
1990年 昭和大学歯学部卒
昭和大学第三歯科補綴学教室入局
1996年 昭和大学第三歯科補綴学教室退職
同上特別研究生
都内歯科医院管理者(院長)勤務
2003年 同上退職
2004年 大田区大森にて「むかい歯科」開業
現在に至る
• Clean(清潔)
• Comfortability(快適)
• Communication(会話)
そして、• Community(地域)
3C+1Cをコンセプトにお口の健康改善にお役に立つよう日々努力する。
積極的に新しい技術や設備の導入を計る。
歯肉がんは、口腔内のがんの中で比較的多くみられます。
男性の方が女性より患者数は多いです。とはいうものの、歯肉がんは生活習慣に起因し、だれでもかかる可能性があります。
この記事では、歯肉がんの初期~末期の症状と、病院を受診するべき場合、検査法について解説します。
歯肉がんとは
1.歯肉がんってどんな病気?
『歯肉がん』は、歯肉(歯ぐき)に悪性腫瘍、つまりは「がん」ができる病気です。
歯肉にできる病気のなかで、もっとも恐ろしいともいわれています。5年生存率は、下あごに発生した場合は、5割から8割です。上あごの場合は4割から7割です。
2. 歯肉がんの原因は?
喫煙や飲酒などの生活習慣
『喫煙』や『飲酒』など生活習慣が原因になることがあります。
虫歯や合っていない入れ歯
また、虫歯や自分に合っていない入れ歯なども、原因として考えられます。
未処置の虫歯の角や、合わない入れ歯によって長期間こすったり傷つけたりすると、粘膜の表面の細胞が悪性に変化し、がん化することがあります。
3. 歯肉がんの初期~末期の症状
初期症状は口内炎に似ている
初期の段階の歯肉がんは、口内炎のようにも見えます。実際に、口内炎だと思っていたら、実は歯肉がんだった、ということもあります。
なかなか治らない傷や口内炎がある、と思っている人は気をつけましょう。
軽度の歯肉がんの症状
軽度でありながら、悪性化している場合は歯肉が白っぽくなります。
中期の歯肉がんの症状
中期になると、歯肉のただれや、えぐれてくる、イボのような隆起ができる、といった症状がみられます。
歯肉がんの末期症状
末期になると、歯肉に強い痛みを感じる、出血がひどいなどの症状があらわれます。また、歯肉はリンパ節と近いこともあって、首筋にこりを感じたり、しこりができたりすることもあります。
4. 歯肉がんを放置したときのリスク
歯肉がんは、先に解説したように、「初期」「中期」「末期」と、どんどん症状が悪化していきます 。
また、リンパ節と近く転移もしやすいです。リンパ節へ転移すると、全身へがんが運ばれる可能性もあります。そのため、歯肉がんは早期発見が何より大切です。
歯肉がんの検査について
1.治らない口内炎や傷があれば病院へ
口内炎や、出血をともなうような口の中の傷が、1週間以上たっても小さくなったり、治ったりしない場合は、医療機関を受診しましょう。
2.何科を受診するべき?
まずは近くの歯科で相談を!
先に解説したような、気になる症状がある場合は、まず近くの歯科で相談してみましょう。症状に応じて、病院を紹介してもらうこともできます。
治療をうけるのは、口腔外科や耳鼻咽喉科
『口腔外科』が通院できるところにあれば、そこで治療をおこないます。また、『耳鼻咽喉科』で、歯肉がんの治療をおこなっている病院も多いです。
3. 歯肉がんの検査方法
まず、歯肉がんかどうかを調べる
まずは、 歯肉がんにかかっているかどうかを、『問診』や『視診』、『触診』、『画像診断(レントゲン)』、『生検』などから調べます。
つぎに、「CT」や「MRI」でがんの大きさや転移を調べる
つぎに、『CT』や『MRI』を撮影します。それにより、がんの範囲や大きさを特定し、転移があるかどうかも調べます。
そのほか、持病についての検査もおこなう
そのほか、『血液検査』などによって、持病があるかどうかも調べます。
これは、治療にどの程度耐えられるかを知るためでもあり、非常に大切な検査です。
歯肉がんの治療法
歯肉がんの治療は、ほかのがんと同じように、『外科的手術』や『放射線治療』、『化学療法』などがあります。これらを併用して治療することもあります。
1.手術による治療
歯肉がんの場合、手術が必要になることがほとんどです。
がんの発生した部分と、その周囲を取り除く
基本的には、歯肉がんの発生した部分と、その周囲を取り除く手術をおこないます。
リンパ節に転移がある場合は、首の一部を切除する
リンパ節に転移があった場合は、首の一部をリンパ節ごと大きく切り取る必要があります。切除した部分には、体のほかの部分から筋肉や皮膚を持ってきて移植します。
がんの場所によっては、歯やあごの骨の一部を切除することも
また、歯肉がんの場所によって、がん細胞が大きくなっている場合は、歯やあごの骨の一部の切除が必要なケースもあります。
2.放射線治療
症状がひどい場合には、放射線治療 を行うこともあります。放射線治療では、がん細胞の成長抑制や、縮小につとめます。
3. 化学療法(抗がん剤による治療)
化学療法は、がん細胞を殺すために必要な治療です。
化学療法によってがんを小さくしてから、手術をおこなうこともあります。このように、手術と化学療法とを併用するケースが多いです。手術の前に化学療法をおこなうことも、手術の前後両方ともにおこなうこともあります。
がんの転移や再発の可能性。予防法はある?
1.歯肉がんは、転移や再発することがある
歯肉がんは、先に解説したようにリンパ節と近いこともあって、転移や再発が懸念されます。
リンパ節に転移している場合、治すことも難しくなってきます。また、手術でリンパ節を摘出しても、再発する可能性や、ほかの場所へ転移している可能性もあります。
2.歯肉がんの予防法
歯肉がんに絶対効果がある!といえるような予防法はないのが現状です。
しかし、『喫煙』や『飲酒』は、がんを引き起こす要因のひとつではあります。このふたつは、歯肉がんだけでなく、さまざまな病気の原因にもなります。出来る限り、喫煙や過度な飲酒は避けるとよいですね。
まとめ
歯肉がんは、口の中にできる病気のなかで、もっとも厄介だと言われています。自覚症状もほとんどなく、病気に気づくのも遅れがちです。また、リンパ節への転移が起こりやすいがんでもあります。
もし口の中に違和感や傷などがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。
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