妊娠がきっかけに…絨毛がんとは?抗がん剤治療や転移について解説

絨毛がん
林高太郎

監修者

医療法人社団さくらライフ

林高太郎 先生

埼玉医科大学 卒業
医師国家試験予備校講師、麻酔科フリーランスなどを経て、
現在は総合診療をおこなっている。

『絨毛(じゅうもう)がん』は、妊娠がきっかけでかかることの多いがんです。

絨毛は活発に活動している細胞で、がんができるとその分進行も早く、転移もしやすいです。こちらの記事では、絨毛がんはどんな病気か、転移や再発の可能性について解説します。

絨毛(じゅうもう)がんとは

1.絨毛がんの概要

絨毛がん

胎盤を形成する絨毛にがんができる

『絨毛(じゅうもう)がん』は、胎盤(たいばん)を形成する『絨毛細胞』にがんができる病気です。

『胎盤』は、妊娠中の母体と赤ちゃんとをつなぐ大切な器官です。赤ちゃんに酸素や栄養分を送ったり、老廃物を受け取ったりしています。

そんな胎盤が、母体の子宮壁に接する部分が『絨毛』です。

進行が早く、半年から1年で手遅れになることもある

絨毛がんは、妊娠によって発症することがほとんどです。子宮に発生するがんの中で最も悪性度が高く、進行も早いです。

異常に気付かずに放っておくと、半年から1年の間に手遅れになることもあるほど、進行の早い病気です。年間約50人のかたが絨毛がんによって亡くなっています。また、寛解率は、90%以上です。

まれに、妊娠と関係なく発症することも。男性にもかかる!

ごくまれに、妊娠とは関係なく発生することもあります。

これを『非妊娠性絨毛がん』と呼んでいます。妊娠性のものよりも治りにくく、男性にも発症する可能性があります。非妊娠性絨毛がんは卵巣や精巣にある、『生殖細胞』から、絨毛がんを発症します。

2. 絨毛がんの原因

絨毛がん

絨毛がんの直接的な原因は、まだ解明されていません。ここでは、妊娠性と非妊娠性それぞれの要因について解説します。

妊娠性の絨毛がんの場合

妊娠性の場合は、『胞状奇胎(ほうじょうきたい)』という状態から絨毛がんを発生するケースが、原因の半数を占めます。胞状奇胎とは、遺伝子の染色体異常のひとつで、絨毛が水ぶくれのようになり(『嚢胞化』…のうほうか)正常に発育できなくなる、異常妊娠の状態です。

そして、絨毛がんの4分の1は正常妊娠後に起こります。残りの4分の1は、流産や子宮外妊娠などの異常妊娠後に起こります。

非妊娠性の絨毛がんの場合

非妊娠性の絨毛がんは、生殖細胞や肺がん、胃がんの細胞が異常に分裂・発生することなどが原因で、発症することがあります。

3. 絨毛がんの症状

絨毛がん

初期症状は、疲れやすさや体の違和感などを覚える

初期の場合、絨毛がんに特有な症状はありません。一般的ながんの初期症状がみられることが多いです。『疲れやすさ』や『体の違和感』、『体重減少』などの症状があらわれます。

しかし、妊娠中であるため、つわりや、妊娠の影響する体調不良などの症状に隠れてしまうことも珍しくありません。

性器からの出血、おりものの増加などがみられることも

そのほか、自覚症状として、性器からの出血や、おりものの量が増えることもあります。また、下腹部の違和感や痛みなどを覚えることもあります。

絨毛がんの検査や治療法について

絨毛がん

1.何科を受診するべき?

絨毛がんの多くは、定期妊婦検診で発見することができます。まずは検診をしっかり受けるようにしてください。そのほかに気になることがあれば、産婦人科を受診しましょう。

男性の場合は、泌尿器科で相談してください。

2. 絨毛がんの検査方法

絨毛がんは、妊娠中の定期検診で発見されることが多いです。検査にはさまざまな方法があります。医師と相談しながら決めましょう。

血液や尿からホルモンを測定し、CTで転移を調べる

血液や尿を検査し、ホルモンの値を測定することで、病名を確定します。さらに、『CT』や『MRI』を用いた検査をおこなって、転移などがないかも調べます。

子宮や肺を一部切除して検査する

また、子宮や肺などの一部を切除し、細胞組織を確認して診断することも可能です。

絨毛がん診断スコアを用いて診断する

画像で病巣が確認できる場合は、『絨毛がん診断スコア』を用いることもあります。

絨毛癌 診断スコアは、原因や経過、転移部位やホルモンの値などの項目をスコア化して診断する方法です。

スコアにより、『リスクの高い絨毛性疾患(臨床的侵入奇胎)』と、『リスクの低い絨毛性疾患(臨床的絨毛がん)』に分けられます。4点以下の場合は、臨床的侵入奇胎で、5点以上の場合は、臨床的絨毛がんになります。

3.治療法

絨毛がんは抗がん剤が効果的なことが多い

絨毛がんの多くは、化学療法(抗がん剤)によって効果が得られます。

数種類の抗がん剤を使用する、『多剤併用療法』によって治療します。抗がん剤治療は副作用として、『吐き気』や『嘔吐』、『食欲不振』などが生じることがあります。

抗がん剤のみで治療できなければ、手術や放射線治療もおこなう

もし、化学療法のみで不十分であれば、手術療法や放射線治療なども組み合わせて治療をおこないます。

がんの転移、再発の可能性について

絨毛がん

1. 絨毛がんは転移しやすい

絨毛がんは、転移しやすいがんのひとつです。特に、肺への転移が多いです。

妊娠中の定期検診を受けていないと、病気に気がつくのが遅くなりがちです。見つかったときには子宮以外の場所へ転移している、というケースもあります。

2.再発する可能性は4~7割

絨毛がんが再発する可能性は、4~7割です。そのため、治療後の経過の観察は欠かせません。

再発に早く気が付くためにも、治療後数年ほどは、定期的に健診を受けましょう。

まとめ

絨毛がんは、妊娠することでかかることがほとんどです。

きちんと定期健診をうけ、早期に発見する!

転移や進行が早く、放っておくと1年生きることも難しくなる可能性があります。とはいえ、妊娠中の定期検診で発見することができます。きちんと定期検診を受けるようにしましょう。

気になる症状があれば産婦人科へ

また、治療には化学療法が効果的で、発見が早ければ治る可能性も高いです。何か気になる症状があれば、すぐに産婦人科を受診してください。

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