COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?喫煙者は要注意!症状や治療法について

COPD
岡村長門先生

監修者

岡村クリニック

院長:岡村長門 先生

【職務経歴】
戸田中央総合病院
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック

COPDの原因の多くは「たばこ」です。自分で気づかないうちに、COPDにかかっている人も多いです。

せきやたんが出る、すぐ息切れをする、といった症状はありませんか?特に40歳以上の人は要注意です。

この記事では、COPDとはどんな病気か、症状や原因、治療法について解説します。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)について

1.COPD ってどんな病気?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺の炎症によって起こる病気です。長期間、たばこの煙などの有害物質を吸入することで生じます。

COPDは2つに分けられます。1つ目は、主に『肺胞』系の破壊が進行し、『肺気腫病変』優位型の『気腫型』です。2つ目は、主に『気道病変』が進行することでかかる『気道病変有意型』の『非気腫型』です。

COPD

2. COPDは喫煙者に多い。40歳を過ぎたら注意!

COPD患者の多くは喫煙者です。40歳を過ぎた頃から発症し始め、加齢ともに数が増える傾向にあります。男性の方がやや多く、40歳以上の成人の8.6%に発症します。また、COPDは日本人の死因の第10位でもあります。

3. 推定患者数は500万人以上!気づいていない人も…

COPDの推定患者数は、500万人以上にのぼるともいわれています。しかし、実際に治療を受けている人は、わずか21万人にとどまっています。

COPDの症状はゆっくりと進行します。症状が出ていても、年齢やたばこのせいだと思い込み、病院の受診が遅れるというケースも珍しくありません。

COPDの症状について

1.主なCOPDの症状

せきやたん、息切れ、呼吸時のぜいぜいという音

COPD

COPDの主な症状は、『慢性的なせき』や、『呼吸時のぜいぜいという音』、『たん』、『体を動かしたときの息切れ』が徐々にひどくなる、などです。

たんは通常『粘液性』ですが、気道に感染があるとたんの量が増え、次第に『膿性』へと変わっていきます。膿性のたんは白や薄黄色、緑色、さび色です。細菌感染によりたんに、白血球や上皮細胞などの組織が含まれています。

症状はだんだんと進行し、気づきにくい

症状はだんだんと進行していきます。そのため早期の段階では気づきにくいことが特徴です。重症になって初めて、体にあらわれる徴候に気づくことも多いです。

2.重症化したときの症状

呼吸不全を生じ、日常生活にも支障が出る

重症化すると、『呼吸不全』が生じます。息苦しく、日常生活を送るのが困難になっていきます。また、かぜなどをきっかけに、急に症状が悪化する状態をくり返します。

階段や着替え、歯磨きでも呼吸困難を感じる

COPD

階段の上り下りや、坂を登るときに、息苦しさを感じます。病状が進行すると、服を着たり、歯磨きをしたりといった軽い動作でも、強い呼吸困難を生じるようになります。

COPDは喘息とは違い、安静時には息苦しさを感じないことがほとんどです。

頭痛、体重減少など、全身にも症状があらわれる

症状は肺のみにとどまらず、全身にあらわれてきます。肺機能が低下することで、血液中の二酸化炭素濃度が上昇します。それにより、朝方に『頭痛』の症状もあらわれます。さらに肺機能の低下が進行すると、『体重減少』や『食欲不振』も起こります。また、運動がしっかりできなくなることで、体や手足の筋肉量も減っていきます。

3.心不全を合併した場合の症状

呼吸困難のさらなる悪化やむくみ、頻尿

『心不全』を合併すると、呼吸困難のさらなる悪化や、全身の『むくみ』、夜間の『頻尿』などが生じます。呼吸困難が改善しないことによる『抑うつ状態』や、『不安』などの精神的な症状も多くみられます。

肺が膨張して、「樽状胸郭」になる

さらに、体型も変化します。肺が過膨張することで『樽状胸郭』といわれる状態になります。樽状胸郭とは、肺の過膨張が起こって、胸郭が下や前後に押し広げられる状態のことです。樽状胸郭になると、一度に大きく息を吐くことができなくなります。少量ずつであれば長く息を吐き出すことができるため、呼吸時に口をすぼめるようになります。

また、呼吸するときに使われる『呼吸補助筋』にかかる負担が大きくなり、特に『胸鎖乳突筋』が肥大していきます。こうした所見が体にあらわれるのは、症状が進行している証拠です。

4.増悪した場合の症状

安定期のCOPDが、急に悪化することがある

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安定期のCOPD患者であっても、『気道感染』や『大気汚染』が原因で、急に肺機能が悪化することがあります。こうした突然の悪化を『急性増悪』といいます。

呼吸困難が生じ、命に危険が及ぶことも

増悪すると、呼吸困難の症状が強くあらわれます。これにともなって、呼吸数や脈拍数が増え、たんの量も増えます。ぜいぜいという呼吸音も出現するようになります。こうした状態が長引くと、入院の回数が増え、命にも危険が及びます。

COPDの原因について

COPDの発症にかかわる『危険因子』 には、『外因性』のものと、『内因性』のものがあります。発症には、これらの相互作用が大きく影響します。

1. COPDの外因性危険因子について

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外因性危険因子には、『喫煙』や『大気汚染』、『呼吸器感染症』などがあります。

喫煙は、COPDの最大の危険因子です。COPD患者の90%は、喫煙歴があります。だからといって、喫煙者すべてが発症するわけではありません。統計的には、喫煙者の20~30%がCOPDを発症しています。

2. COPDの内因性危険因子について

内因性危険因子としては、『遺伝的要素』がCOPDを発症するリスクを高めいると考えられています。中でも最も解明が進んでいるものは、『α1‐アンチトリプシン』の欠乏症です。α1アンチトリプシン欠乏症の場合、喫煙することによって、『汎小葉性肺気腫』の発症や、肺機能低下を促進してしまいます。

このほか、内因性危険因子として、『気道過敏性』の亢進や、『気管支喘息』、『自己免疫疾患』の関与が指摘されています。

COPDの検査と診断

1. COPDが疑われるのはどんなとき?

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40歳以上で、せきやたん、体を動かしたときの息切れといった症状があり、かつ喫煙歴などの危険因子があれば、COPDの可能性が考慮されます。

こうした症状に当てはまる場合は、『内科』や『呼吸器内科』を受診し、検査を受けましょう。

2. まずは、呼吸機能検を受ける

診断を確定するためには、『呼吸機能検査』を受ける必要があります。

呼吸機能検査では、『気管支拡張薬』を吸入します。検査で『1秒率』が70%未満であれば、気流閉塞があると判定されます。1秒率は、息を最大に吸った状態から、できるだけ早く息を吐き出させることで得られる曲線のことです。気道閉塞の指標になる、重要な値です。

3.つづいて、画像検査で他の病気の可能性を調べる

つづいて、『レントゲン』や『胸部CT検査』で呼吸機能に関する精密検査をおこないます。それで他に気流閉塞を起こすような病気にかかっている可能性が除外されれば、COPDだと診断されます。

このとき除外する必要のある病気は、『気管支拡張症』や『気管支喘息』、『肺炎』、『肺結核』、『肺がん』などがあります。これらのほとんどは、画像検査で見分けることができます。

4.COPDの病気分類について

COPDの病期分類は気流閉塞の程度を表す『1秒量(FEV1)』によっておこないます。

先に解説したように、COPDの場合、気管支拡張薬投与後の1秒率(FEV1/FVC)70%未満であることが必須条件です。

  • I期   軽度気流閉塞:FEV1≧80%
  • II期  中等度の気流閉塞:50%≦FEV1<80%
  • III期  高度の気流閉塞:30%≦FEV1<50%
  • IV期 きわめて高度の気流閉塞:FEV1<30%、あるいはFEV1<50%で慢性呼吸不全合併

COPDの重症度は、これらの病期とあわせて、呼吸困難の程度や運動能力、併存症・合併症の有無などから総合的に判断します。

COPDの治療

1.安定期のCOPD治療

安定期のCOPDに対する治療は、『薬物療法』と『非薬物療法』によっておこないます。

薬物療法

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薬物療法の中心となるのは、『気管支拡張薬』です。重症度に応じて、段階的に投与していきます。

COPDの治療に用いる気管支拡張薬には、『抗コリン薬』、『β2刺激薬』、『テオフィリン製剤』の3種類があります。呼吸機能検査で、それぞれの反応性を確認し、それに応じて薬剤の選択をします。副作用にも注意しながら、投与を続けていきます。

治療の効果が十分にみられない場合は、単剤の用量を増やすよりも、多剤を併用する方が、効果と副作用のバランスを考えた場合に、好ましいといえます。

気管支拡張薬の副作用について

気管支拡張薬の副作用は、使用する薬剤によって異なります。

・β刺激薬の副作用…心悸亢進、振戦、頭痛、高血糖

・テオフィリン薬の副作用…不整脈・心停止、悪心・嘔吐、心窩部痛、興奮、けいれん

・抗コリン薬の副作用…口渇、眼圧上昇、排尿困難、心悸亢進、頭痛、便秘

呼吸不全が起こったら、酸素療法をおこなう

呼吸不全が起こった場合は、『酸素療法』をおこないます。酸素療法は、経鼻、もしくはマスクにより酸素吸入する治療法です。

COPD患者の場合、安静時に低酸素状態でなくても、軽い運動をしたときに『低酸素血症』をきたすこともあるので、注意する必要があります。

非薬物療法

COPD

非薬物療法では、『禁煙指導』が大切です。

また、COPDのさらなる悪化を防ぐために、『インフルエンザワクチン』や『肺炎球菌ワクチン』の接種もおこないます。

また、『リハビリテーション』も実施します。身体活動が低下することは、生命予後の悪化にもつながります。リハビリテーションや薬も使用しながら、身体活動の維持につとめます。

2.増悪のCOPDの治療

増悪の危険がある場合の治療法

先に解説した、増悪の危険がある場合、COPDの進行が加速し、死に至ることもあります。そのため、『禁煙』、『インフルエンザワクチン接種』、『肺炎球菌ワクチン接種』、『長時間作用型気管支拡張薬』の使用などの対策をすることが大切です。

増悪をおこした場合の治療について

憎悪を起こすと、呼吸困難の症状が悪化します。それに対して、作用が発現するのが早い『短時間作用型気管支拡張薬』を吸入し、『感染併発症例抗菌薬』の投与もおこないます。

重症以上の場合のCOPD増悪の治療

病気分類により、重症以上のCOPD増悪には『全身性ステロイド』を用います。『低酸素血症』に対する酸素投与もおこない、心不全の併発にも注意します。

肺機能の低下が高度な場合の治療法

肺機能の低下が高度な場合は、マスクなどを用いた『非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)』をおこないます。ただし、誤嚥がある場合や、たんの吐き出しが困難で気道確保が必要な場合では、『侵襲的陽圧換気療法(IPPV)』を用いる必要があります。

まとめ

「せきやたんが長続きする」「最近すぐに息切れが気になる」といった症状に思い当たるかたは、COPDにかかっている可能性があります。早めに病院を受診しましょう。特に、40歳以上の喫煙者は要注意です。

壊れてしまった肺の組織は治療しても、治すことができません。喫煙している人は、COPD の予防や悪化を防ぐために、1日でも早く禁煙することをおすすめします。

 

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