
2002年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年 幕内会 山王台病院 外科
2007年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年 関東労災病院 外科
2009年 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
大腸がんの診断から手術、肛門疾患を専門に行う。
患者さんが疑問を残さないよう、丁寧な診療を心がけている。
鼻水や鼻づまり、「風邪かな?」と放置していませんか?
その症状、もしかすると急性副鼻腔炎かもしれません。急性副鼻腔炎は、放っておくと重症化しやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。
こちらの記事で、急性副鼻腔炎の症状セルフチェックや、病院でどのような検査、治療を受けるのかを解説します。
急性副鼻腔炎の症状
1.急性副鼻腔炎とは?
『急性副鼻腔炎』は、『副鼻腔』で細菌やウイルスによって急性の炎症が起こる病気です。
風邪やアレルギー性鼻炎が原因で、細菌やウイルスが副鼻腔で繁殖し、副鼻腔内に『うみ』がたまります。
2.急性副鼻腔炎の症状セルフチェック
次のような症状にいくつか当てはまる場合は、急性副鼻腔炎の疑いがあります。
□ 鼻水
□ 鼻づまり
□ 頭痛、顔面痛
□ 頬の圧迫感・違和感
□ 鼻の中に悪臭を感じる
□ 匂いがわかりづらい
□ 鼻水がのどに落ちる
□ 鼻水がのどに落ちる事による痰や咳
□ 口臭がする
□ 歯が痛む
□ においがわかりづらい
□ 発熱
急性副鼻腔炎の症状は、風邪やアレルギー性鼻炎とも似ており、なかなか気づきにくいです。一方で、くしゃみやかゆみなどの症状はあまりみられません。
3.急性副鼻腔炎が進行すると…症状の変化
鼻水がドロッとして悪臭をともなう
はじめはサラサラとしていた鼻水が、次第にドロッとして悪臭をともないます。色は透明から黄色や緑色へと変化していきます。鼻水がのどに落ちることで、たんやせきなどの症状もあらわれます。
鼻水が長引くと、鼻がつまって匂いや味がわかりにくくなる
鼻水が長引くと、炎症で副鼻腔が腫れ、鼻腔がふさがって鼻づまりを感じるようになります。そうすると鼻をかんでも、スッキリしない、かみきれていないように感じます。
匂いもわかりにくくなり、さらに重症化すると味も感じにくくなります。放っておくと、こうした症状が慢性化することもあります。
まれに目や頭に痛みを感じることも
まれに、症状が進行すると目や頭に痛みを感じます。歯に痛みを感じるケースもあります。目や脳は、鼻と位置が近いため影響を受けてしまいます。
4.合併症を引き起こすおそれも!
急性副鼻炎を発症して、悪臭をともなうドロッとした鼻水が長期間続くと、合併症を引き起こすおそれもあります。鼻や副鼻腔に近い目、鼻水が流れるのどなどに発症します。合併症として起こる可能性があるのは、次の病気です。
・急性中耳炎
・鼻性頭蓋(とうがい)内合併症
・鼻性眼ほう内合併症
・鼻たけ(良性のポリープ)
・気管支喘息
それ以外に、発熱によって体温の高い状態が続くことで、失明や髄膜炎になる危険性もあります。
急性副鼻腔炎になったときの対処法
1.急性副鼻腔炎になったら、気をつけること
鼻をかんで鼻水を減らす
鼻をすすらずに、かむことで、鼻水を減らすことが大切です。鼻をすすっていると、副鼻腔内に鼻水がたまったままになり、症状が悪化してしまいます。
疲れをためず、睡眠と栄養をしっかりとる
疲れやストレスがたまっているときや、睡眠不足のときは、細菌に感染しやすいです。睡眠と栄養分を日ごろからしっかりとって、身体の抵抗力をつけましょう。
2.自然治癒は難しい…早めに耳鼻咽喉科へ!
急性副鼻腔炎は、自然に治癒することは少ないです。そのため症状があらわれたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
3.急性副鼻腔炎の検査や治療法
レントゲンや内視鏡を使って診断
診断にはレントゲンを用いることが多いです。通常、レントゲンで副鼻腔をみると、空洞で黒っぽくうつります。しかし、副鼻腔炎にかかっている場合は、副鼻腔が白くなります。
また、内視鏡などを使って、粘膜の腫れや膿の状態などを確認する場合もあります。
急性副鼻腔炎と診断されたら…治療法
病院では、副鼻腔内の鼻水をきれいに流す処置をおこないます。鼻腔内を一度吸引して、薬剤を鼻の中に入れることで洗い流します。
そのほか、抗生剤入りの薬剤を霧状にし、患部に直接あてる『ネブライザー治療』や内服薬を用いることもあります。
重症化した場合は、鼻の中の病巣を取り除く手術が必要になります。
まとめ
急性副鼻腔炎は、風邪やアレルギーなどがきっかけになって、誰にでも起こり得る病気です。
気になる症状があれば、早めに耳鼻咽喉科へ
気になる症状があれば耳鼻咽喉科を受診し、早めに治療を始めましょう。同時に、しっかり鼻をかんで鼻腔内に鼻水がたまらないように心がけましょう。
赤ちゃんは鼻水がたまりやすいため注意!
また、赤ちゃんや子どもは鼻腔が小さく、大人に比べて鼻水がたまりやすいです。副鼻腔内に細菌やウイルスも侵入しやすいため、周りの大人が気をつけるようにしましょう。
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