医師が解説するパニック障害!病気の原因と治療の方法について

パニック障害
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監修:簡野晃次医師

パニック障害ってどんな病気?

パニック障害とは?

パニック障害の症状

パニック障害とは、電車に乗ったり、人が多い場所に出かけたり、仕事の締め切りが近づいたりすると、心臓がドキドキする、息切れがする、めまいがする、冷や汗が出る、手足が震える、不安でたまらなくなる、胸やおなかが痛む、吐き気がする、などの症状が突然あらわれる病気です。

パニック障害の発作は激しく、発作が起こると動けなくなってしまったり、呼吸ができなくなってしまったりする人が多く、このまま死んでしまうのではないかという恐怖感に襲われるほどです。しかし、通常30分もすれば発作がおさまります。

パニック障害が悪化すると、予期不安や広場恐怖症に

パニック障害の症状推移

このような発作は、最初のうちは1ヵ月1、2回ぐらい起こりますが、病気が進行すると発作の回数が増え、週に1回程度になってきます。そうなると、「また発作が起こりそうだ」「またあのひどい発作が起きたらどうしよう」と不安に思うようになります。これを「予期不安」といいます。

予期不安が続くうち、次第に「電車に乗る」「デパートに行く」などパニック発作が起きた時と同じシチュエーションになると、本当にパニック発作を起こすようになります。そして、予期不安が強くなってくると、「広場恐怖」まで発展してしまいます。

広場恐怖とは、パニック発作が起こりそうな場所、発作が起こっても助けが得られない、あるいは逃げ場がないような場所に行くことに恐怖感を持ち、そのような場所へ行くことを恐れるようになることです。

広場恐怖の対象となりやすい場所は、電車やバス、飛行機などの中、人込み、デパートや映画館などです。また、家の中や外で1人でいる時に広場恐怖に見舞われ、いつも誰かと一緒にいたがる人もいます。

病気が進行するにつれて、広場恐怖がひどくなっていき、最初のうちは必要があれば外出できていた人も、家にひきこもりがちになったり、1人では一歩も家の外に出ることができなくなったりします。

パニック障害の原因は?

なぜパニック障害が起きるのかというと、危険を感じるとセンサーを鳴らす働きがある脳の中の神経伝達物質、セロトニンやノルアドレナリンがうまく働かなくなってしまい、特に危険がないのに警報が出て、それに付随してさまざまな症状が起こる、という説が有力です。

また、ノルアドレナリン系の誤作動は、恐怖などの感情をコントロールする大脳辺縁系にも影響を及ぼすため、予期不安が生じるのではないかといわれています。

きちんと治療しないと、うつ病になる可能性も

パニック障害ははやめに精神科医や心療内科医の診察を受け、きちんと治療すれば治る病気です。しかし、治療しないで放置しておくと、重症化したり、うつ病を併発したりすることもあります。思い当たる症状があったら、早めに病院へ行くことが大切です。

早めに治療を受けよう

基本は薬物治療

パニック障害の治療法としては、薬物療法、行動療法、自律訓練法などがあり、症状の程度にあわせて治療法が選択されます。

まず、パニック発作を抑えることが治療目標になりますが、その他に薬物療法を行います。パニック障害では、セロトニン系に作用するSSRIという薬が大変有効で、以前使われていたベンゾジアゼピン系抗不安薬や三環系抗うつ薬に比べて副作用も少ないようです。

また、パニック発作が起きかけたときに飲む精神安定剤が処方されることもあります。

認知療法・行動療法

パニック障害では、単に薬で発作を抑えるだけでなく、心理療法が大切です。「認知療法」によって、 自分がパニック障害であること、パニック障害のメカニズムや経過、治療法を理解し、パニック発作が起きたときに、冷静に状況を判断したり、あわてずに自分の感情をコントロールしたりできるようにします。

また、薬の服用によって発作が抑えられることを患者さん自身が認識できるようになれば、「パニック発作が起きるかもしれない」と今まで出かけるのを避けていた場所に少しずつ出かけられるようになります。これは「行動療法」の一種で「暴露療法」といいます。

パニック障害の暴露療法

最初は、家族や友人に付き添ってもらって近所のコンビニへ行く、次のステップでは、他の人と一緒に電車に乗る、だんだん慣れてきたら、自分1人で一区間だけ電車に乗ってみる、という風に少しずつ慣らして、不安や恐怖感を取り除いていくのです。

日常生活の注意

そのほか、規則正しい生活をして体や心の疲れをためないようにすることや、不安発作が起きやすくなるカフェイン入りの飲み物を飲みすぎないようにすることも大事です。

あせらずゆっくり治療を

このような治療を続け、最終的に薬を服用しなくてもパニック発作が出なくなり、予期不安や広場恐怖を克服するためには、症状の度合いによりますが数年かかることもあります。そのため、途中で治療を中断しないで主治医や家族と協力しながら、あせらずに治療を続けましょう。

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