婦人科医が教える!子宮を切らずに治す?子宮筋腫の治療法

子宮筋腫
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監修 児島孝久医師

子宮筋腫は良性の腫瘍なので、症状がなければ定期的に経過をみれば治療がすぐ必要というわけではありません。ただし、月経痛や過多月経、貧血などの症状がある場合や妊娠のじゃまになっている場合は治療を考えましょう。

子宮筋腫症状の確認

治療が必要なケース

筋腫ができる場所によって症状の強さが違う

子宮筋腫はできている場所によって症状の強さが違います。一般的に子宮内膜に影響を与えている場合は、月経量が増えたり、月経痛がひどくなったりします。一方、子宮の外側に育つ筋腫は月経を伴う症状が無く、あるいは症状が軽いために気がつかないことが少なくありません。

症状の強さは、筋腫の大きさよりもできる場所による影響が強く、子宮内膜に近い場合はたとえ1~2cmの小さな筋腫でも強い症状を引き起こす場合があります。症状が強くなり、QOL(生活の質)を落とすようなら、治療を考えたほうがよいといわれています。

妊娠を希望する場合は、症状がなくても治療が必要

また、妊娠を希望する場合は、症状が無くても治療をしたほうがいいといわれています。それは、子宮は本来、鶏卵くらいの大きさの臓器であるために、子宮内膜に突出した筋腫があると受精卵の着床のじゃまになるからです。

あるいは、子宮本体以上の大きな筋腫がいくつもある場合は、胎児の成長や出産の妨げになり、流産や早産の原因になります。妊娠を希望するのであれば、筋腫が見つかったら症状にかかわらず、治療が必要かどうかを診てもらうとよいでしょう。

なお、子宮筋腫は30~40歳代の女性に多くみられますが、初潮の低年齢化や晩婚化、出産数の減少によって筋腫や内膜症が進行しやすくなり、それらの疾患で悩む人も多くなっています。

子宮筋腫治療の選択肢

子宮筋腫は月経痛や貧血などの症状がない場合は、婦人科検診やがん検診で見つかることが多いといわれています。子宮筋腫が見つかった場合、どんな治療を選択したらよいのかを知っておきましょう。

子宮筋腫の選択肢

「切る治療」「切らない治療」の違い

外科的手術-子宮全摘術・核出術-(保険適応)

従来の一般的な外科的手術はメスを使って子宮全体を摘出するか、あるいは筋腫だけを摘出するかの開腹手術です。子宮筋腫は再発することが多いために、妊娠を希望していない場合は子宮全摘を勧められがちです。妊娠を希望している場合は、筋腫だけを摘出する核出術を勧められることが一般的です。

子宮全摘も核出術も10日~2週間程度の入院が必要で、通常の生活に戻るのに約1ヵ月かかります。費用は健康保険が使え、20~30万円です。

外科的手術-腹腔鏡手術-

また開腹しない手術法として、腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術はお腹を切らずに穴を開け、筋腫をちぎって取り出します。筋腫の大きさや医師の技術的なレベルなどの条件が整うことが必要で、どこででもできる手術ではありません。開腹手術に比べるとからだの負担は軽く、入院するのは1週間前後です。

外科的手術-子宮鏡手術-

さらに、開腹しない手術法として子宮鏡手術があります。子宮鏡手術は膣から器具を入れ、子宮内膜に突出した部分の筋腫だけを削り取ります。子宮鏡手術は治療可能な筋腫の大きさや場所が限られるため、誰もが受けられる治療ではありません。また筋腫の一部しか取れないことが多く再発しやすいです。

子宮を傷つけずに温存する「切らない治療法」

開腹手術に比べてからだの負担が少ない

こうした外科的手術に加わる新たな選択肢として、「切らない治療法」が注目されています。切らない治療法は外科的開腹手術に比べて心身の負担が少なく、回復も早い治療法です。方法としては、カテーテル治療で一時的に筋腫への血流を止め、筋腫だけを壊死させる子宮筋腫動脈塞栓術「UAE治療」と、超音波ビームで筋腫を焼灼する集束超音波治療「FUS治療」があります。FUSは日帰り治療、UAEは1~3泊程度の入院となります。

UAE、FUSともに開腹手術に比べてからだの負担は軽く、FUSは治療の翌日から、UAEは治療後1週間程度で通常の生活に戻れます。いずれも保険適応外のため、治療費は50万円前後となります。

子宮筋腫切らない治療法

日帰り治療が可能なFUS

痛み・副作用がほとんどなく、日帰り治療が可能

FUSは神経がない筋腫だけを超音波ビームで焼く治療法です。熱や痛みを感じることなく治療ができるため、日帰りが可能で、翌日から通常の生活に戻れます。

FUS治療が受けられるかどうかをみるには、MRIの画像で筋腫のできている場所、大きさ、個数、筋腫のタイプ(血流が多い・少ない)などをみて判断します。FUS治療を希望しても、条件が合わないと受けられないこともあります。

ほとんどの筋腫に適応するUAE

UAEは再発が少ない治療法

UAEはほとんどの筋腫で治療可能です。治療法は、足の付け根を5ミリほど切り、カテーテルを挿入し、子宮筋腫へ血流を運ぶ血管だけを一時的に詰めて血流を遮断し、すべての筋腫を壊死。筋腫の芽まで壊死するので再発が非常に少ない治療法といわれています。

また、アモルクリニックのように時間とともに溶けて体内に吸収される塞栓物質を使用している場合は、治療後1日程度で血流は再び元に戻ります。

血流が少ない間は強い月経痛のような痛みが生じますが、痛み止め薬でコントロールすることで、眠れるくらいの痛みに抑えられます。UAE治療後1週間くらいで元の生活に戻れます。壊死した筋腫は時間とともに縮小し、平均すると1年間で3分の1くらいになります。

小さな筋腫は消失し、月経痛や過多月経は次の月経から改善しているケースが大半です。

FUS治療のメリット・デメリット

 

児島孝久医師からのアドバイス

医師プロフィール写真子宮筋腫が見つかったら、まず検査を受けましょう。定期的にチェックをすれば、育つ筋腫か変化のない筋腫かがわかります。自分の筋腫のタイプや症状を知ることにより、年齢、症状を考えた治療を選択することができます。決めるのは患者さん自身です。そのためのアドバイスとサポートが私の仕事です。

<児島孝久医師のプロフィール>1974年熊本大学医学部卒業。虎の門病院内科・外科・産婦人科勤務を経て、オーストラリア・モナーシュ大学IVF研究留学。1994年アモルクリニック開業。

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