子宮筋腫には3タイプある!医師が教える、病気の症状や治療法

子宮筋腫
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監修:簡野晃次医師

子宮筋腫ってなに?

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍で、通常命に関わることはありません。成人女性の2~4人に1人が持っているといわれ、40代で発病する人が最も多く、次に多いのは30代で、最近は20代で発病する人も増えてきました。

子宮筋腫ができる原因はまだよくわかっていませんが、筋腫がだんだん大きくなるのは卵巣から分泌される女性ホルモンの影響ではないかと考えられています。

子宮筋腫には3タイプある

子宮筋腫の種類

子宮筋腫は、子宮の筋肉の中に留まったまま成長する筋層内筋腫、子宮の外側へ向かって成長する漿膜下(しょうまくか)筋腫、子宮の内側に向かって成長する粘膜下筋腫の3つのタイプに分けられます。

TYPE1 筋層内筋腫

最も多いのは筋層内筋腫で、筋腫が小さいうちはほとんど症状がありませんが、大きくなってくると月経時に子宮の収縮が悪いので、痛みが出たり、出血が長引いたりすることがあります。

TYPE2 漿膜下筋腫

漿膜下筋腫は3タイプの中で最も自覚症状が少ないのですが、子宮本体から離れたところへ筋腫ができ、茎でつながっている有茎性漿膜下筋腫の場合、茎がねじれて筋腫に血液が通わなくなり、激しい腹痛が起きることがあります。

TYPE3 粘膜下筋腫

粘膜下筋腫は最も発生率が低いのですが、過多月経やひどい月経痛など重い症状が出ます。

子宮筋腫の大きさはさまざまで、豆粒大のものから大人の頭ぐらいのものまであり、長い間に少しずつ大きくなっていきます。大抵の場合、数も複数個あり、タイプの違う筋腫を併発することも少なくありません。

子宮筋腫があると妊娠しにくいのではないか、と不安に思う人もいますが、筋腫があっても妊娠・出産は可能です。ただ、漿膜下筋腫や粘膜下筋腫で子宮内膜の形状が変形している場合、受精卵が着床しにくかったり、精子の通りが悪かったりして不妊の原因となることもあります。

こんな時は病院へ

無症状のことも多い子宮筋腫ですが、代表的な症状は過多月経(生理の時の出血量が多いこと)です。月経時に以前より出血量が増えたり、出血時に血の固まりのようなものが見られたり、月経が10日以上続いたりしたら注意が必要です。

過多月経になると、貧血気味になるので、めまいやだるさ、疲れやすいなどの症状がみられます。そのほか月経痛や下腹部痛、下腹部のふくらみ、水っぽいおりもの、腰痛、頻尿、便秘などの症状があらわれることもあります。

気になる症状がある時は、早めに病院へ行ってみてもらいましょう。子宮内膜症(月経を起こす子宮内膜の組織がなんらかの原因で卵巣や卵管など子宮の周辺に飛び火し、増殖と剥離を繰り返す病気)などほかの病気である場合もあります。

また、子宮筋腫だけでなく、子宮内膜症や、子宮腺筋症(子宮内膜の組織が子宮筋層の中に入り込んで、筋腫のようなしこりができる病気)を併発している場合もあります。症状の原因をよく調べてもらい、必要に応じて適切な治療を受けることが大切です。

子宮筋腫の治療法

経過観察

特に症状がなく、健康診断などで子宮筋腫が見つかった場合、ほかの臓器や妊娠への影響が認められなければ、経過観察つまり、様子を見ていても大丈夫です。その場合、「半年に1回」など医師から指示を受けた期間ごとに受診して定期的に検査や診察を受けるようにしましょう。

手術療法

過多月経やそれに伴う貧血、月経痛などがある場合、治療が必要になりますが、症状やその度合い、妊娠を希望するかどうか、閉経が近いかどうか(閉経すると筋腫が小さくなる場合が多い)などによって治療法が変わってきます。

日常生活に支障があるほど症状が強く、子どもは要らないという人や、子宮肉腫という悪性腫瘍の疑いがある人は、子宮を全部摘出する子宮全摘術という手術方法があります。

妊娠・出産の可能性を残したい人や、子宮を摘出することに抵抗がある人は、子宮筋腫だけを摘出する子宮筋腫核出術を選択することができます。また、より負担が軽い方法として子宮鏡を使って膣から子宮筋腫を取り出す子宮鏡下手術や、腹腔鏡を用いる腹腔鏡下手術もあります。

これらの治療法は、妊娠出産が可能で、通常、症状もかなり軽くなりますが、将来再び子宮筋腫ができる可能性はあります。

薬物療法

それに対して、手術するほど症状がひどくない場合や、手術するのに抵抗がある場合、薬物療法という選択肢があります。鎮痛剤で月経痛を抑えたり、鉄剤で貧血を改善したり、月経時の出血量を抑える止血剤や、過多月経や月経痛を改善する漢方薬を服用しますが、子宮筋腫そのものを小さくすることはできません。

また、ホルモン剤を服用することによって閉経と同様な状態を作り出し、一時的に子宮筋腫を小さくする方法もあります。一般的によく使われているのはGnRHアナログという卵巣ホルモンの分泌を抑制する薬で、この薬を服用すると、ほてりやイライラなど更年期障害のような症状があらわれたり、長期間使用すると骨粗しょう症になったりする恐れがあります。

そのため、6ヵ月服用し、次の6ヵ月は休む、というサイクルで服用します。

ホルモン剤を服用すると一時的に子宮筋腫が小さくなり、症状が改善しますが、服用を中止すると再び筋腫が大きくなり、月経も始まります。そのため、子宮筋腫核出術の前に筋腫を小さくしたり、貧血を改善したりしたい場合や、閉経に近い年齢の人が症状をやわらげながらそのまま閉経に持ち込みたい場合などに選択される治療法です。

いずれの治療法も、検査や診察などで子宮や子宮筋腫の状態をよく調べ、医師とよく相談して納得のいく方法を選択することが大切です。

子宮筋腫の検査

産婦人科を受診して、子宮筋腫かどうか調べる場合、問診や触診、内診のほかに次のような検査を行い、その結果を総合して診断を下します。

超音波検査(エコー) おなかの上から器具を使って超音波をあてる経腹法と膣内に器具を挿入する経膣法とがあり、子宮筋腫の大きさや数、位置、筋腫のタイプ、卵巣の状態がほぼわかり、痛みや副作用がありません。
血液検査 貧血の有無や程度、ほかの病気の有無などがわかります。
子宮鏡検査 膣から子宮鏡を子宮に差し込んで子宮内膜の状態を観察します。子宮内膜に異常がないかどうか、特に粘膜下筋腫の状態を調べる時に行います。
MRI(磁気共鳴画像)検査 磁気を利用して身体の内部を画像化する検査方法。超音波検査よりはっきりした画像が得られるため、子宮筋腫か子宮腺筋症か区別がつきにくい場合や、子宮肉腫と識別する場合などに行われます。
子宮卵管造影 カテーテルという細い管を用いて膣から子宮に造影剤を入れ、その造影剤が卵管から腹腔内に流れる様子をおなかの上からレントゲンで撮影します。粘膜下筋腫の状態を調べる時や、不妊と筋腫との関連が疑われる時に行われます。

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