あなたは大丈夫…?耳掃除のしすぎがまねく“びまん性外耳道炎”とは

びまん性外耳道炎
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武井智昭先生

監修者

なごみクリニック

院長:武井智昭 先生

2002年 慶應義塾大学医学部を卒業
2002年 慶應義塾大学病院 にて小児科研修
2004年 立川共済病院勤務
2005年 平塚共済病院小児科医長として勤務
2010年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室勤務
2012年 横浜市内のクリニックの副院長として勤務
2017年 「なごみクリニック」院長に就任

 

小児科専門医・指導医
日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
臨床研修指導医(日本小児科学会)
抗菌化学療法認定医

 

全人的な医療を心がける。病気・障害と付き合い「地域に住む方が、健康面で安心して生活を続けるお手伝いをする、支える医療」を目指す。

目次

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突然ですが、あなたはどれくらいの頻度で耳掃除をしていますか?

耳の穴がきれいになると気持ちいい、耳掃除をしている時の感覚がクセになる、といった理由で頻繁にする方も多いのではないでしょうか。あるアンケートによると、1週間の中で1回以上耳掃除をする人は全体の8割以上。そのうち、1日に1回以上するという人も3割いるそうです。

しかし、このどちらも耳鼻科医からすると「やりすぎ」です。月に1~2回、もしくは1~2カ月に1回程度でも十分です。

少なすぎる…とお思いかもしれませんが、これで耳の中を清潔に保つことができます。なぜなら、耳にはもともと自浄作用がそなわっているからです。

耳掃除を上記の回数以上「やりすぎ」ている方は今日からぜひ、回数を減らしてください。

また耳掃除をしすぎることで耳を傷つけ、外耳道炎になってしまう方も多くいらっしゃいます。

耳掃除のしすぎが原因のひとつともいわれる、びまん性(びまん性:広がっているという意味)外耳道炎について詳しくご説明します。

びまん性外耳道炎とは

耳

1.原因

びまん性外耳道炎は、『外耳』に細菌が入り感染することで起こる病気です。

『外耳道(がいじどう)』とは、いわゆる耳の穴のことです。耳掃除などで直接触れることのできる部分をいいます。

先ほどもお話ししたように、びまん性外道炎は、耳掃除のしすぎによってできた傷から細菌が入り込んで発症するケースが多くあります。

またプールに入って感染することもあるため、夏に発症する方が多くなるのも特徴です。白髪染めやヘアスプレーが入り込むなど、薬品が原因で起こることもあります。

ある研究によると、びまん性外耳道炎は複数の細菌が原因となって発症している場合が多いようです。

その中でもっとも多いのが黄色ブドウ球菌で、その他緑膿菌(りょくのうきん)、プロテウス属の菌、なども発見されています。

2.症状

主な症状としては、下記が挙げられます。

耳がかゆくなる

耳にひりひりとした痛みを感じる

外耳道が赤く腫れる

外耳道がただれる

耳だれが出る

耳が臭う

外耳道炎には、びまん性外耳道炎と限局性外耳道炎(げんきょくせいがいじどうえん)があります。

限局性外耳道炎は傷のついた局所部分にのみ炎症が起こります。それに対し、びまん性外耳道炎は耳全体に炎症が広がっている状態です。

そのため外耳道全体がかゆかったり、痛みを伴ったりしている場合は、びまん性外耳道炎である可能性が高くなります。

限局性外耳道炎に比べて炎症が広範囲に広がっているため、治療時間も長くなる傾向にあります。

治療方法や治療期間

細菌が原因の病気なので、外耳道を清潔に保ちながら治療を行います。

まず耳を清潔な状態に拭いてから、抗菌薬を点耳します。

かゆみや痛みが強い場合は症状に応じて、ステロイド薬の点耳を併用することもあります。

また、強い炎症が起こっていて発熱を伴う場合には、点滴等をすることもあります。

原因になっている細菌を見極めることも必要です。複数の細菌が原因である場合は、それぞれをしっかりと取り除く治療を行います。

治療中に注意してほしいのは「耳に触れないようにすること」です。特に小さなお子さまはかゆみがあると、ついつい掻いてしまいます。

爪を切ったり手袋をしたりして、症状の悪化を防ぐよう大人の方が心がけてください。

また、家族のだれかが発症し、他の家族に感染することもあります。耳かきやタオルの共有を避けることも大切な予防手段のひとつです。

治療期間は通常であれば1週間程度ですが、重症度によっても変わってきます。

予防方法

外耳道炎の1番の予防法は「耳掃除をしすぎないこと」です。1週間に1回以上耳掃除を行っている方は、まず回数を減らしてください。

耳かきで強くかいたりこすったりしないよう、綿棒を使って耳掃除をするのもひとつの方法です。

最近では粘着式の綿棒等も販売されています。こういった綿棒を使用する際は、あくまでも耳垢を粘着させることを目的として使い、間違えても耳をこすったり強くかいたりしないよう注意してください。

お年寄りやお子さまなど、耳垢がたまりやすい方、耳掃除が難しい方の場合は、耳鼻科で耳掃除をしてもらうこともできます。

耳掃除を好きで頻繁にする、という方ほど、耳の奥のほうまで触れたくなってしまうかもしれません。しかし、無理に耳の奥を掃除しようとすると耳を傷つけることにもなりかねません。手前を掃除するだけで十分です。

また、耳かきのしすぎが原因で皮膚が敏感になり、よりかゆみを感じるという悪循環に陥る…なんてこともあります。

まとめ

外耳道炎は、耳の奥で起こる中耳炎や内耳炎に比べて、早くの改善が見込める病気です。

一方で症状が進行する前に治療を始めることも大切です。かゆみや痛みを感じたときは、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

反対に、放置することによって症状が悪化すると、耳だれと呼ばれる汁のような分泌物が耳から出てくることがあります。

耳だれからは中耳炎も疑われるため、診察に時間がかかったり、治療に時間がかかったりする、ということにもなりかねません。

どんな病気でも同じですが、「適切な診断をおこなったうえで、早めに治療する」ことが重要です。そのために、早い段階で耳鼻咽喉科を受診する必要があるのです。

 

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