輸血や注射針の使い回しが原因!C型肝炎とは?感染に気付かない人も

C型肝炎 原因
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岡村 長門

監修

岡村クリニック

院長: 岡村 長門 先生

【職務経歴】
戸田中央総合病院
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック

日本のC型肝炎患者の多くは、昭和63年以前に行われた注射針の使い回しや、輸血によって感染したと考えられています。

「沈黙の臓器」とも呼ばれる肝臓は、肝炎になっても痛みを感じず、気付かないうちに重症化してしまうこともあります。こちらの記事では、C型肝炎の原因や危険性について解説します。

C型肝炎とは

1.C型肝炎ってどんな病気?

肝炎は、肝臓の細胞に炎症が起き、肝細胞が壊される病気です。C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症します。

感染者の3割は自然に治る

C型肝炎ウイルスは、血液を通って肝臓に浸入し、急激に増殖するため、リンパ球などの免疫にかんする細胞が肝臓で炎症を起こします。

約3割の患者では、C型肝炎ウイルスは免疫システムに排除され、自然に治ります。

感染者の7割は慢性化

しかしC型肝炎ウイルスの遺伝子は変異しやすく、ヒトの免疫システムをすり抜けることも多々あります。

こうして約7割の患者で、ウイルスの持続感染(慢性化)がみられます。慢性化すると、20年~30年後に『肝臓がん』へ移行したり、『肝硬変』になったりすることがあります。

それ自体はあまり重症化しない、まれに劇症肝炎に

一方で、C型急性肝炎自体が重症化することは少ないです。非常にまれに、高度の肝機能不全で生存率30%の「劇症肝炎」へ進行することがあります。

この「劇症肝炎」とは、肝臓の細胞が短期間で壊され、高度の肝機能障害となり、生存率は30%の高頻度に死に至る病気です。

初発症状出現後8週以内に昏睡II度以上の肝性脳症をきたし、プロトロンビン時間が40%以下に低下する肝炎」と定義されています。

2.放置した場合の危険性

治療をしないと肝硬変や肝臓がんへ移行することも

先に説明したように、C型慢性肝炎にかかっても、3割の人は自然と免疫システムが肝炎を取り除いてくれます。しかし、残りの7割の人は、徐々に病気が進行していきます。

治療をしなければ、感染から10~30年で3~4割が肝硬変になり、さらには肝臓がんへも移行するといわれています。

肝硬変とは

肝硬変は、名前のとおり肝臓が硬くなった状態です。

肝臓に長いあいだ炎症が起きて細胞が壊れ、それを埋めようとして増加した線維状の組織が肝臓を硬くしてしまいます。

肝硬変になると、肝臓がんにかかりやすくなるだけでなく、その他の命にかかわる合併症も起こりやすくなります。

肝硬変が起こす合併症

食道静脈瘤(じょうみゃくりゅう)の破裂や肝性脳症など、命にかかわる重大な合併症が起こりやすくなります。

食道静脈瘤

血管にこぶができる病気です。進行するとこぶが破裂し、吐血や便に血が混じるなどの症状があらわれます。

肝性脳症

本来であれば肝臓で処理されるアンモニアが、脳にたまる病気です。病気が進行すると、異常行動を起こす、昏睡状態になるなど生命に危険の及ぶ病気です。

3.C型肝炎の症状

ほとんど自覚症状はない

慢性肝炎の段階では、ほとんどの場合、自覚症状がありません。症状がある場合でも、何となく体がだるい、疲れやすい、食欲がないなどの軽いものであるため、見過ごされがちです。

さらに、肝炎の次段階である肝硬変や肝臓がんに移行しても、自覚症状のない患者さんも大勢いらっしゃいます。

肝硬変へ移行したときの症状

慢性肝炎が肝硬変まで進行すると、次のような症状が身体にあらわれます。

手のひらが赤くなる(手掌紅斑)
からだが黄色くなる(黄疸)
手足がむくむ
お腹に水がたまり、膨らんでくる(腹水貯留)
鼻血が出やすくなる
出血が止まりにくくなる

肝臓がんへ移行したときの症状

肝臓がんに移行しても、初期であればほとんど自覚症状はありません。

しかし、同時に肝硬変にもかかっているケースが多く、先に解説した肝硬変の症状がみられます。さらに肝臓がんが進行すると、腹痛や発熱などの症状がみられます。

4.国民の100人に3人が感染している!

100人中の3人

C型慢性肝炎の患者は、150万~200万人

日本のC型慢性肝炎の患者は、150万~200万人と推測されています(症状はないが感染している人を含む)。

実に国民の100人に3人が、C型肝炎に感染しているということです。

自分が感染していることに気付いていない人も

この中で、医療機関において何らかの治療を受けている人は50万人といわれています。

残りの100万~150万人は、自分がC型肝炎ウイルスに感染していることに気がついていない可能性もあります。

C型肝炎に感染する原因

血液感染

1.血液を介して感染

C型肝炎のウイルスは、血液を介してうつります。つまり、HCVに感染している人の血液が、他の人の血液の中に入ることで感染します。つまり、握手や食器、浴室の共用などでうつる心配はありません。

2.昭和63年以前の、輸血や注射針の使い回し

C型肝炎にかかる人は40代以上に多いです。

というのも、C型肝炎ウイルスが発見された、昭和63年より前に行った輸血や注射針の使い回しが背景にあると考えられています。

日本の感染者の多くは、これが原因でC型肝炎ウイルスに感染したと考えられています。平成21年からは、肝炎対策基本法という法律も制定され、輸血などが原因で新たに感染することはほとんどありません。

3.その他の原因

その他で感染が考えられるのは次のような場合です。

出血をともなう民間療法

長期間にわたって血液透析を受けている

C型肝炎に感染している人と同じカミソリや歯ブラシを使った

C型肝炎に感染している人が使用した器具をきちんと消毒せずに、入れ墨やピアスの穴あけを行った

覚せい剤等の注射の回し打ち

また、次の場合感染する可能性はかなり低いですが、ゼロではありません。

C型肝炎に感染している人との性交渉

C型肝炎に感染した母親から生まれた子ども

感染に心当たりがある場合の対処法

心当たりは医療機関へ

1. まずは近くの医療機関へ

ほとんどの病院や診療所で、C型肝炎の検査を受けることができます。まずは近くの医療機関を受診し、感染の可能性があることを相談しましょう。

2.血液検査を受ける

C型肝炎の診断は、血液検査で行います。

血液検査でC型肝炎ウイルスの抗体を調べ、感染しているかどうかを判定します。また、肝臓の細胞が壊れたときに血液中に放出される酵素である、ALT(GPT)やAST(GOT)なども調べて肝臓の状態を確認します。

3.検査結果が出たら、医師の指示にしたがいましょう

検査で陽性となったら、担当医の指示に従ってください。継続して診療を受けることもあります。その病院での治療が難しければ、適切な医療機関を紹介してもらいましょう。

まとめ

初期のC型肝炎の症状は見過ごしてしまいがちです。

症状や原因に思い当たるものがある、しばらく健康診断を受けていない、というかたは、近くの医療機関を受診してください。

C型肝炎は薬の進歩により、治療やコントロールが可能な病気になりつつあります。また早期に治療を始めることで、肝硬変や肝臓がんへの進行を防ぐことにもつながります。何か不安なことがあれば、医療機関で一度血液検査を受けると安心ですね。

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