
埼玉医科大学 卒業
医師国家試験予備校講師、麻酔科フリーランスなどを経て、
現在は総合診療をおこなっている。
正しい情報を的確に発信していく。
小さい子どもは予防接種がたくさんありますよね。
まだ小さいからこそ、その後の『副作用』について不安を持つ方も多いでしょう。
今回は、予防接種の副作用のなかでも発熱時を中心に解説します。
予防接種後の発熱について
1.発熱が起こる原因。何度くらい?いつまで?
予防接種の副作用として、38度前後の発熱がみられることがあります。熱は1日下がることが多いです。
とくに、生ワクチンを接種した場合は、その病気を発症や合併症によって発熱する可能性があります。
発熱の原因は、免疫がついてきたころにそれ以上に免疫をつけようとして、体が熱を発生させていると考えられます。予防接種の回を重ねるごとに発熱しやすくなるケースもあるでしょう。
生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱め、病原性をなくしたものを原材料としています。そのため、体調が少し良くないときや、体質によって発熱してしまうことがあります。
2.接種後どれくらいで発熱が起こる?
発熱が起こるまでの時間は、ワクチンの種類によっても異なります。生ワクチンの場合は『接種から3週間』、不活性ワクチンの場合は接種から『24時間以内』に発熱することが多いでしょう。
生ワクチン
ロタウイルス、MR(麻しん風しん混合)、水疱瘡、BCG(結核)
不活性ワクチン
インフルエンザ、HPV、B型肝炎、小児用肺炎球菌、Hib(ヒブ)、3種混合、4種混合など
3.熱とともに起こる副反応
人によってそれぞれですが、発熱と同時に接種した部分が腫れたり硬くなったりすることがあります。
多少の赤みであれば問題ありませんが、ひじを超えるくらいの腫れがある場合は一度相談してみるとよいでしょう。
予防接種後に、子どもが発熱した場合の対処法
1.熱が38度以上または3日間以上長引く場合は病院へ!
38度以上の高熱や、3日間ほど高熱が続く場合は、すぐに病院を受診しましょう。高熱であれば、解熱剤が処方されることもあります。
また、発熱した場合は、次の予防接種を受ける際に必ず医師に伝えましょう。
2.自宅では何に気をつける?
基本的には、かぜをひいて発熱したときと一緒で構いません。
水分をこまめに摂らせる
脱水症状にならないように水分をこまめに摂らせ、必要であれば冷たいまくらを準備してあげましょう。
排尿のタイミングに注意
6〜8時間排尿がないなど、いつもと明らかに違うと感じたときは、病院を受診する必要があります。
お風呂はひかえる
お子さんが元気そうだとしても、予防接種による発熱のときのお風呂はひかえ、できるだけ安静に過ごしてください。
予防接種の大切さについて
1.なんのための予防接種?
予防接種は、病気を予防するためにとても大切です。
とくに、『定期接種』に指定されているものは、感染力が強く重症化する可能性がある病気を予防します。必ず接種するようにしましょう。
2.もし、予防接種を受けなかったら?
万が一、予防接種を受けていないと、さまざまな病気に感染するリスクがあります。
すぐに影響はなくても、幼稚園や学校に通うようになったときに感染する可能性が高いでしょう。また、予防接種を受けずに感染しまった場合、重症化する可能性も高くなります。
予防接種を受けることで体に免疫ができ、病気に感染しても軽い症状ですみます。
3.定期接種は必ず受ける!任意接種は医師と相談
先に解説したように、定期接種は必ず受けましょう。
一方、任意接種は自己負担になります。子どもの健康状態などを踏まえて医師と相談し、接種するかしないか決めていきましょう。
まとめ
子どもは症状を的確に伝えることがむずかしいので、発熱などの副反応が出た場合には、迷わず予防接種を受けた病院の医師に相談しましょう。
また、数日たっても熱が引かず、長引く場合や、38度以上の高熱が出た場合などは、すぐに病院を受診する必要があります。
そのほか、予防接種をした部分の腕の腫れにもじゅうぶん注意してください。
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