大人のADHDの症状とは?忘れっぽいのは発達障害が関係しているかも…

ADHD 大人 症状
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岩瀬利郎先生

監修者

医療法人弘心会 武蔵の森病院

院長:岩瀬利郎 先生

浜松医科大学 ・同大学院修了・博士(医学)

埼玉医科大学精神医学教室,

石心会狭山病院(現埼玉石心会病院)精神科部長,

医療法人弘心会 武蔵の森病院副院長を経て平成23年4月より現職.

仕事や家事をする時に忘れっぽさが目立ったり、段取りを難しく感じたりしたことがありませんか?

これらはもしかするとADHDの症状かもしれません。

ADHDは最近まで子どもの発達障害だと思われていましたが、大人でも症状がみられることが明らかになりました。

この記事では、発達障害の一つであるADHDについて解説します。

大人のADHDについて

1.大人のADHDとは?

大人

ADHDは発達障害の一つで、学童期に疑わしい症状が現れます

ただし症状が軽い場合や周囲への適応力が高かった場合は、大人になるまで障害に気づかれないこともあります。

ADHDは不注意・多動性・衝動性という特性に分けられます

特性によって症状に個人差がありますが、これらが起こる原因として脳の機能障害が挙げられています。

機能障害とは主に「前頭前野や大脳辺縁系、大脳基底核などの働きが低下している状態」であると考えられていますが、全貌はわかっていません。それぞれのはたらきは下記の通りです。

  • 前頭前野:思考や創造性を担い、記憶や学習と深く関連する
  • 大脳辺縁系:感情・本能・感覚・睡眠・夢などをつかさどる
  • 大脳基底核:運動調整・認知機能・感情・動機・学習など多くをつかさどる

2.大人のADHDの症状は治る?

大人

ADHDは生まれつき脳機能が偏っていることで起こりますが、医学的な処置(手術や投薬など)によって根本的に治すことは不可能と考えられています。

ただし、ADHDの症状によって生じる困難やトラブルを軽減させることは可能です。

大人のADHDの特徴

1.当てはまる症状をチェック

チェック

大人のADHDの特徴として、以下のような行動パターンに陥りやすいことが挙げられています。項目を読みながらチェックしてみましょう。

  • 思いついて行動するが、途中で挫折する
  • 段取り良く仕事ができない
  • 単純作業・雑務が苦手
  • 会議が苦手
  • 長期プロジェクトをうまくこなせない
  • 掃除・洗濯・料理など毎日の家事がうまくできない
  • 片付けができない
  • 事務的なことがきちんとできない
  • 親子関係がうまく築けない
  • 夫婦関係がぎくしゃくする
  • 身体に悪いと思っても節制できない
  • 金銭管理が下手

※当てはまっていても必ずしもADHDであるとは限らず、このチェックだけで診断が確定するわけではありません。

2.ADHDの人の長所と短所

長所と短所

ADHDには長所と短所があります。

ADHDの人の長所

  • 興味のあることにはとことん取り組む
  • めまぐるしい状況変化に適応できる
  • アイデアが豊富
  • 既成概念にとらわれない柔軟な考え方ができる

ADHDの人の短所

  • 忘れっぽい
  • 飽きっぽい
  • うっかりミスが多い
  • ルーティーンワーク(日常的な仕事、型にはまった仕事)や家事をこなすのが苦手
  • 長期間集中力を保って仕上げる作業や課題が苦手
  • 複数の仕事に優先順位をつけながら手際よくこなすことが苦手
  • 何かに熱中しだすと後の仕事が見えなくなりがち

大人のADHDの治療について

1.何科を受診する?

病院

大人のADHDに関しては、精神科・神経科・心療内科などを受診します。

ただし、大人の発達障害をきちんと診断できる医療機関は少ないというのが現状です。

地域に専門医が見つからない場合は、各都道府県庁所在地・政令指定都市に1か所以上設置されている「発達障害者支援センター」に相談すれば、医療機関を紹介してもらうこともできます。

2.ADHDの検査

検査

ADHDは、医師の問診とASRSとういうスクリーニング検査(自己記入式チェックリスト)、そしてWAIS-IIIなどの知能検査(IQや理解力・記憶・統合・処理速度などを測定)が主になります。

問診では家庭、職場、学校などでの悩みや、困っていることを詳しく聞きます。

成績表や連絡票、育児日記など、子どもの時の情報を持参すると診断に役立つでしょう。

また、自閉スペクトラム症(ASD)との合併があるかないかも慎重に精査されます。

3.ADHDの治療法

治療

ADHDの治療は、薬物療法・環境調整法・認知行動療法などによるセルフコントロールがメインとなります。

薬物療法

コンサータやストラテラのような薬を服用し、症状を抑えます。

コンサータは、脳内の神経細胞間で情報を伝える「神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリンなど)」を増加させます

これによって神経機能を活性化させることで、注意力を高めたり衝動や落ち着きのなさを改善したりします。

ストラテラは神経伝達物質を調整する効果があり、不注意・多動・衝動・落ち着きのなさを抑える薬です。

環境調整法

自分の特性(苦手なことや短所)を自覚したうえで、それを補うために生活環境や人間関係を見直す方法です。

認知行動療法

心理療法のひとつである認知行動療法を用いて、適正な自尊感情(失敗や成績不振を自己否定につなげない考え方)や好ましい人間関係(円滑なコミュニケーション作り)、物事を秩序立てて計画的に処理する能力などが備えられるよう取り組んでいきます。

大人のADHDとの付き合い方

1.仕事について

仕事

ADHDの人の知的レベルは様々なので、どのような仕事が向いているかは一概に言えません。

とはいえADHDの人は得意不得意なことがはっきりしているので、向く仕事とそうでない仕事を見極める必要があります。

担当医や発達障害就労支援施設などとよく相談しながら、就労について考えましょう。

2.普段の生活で気をつけること

プレゼン

ADHDの人は、人の話を最後まで聞くことができなかったり、何かに熱中しすぎて周りへの配慮に欠けた行動をとってしまったりすることがあります。

ADHDの人は円滑にコミュニケーションをはかるために、以下のソーシャルスキルを身につけることが大切です

  • 人の話を聞くスキル
  • プレゼンするスキル
  • 怒りをコントロールするスキル
  • 依頼を上手に断るスキル

ストレスを溜めないことも大切

ADHDの人は、身体的にも精神的にもストレスをためやすい傾向があります。

このような状態だとミスが増えたり怒りっぽくなりやすかったりするため、ストレスをためないことも大切です。

まとめ

ADHDの特徴に当てはまった方もいるかもしれません。

「もしかしてADHDかも…」と感じたときには、まず自分の行動や日々の悩みに対して、冷静に目を向けてみましょう。

そして自分の属する環境を整えたり、自分の特性を知って工夫したりして、苦手なことを克服できるか試してみてください。

万が一日常生活に支障をきたすほどの困りごとがあれば、病院を受診してみましょう。

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