胃腸にできるポリープとは?医師が教える病気の症状と治療法

胃腸のポリープ
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監修:簡野晃次医師

1.胃腸のポリープについて知っておこう

ポリープとは?

健康診断などで「胃(または腸)にポリープがある」と指摘されたことはありませんか?
ポリープとは、皮膚や、粘膜を覆う上皮細胞の一部が異常に増殖してできる腫れ物のこと。こぶ状のものやキノコ状のものがあり、大きさは米粒ぐらいのものから直径3cmを超えるものまでさまざまです。

ポリープは声帯などにできることもありますが、最も多くみられるのは胃や腸などの消化管です。胃ポリープは30歳以上、大腸ポリープは40歳以上の人にできやすく、どちらも小さいものは自覚症状がほとんどなく、健診などをきっかけに見つかることが多いようです。

自覚症状がなくても、5mm以上の大きさの大腸ポリープや胃ポリープの一部はがんになる恐れがあるので、詳しい検査や治療をしないで放置しておくのは危険です。

胃ポリープ

胃痛

胃の粘膜の表面にできるポリープを胃ポリープといい、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープなどいくつかの種類があります。胃のポリープの大半は良性の過形成性ポリープで、がん化することはほとんどありません。しかし中には、一見ポリープと判別が難しい早期がんもあるので注意が必要です。

胃にポリープができる原因はよくわかっていませんが、粘膜が炎症を起こしてびらん(ただれ)などができると、それを修復しようとして細胞増殖が過剰になってしまうのではないかと考えられています。

ポリープができても自覚症状はほとんどありませんが、慢性胃炎を伴っていると、むかつきや食欲不振などの症状が出ることがあります。

大腸ポリープ

大腸の粘膜の表面にできるものを大腸ポリープといい、多くは直腸とS状結腸に発生します。過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープ、過形成性ポリープなど良性のものもありますが、大腸ポリープの約8割は、腺腫というがん化する危険性があるものです。

大腸ポリープができる原因もはっきりわかっていませんが、食生活の欧米化で動物性脂肪の摂取量が増えたことや、食物繊維の摂取が少ないことが一因ではないかといわれています。

大腸ポリープも、小さいものはほとんど自覚症状がありませんが、大きくなってくると、便に血が混じったり、腹痛や下痢を起こしたりすることがあります。

年に一度は健康診断を受けよう

ポリープもほかの病気と同様、早期発見、早期治療が大切です。そのため30歳以上の人は、年に一度は健康診断を受けて胃腸の検査をした方がいいでしょう。

胃ポリープは胃のX線検査や内視鏡で診断できます。また、健康診断で便潜血反応検査の結果が陽性なら、大腸ポリープや大腸がんが疑われるので、消化器科か大腸肛門病センターを受診して注腸造影検査などの精密検査を行う必要があります。

健康診断は病院や診療所、健診センター、自治体の保健センターなどで受けられます。働いている人の場合、原則として事業主が費用の一部を負担することになっていますが、事業主が指定するもの以外の健康診断を受ける際は、自己負担になることもあります。

自営業者や退職者などの場合は、一定の年齢以上になると、在住している自治体からの補助により安い費用で健診を受けられます。

2.胃腸のポリープの治療法・予防法

ポリープと診断されたら?

検査の結果ポリープと診断されたら、次のような治療を行います。

胃ポリープ

小さいポリープは、半年か1年に一度検査をして経過観察しても心配ないといわれています。しかし、過形成性ポリープや2cm以上の大きさの腺腫、がんとの識別がはっきりしないポリープは内視鏡で切除します。

大腸ポリープ

良性のごく小さなポリープの場合、半年か1年に一度の頻度で検査をし、経過を観察しますが、基本的に5mm以上のポリープは内視鏡で切除します。

内視鏡治療とは

内視鏡治療は、スネア・ポリペクトミーという方法がもっとも一般的です。これは、キノコ状やそれに近い形のポリープの茎の部分に、内視鏡の管を通して先端から出したループ状のワイヤーを引っかけ、高周波電流を流して焼き切る方法です。

茎のないタイプのポリープは、まず病巣の下の部分に生理食塩水を注入して隆起させ、ワイヤーを引っかけて焼き切ります。

ポリープを予防する日常のポイント

胃と腸のポリープに共通する予防のポイントは以下の通りです。

●1日3食、できるだけ決まった時間に食べる。?
●動物性脂肪や油分を摂りすぎないようにし、野菜など食物繊維が多く含まれたものをしっかり食べる。
●喫煙を控える。
●適度な運動をする。

加えて、胃ポリープを予防するためには、香辛料やアルコールなど胃を刺激するようなものを摂りすぎないことや、心身のストレスを溜めないようにすることも大事です。また、大腸ポリープを予防するには、腸内環境を整えるビフィズス菌や乳酸菌を摂ることと、きちんとした排便習慣をつけることを心がけましょう。

ポリープを予防する日常生活のポイント

ポリープが100個以上できる!

大腸や小腸、胃などにポリープが100個以上できる消化管ポリポーシスという病気があり、通常のポリープとは区別されています。消化管ポリポーシスは遺伝性の病気で、放っておくと高い確率でがんになります。

家族にこの病気の人がいる場合は、20代のうちから定期健診を欠かさないようにしましょう。

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