女性特有の病気「子宮付属器炎(卵巣炎)」の症状と治療法とは

子宮付属器炎
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石野博嗣先生

監修

医療法人社団 石野医院

副院長: 石野博嗣先生 

【職務経歴】
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

女性に特有の病気はたくさんありますが、“子宮付属器炎”は不妊を引き起こすリスクのある、女性にとって大変問題となる病気です。

子宮に付属している卵巣と卵管とをあわせて子宮付属器といいます。これが炎症を起こした状態が、子宮付属器炎です。

ナプキンやタンポンの長時間使用、性行為、避妊器具、また中絶や出産などを原因として発症します。女性に知っておいて欲しいこの病気を、医師が治療法や予防法も交えて解説します。

子宮付属器炎(卵巣炎・卵管炎)とは?

卵巣炎は言葉の通り、卵巣に炎症が起こった状態です。

卵巣は子どもを産むための卵子を生成、熟成、排卵を行ったり、性ホルモンを分泌したりする大事な生殖器官で、子宮の左右に存在しています。一定の周期でエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、毎月の月経や、女性らしい体作り、妊娠をするために働きかけています。

卵管は、子宮から腹腔内に延びる管状の器官で卵管腔を通して卵子を卵巣から子宮に送っています。その卵管に炎症が起こった状態が卵管炎です。卵管は、子宮腔を通じて外と繋がっているため、性感染症などで比較的安易に炎症が起きやすい場所です。

卵管が炎症を起こす(=卵管炎)ことによって、繋がっている卵巣も炎症を起こす(=卵巣炎)ことが多く、両者をあわせて子宮付属器炎と呼ばれています。

 

身近なところに潜む…子宮付属器炎の起きる原因

具体的な原因は、ナプキンやタンポンの長時間使用、性行為、避妊器具、また中絶や出産などが挙げられます。

ただ、卵巣炎は卵巣単体で炎症が起きることはほとんどありません

というのも先ほどお伝えしたように、卵管は大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌など細菌やウイルス感染によって、炎症が起きやすい部位。ここが炎症を起こすことで、そばにある卵巣にも同時に炎症が起き、卵巣炎になるのです。

まれに卵管が、虫垂炎(盲腸炎)や腎盂炎などに感染すると、子宮付属器炎になることもあります。さらに、大人になっておたふく風邪を発症した場合、卵巣炎を合併することがあります。

 

治ったと思っても要注意!段階別の症状

子宮付属器炎

症状は急性期、亜急性期、慢性期の3つに応じて変わってきます。

急性期

主に下腹部や腹部が張って苦しく感じられ、押されると強い痛みがあります。卵巣の片方に炎症が起きている場合は、片方にだけ痛みが発生します。

それとともに、38度以上の発熱や悪心、嘔吐があります。また、不正出血や黄色い膿のようなおりものの増加を伴うこともあります。

亜急性期

亜急性期となり炎症が治ってくると、1〜2週間でだんだんと熱や痛みも治ります。しかしここで慢性化すると、他の臓器と癒着してしまったり、腫瘍ができたり、日常生活で腹痛、腰痛、排尿痛、倦怠感がおこり、月経痛を認めたりすることがあります。

さらに、他の周辺臓器との癒着によって卵管口が狭くなったりふさがれてしまうと、不妊へと繋がったり、子宮外妊娠を起こしたりすることもあります。

慢性期

慢性期の場合は自覚症状が少ないことが多く、“治ったかな?”と思いがちです。クラミジア感染症の場合は、急性期から悪急性期、そして慢性期といった過程をとることなく、最初から慢性の型をとることも多くあります。

このため自覚症状がほとんどないまま、将来不妊の原因になる可能性もありますし、体の中では着々とダメージを与えていることがありますので、気をつけたいところです。

 

子宮付属器炎の治療法

子宮付属器炎かどうかを確認する際は、婦人科にて下腹部を押す触診、膣に指を入れる内診を行います。

子宮付属器炎

 

診断では白血球数や炎症が起こっているかを確認する血液検査や膣内にエコーを入れて炎症を確認する超音波検査、病巣を確認する内視鏡などを行い、必要に応じてCT、MRIを実施します。おりもので、どの菌に感染しているのか確認を行うこともあります。

薬物療法

痛みや熱がある急性期は絶対安静とし、早めに抗生剤、鎮痛剤、解熱剤、消炎剤を投与します。症状が強くでている場合は入院をすることもあります。

その後も完治するまでは極力安静にし、感染がひどくならないよう、膣を衛生に保ちます。内服だけでは症状が治まらない場合は点滴や注射を投与します。

症状が治まったからといって自己判断で薬物療法を中断してしまうと、慢性化することもありますので、医師・薬剤師の指示に従いましょう。

 

外科療法

慢性化した場合や、癒着がひどい場合、投薬をしても改善しない場合は外科的手術を行います。炎症部分から膿を取り除いたり病巣を摘出したりすることもあります。

卵巣を1つ摘出しても、もう片方が残っていれば、妊娠の可能性が残せます。卵管炎は、妊娠を希望する方は卵管を残して膿を取り出す手術を行うことが多くあります。

 

まとめ

子宮付属器炎

卵巣は妊娠や出産をするための重要な器官であるとともに、炎症の起きやすい場所でもあります。早めに炎症に気づいて適切な処置をすれば、慢性化することも少なく、不妊になるリスクも減らせます。

下腹部痛とともに高熱が出たら、子宮付属器病の可能性もありますので、早めに婦人科へ行くようにするといいですね。

日常生活の中でできる予防法としては、雑菌が繁殖しやすい月経中はこまめに生理用品を交換する、携帯用ビデを使う、性病予防をするなど、炎症を防ぐようこころがけることです。また、妊娠を考えている女性はもちろんですが、定期的に病院で検査をすると安心です。

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