
1999年 日本医科大学産婦人科教室入局
日本医科大学付属病院
産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院
(現 横須賀市立うわまち病院)
産婦人科
2002年 東京都保健医療公社
東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院
女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院
女性診療科・産科 助手
現在は石野医院の副院長
専門は漢方(東洋医学)、産婦人科
患者さん一人ひとりに合った薬を作るため、自由にさじ加減ができる煎じ薬を第一と考える。
診療では一人ひとり丁寧に症状の診断を行い、情報の発信を行う。
女の子が中学1年生になる年度に、忘れてはいけない予防接種があります。それは、2013年から定期接種になったHPV(子宮頸がん)ワクチンです。
なぜ、思春期のうちから「がん」を気にしなければならないのか、疑問に感じる親御さんも多いのではないでしょうか?
子宮頸がんとはどんな病気なのか、また、HPV(子宮頸がん)ワクチンについて、石野医院の石野博嗣先生が解説してくれました。
子宮頚がんに関するQ&A
世界で年間30万人もの女性の死亡原因となっている「子宮頚がん」は、日本でも約1万人の女性がかかり、そのうち約3千人の死亡原因になっているようです。
これほどまでに多くの女性が罹患する可能性のある子宮頸がんとはどんな病気なのか、石野先生に伺いました。
Q.子宮頚がんってどんな病気?
A.子宮体がんが子宮内膜に発生するのに対し、子宮頸がんは子宮の入り口付近に発生します。罹患率は子宮体がんや他のがんに比べて若く、20~39歳の患者さんが増えています。
Q.子宮頸がんの 原因は?
A.ヒトパピローマウィルス(HPV)という性交で感染するウィルスが原因とされています。感染は珍しくはなく、免疫により排除されますが、排除されない一部の人の細胞が、がん化し発症します。
Q.子宮頸がんになると、どんなリスクがある?
A.進行具合により子宮や卵巣の摘出や機能が失われる可能性があり、将来の妊娠出産が難しくなります。
Q.子宮頸がんの症状は?
A.初期には症状がありません。進行により「不正出血」「生理の出血量が増える」「下腹部痛」などの症状が現れます。
Q.子宮頸がんの予防法は?
A.予防ワクチンの接種により予防ができます。また、定期健診の受診で早期発見につながります。
HPV(子宮頸がん)ワクチンについてのQ&A
子宮頚がんはワクチン接種で予防が可能な病でもあり、日本では2013年より定期接種になりました。そこで、HPVワクチンの効果や注意点などについて、石野先生にお聞きしました。
Q.HPV(子宮頸がん)ワクチンって?
A.中学1年生になる年度より、法に基づき3回接種が推奨されています。接種間隔は薬の種類によって異なります。
Q. HPV(子宮頸がん)ワクチンが思春期に必要な理由は?
A.年齢が上がり、性交による感染の機会が増える前に予防するためです。
Q. HPV(子宮頸がん)ワクチンの効果は?
A.ワクチンは原因となりやすい一部のHPV型に免疫を作らせます。そのため、予防できない型もあり、100%の予防はできません。現状では持続期間は不明で、追加接種の判断基準が設定されていません。
Q.副作用はある?
A.接種部位の痛みや腫れ・発熱・頭痛・疲労感・失神などの報告があります。
Q. HPV(子宮頸がん)ワクチンを接種した後の注意点は?
A.高熱・接種部位の異常・痙攣などの体調変化を感じたらすぐに、医師の診察を受けてください。
婦人科検診のすすめ
子宮頚がんは20~39歳といった比較的若い年齢での罹患が増加傾向にあり、それは、若い女性の婦人科検診率の低さが影響しているのではないかと考えられます。
若いうちから定期的な婦人科検診を受けることの必要性について石野先生は、「子宮頸がんなどの病気の早期発見はもちろんのこと、希望時に妊娠ができるように身体の状態を確認するためにも、若いうちから定期健診を受けるようにしましょう」とのことです。
石野先生は、このように若い女性の婦人科検診をすすめています。
将来の妊娠に備えて自分の身体の状態を知っておくためにも、定期健診は受けた方が良いということがわかります。
そのためには、最も身近な大人の女性である「お母さん」がお子さんに婦人科検診の大切さをアドバイスできるといいですね。
まとめ
子宮頸がんは、世界で多くの女性の死亡原因となっていて、日本でも多くの女性がこの病に罹患しています。特に20代~30代の若い世代に増加傾向にある、「がん」の一種です。
この病を予防するためには、HPVワクチンが有効(100%ではない)で、若いうちから定期健診を受けることで早期発見につながります。
女の子が思春期を迎える小学校高学年になるあたりから、親御さんはお子さんにどのように自分の身を守るべきか、それをどのように伝えていくのか考える必要があるのではないでしょうか?
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