれることがあります。これが進行すると昏睡状態になり、最悪の場合は死を招きます。

また、『逆流性食道炎』や『乳糖不耐症』などの病気も引き起こします。

さらに、便秘が続くと『腸閉塞』になることもあります。

ダンピング症候群の予防と治療方法

1.ダンピング症候群を予防するために

胃切除後症候群の予防方法は、食事の際、少量をゆっくり食べることです。

食事を5~6回くらいに分けてとるとよいでしょう。

2.食事療法

胃切除後症候群

ダンピング症候群は食事療法で治る可能性が高い病気です。

次の表を参考に、胃に負担のかからないものを食べて、負担のかかるものは極力避けるようにしましょう。

積極的な摂取がおすすめの食品

主食やわらかいご飯、うどん
ゆで卵やポーチドエッグなど加熱したもの
大豆製品豆乳、絹ごし豆腐など
乳製品牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
肉類脂質の少ない赤身のお肉、ささみなど。脂身は避ける
白身の魚煮たり、蒸したりして油をできるだけ使わないように調理する
芋類じゃがいも、やまといも
野菜かぶ、大根、トマト、ほうれん草などの葉物野菜の葉の部分
果物りんご、桃、洋梨、メロン、ぶどう、バナナ
その他麩、はんぺん

避けるべき食品

油分の多いものベーコン、油揚げ、厚揚げ、てんぷら
食物繊維が非常に多いものごぼう、ぜんまい、筍、ニラ、海藻類、パイナップル

ドライフルーツ

刺激物コーヒー、辛いもの
消化の悪い食品玄米、ラーメン、いか、たこ、こんにゃく
お腹が膨れる食品ビール、炭酸飲料

外食時のおすすめメニュー

和食レストラン野菜の入ったうどん、雑炊、煮魚や焼き魚が主菜の定食

小鉢が選べる定食、なべ物(豆乳なべなど)

洋食レストランオムレツ、ハンバーグ、コンソメスープ、ミネストローネなどのスープ類、サラダ(ポテトサラダなど)
中華レストランバンバンジー、天津飯、中華粥、水餃子、シューマイ

小籠包

カフェたまごサンド、ラップサラダ
コンビニエンスストアささみ、豆腐サラダ、たまごサンド、ヨーグルト、ゼリー

また『巨赤芽球性貧血』の予防のために、海藻類(レバー、ひじき)や鉄分(納豆など大豆食品、レバー)、ビタミンB12(あさり、しじみ、さんまなどの魚介類)などを摂取するよう心がけましょう。

3.その他の治療法

早期ダンピング症候群の場合

基本的には、先に解説した食事療法で様子をみます。

症状が重ければ、『抗ヒスタミン剤』などを投与することもあります。『冷感』や『動悸』、『めまい』といった全身症状は、ヒスタミンが原因のケースもあります。そのため、ヒスタミンのはたらきを抑える薬を投与することがあります。

晩期ダンピング症候群の場合

食後に低血糖症状があらわれた場合は、飴や氷砂糖などをなめて、糖質を補いましょう。

また、症状が重ければ、食前に『αグルコシダーゼ阻害薬』という、糖尿病の薬を投与することで、症状を予防します。

おわりに

胃を切除した後も食事を楽しむために

何を食べるべきか、理解することが大切!

ダンピング症候群は、胃を切除することによって起こる病気です。

そして、食事療法によって治る可能性の高い病気でもあります。どんなものは積極的に食べてもいいのか、どんなものは避けるべきなのか、しっかりと理解しておきましょう。そうすれば、家での食事はもちろん、外食も楽しめますね。

胃を切除したら、ダンピング症候群について聞いておく

胃の切除後になりやすい病気なので、胃を切除したら、主治医の先生から病気について聞いておくことをおすすめします。

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