花粉症を軽減するには?医師が解説する、治療法と自分でできる対策

花粉症
  • LINEで送る

監修

銀座エルクリニック

院長: 簡野晃次先生 先生

昭和63年3月  日本医科大学卒業
昭和63年6月  日本医科大学付属病院形成外科入局
平成7年6月   西新井皮膚科形成外科院長就任
平成18年10月  医療法人社団友輝会エルクリニック理事長
平成23年5月  新宿、銀座エルクリニック兼務

花粉症のメカニズム

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが主な症状

毎年春先になると、花粉症に悩まされる人が大勢います。日本ではここ20年ほどの間に花粉症の人が増加しており、その数は日本人口の20%弱、1500万人前後にも上るといわれています。

花粉症になると、くしゃみや鼻水が出たり鼻がつまったり目がかゆい涙が出る目がゴロゴロする、などの症状が現われます。いつも目や鼻がグシュグシュしているので集中力が低下したり、体がなんとなくだるかったりして、「花粉症のシーズンになるとユウウツだ」という人も多いようです。

そのほか、のどや皮膚のかゆみ頭痛微熱が出る、などの症状がみられることもあります。

花粉症はアレルギー反応の一種

ではいったい、このような症状はどうして起こるのでしょうか?
花粉症は、スギなどの植物の花粉が風にのって飛散し、目や鼻の粘膜にくっつくことによって起こるアレルギー性の病気です。

1 花粉(抗原)が体内に侵入
2 花粉を排除しようとIgE抗体が生まれる
3 花粉(抗原)が再び入って来る…
4 IgE抗体が抗原に反応して症状が起きる

花粉が目や鼻の粘膜に付着して、花粉に含まれているたんぱく質が溶け出すと、体内に侵入した異物(抗原と呼びます)を排除しようと免疫細胞のマクロファージが動き出し、リンパ球に情報が伝えられます。

すると、リンパ球は花粉という抗原に反応する物質、IgE抗体を作り出します。IgE抗体は血流にのって体全体に行き渡りますが、特に鼻の粘膜にある肥満細胞の表面に付着し、再び花粉が体内に侵入するとすぐに反応し、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなど刺激物質を放出します。

それによって神経や分泌線などを刺激され、くしゃみや鼻水などをすることによって、花粉を体外へ排除しようとするのです。

花粉症を起こす花粉にはどんな種類があるの?

花粉症の原因となる花粉は、日本では約50種あります。もっとも多いのはスギ花粉による花粉症ですが、春頃のヒノキやシラカバをはじめ、初夏から夏にかけてはカモガヤなどのイネ科の植物、秋はブタクサ、ヨモギなど、夏や秋にも花粉症を起こす人がいます。

また、リンゴやモモなどの果樹栽培に従事する人が花粉症を発病することもあります。

花粉症かな?と思ったら…

花粉症かどうか、まず検査

花粉症を改善するには、まずきちんと病院で診てもらいましょう。花粉症の症状は風邪とまぎらわしいものもありますから、風邪や他のアレルギーではなく花粉症かどうか、花粉症なら何の花粉による花粉症なのか、症状の程度、などを調べてもらうことによって治療の方法が決まるからです。

花粉症の主な検査

花粉症の場合、一般的には耳鼻咽喉科かアレルギーの専門医を受診します。

最初に問診を受けて、具体的な症状や始まった時期、症状の程度、他の病気の有無、本人や家族にぜんそくやアレルギーがあるかどうか、などを聞かれるので、病院へ行く前に必要なことをあらかじめメモしておくとよいでしょう。

検査には、鼻の穴の粘膜を診る検査や、鼻汁を綿棒で採取して顕微鏡で調べる鼻汁検査などのほか、皮膚反応検査やRAST(ラスト)法、鼻粘膜誘発テストなどがあります。

皮膚反応検査

皮膚反応検査とは、アレルギーの原因と考えられるスギ花粉などの抗原を皮膚に少量つけて、反応を見るテストです。15分ほど経って皮膚が大きく赤く腫れれば、それが抗原と考えられます。

RAST(ラスト)法

RAST(ラスト)法は、花粉症の原因となる抗原に対抗するIgE抗体の量を測る検査です。血液をわずか5ml採取するだけで、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ハウスダスト、カビなど10種類以上の抗体について調べることができます。

鼻粘膜誘発テスト

皮膚反応テストやRAST(ラスト)法で抗体の存在がわかっても、抗体の量や肥満細胞が少ない場合は花粉症を発病しないこともあります。そこで、より正確な診断を下すために行われるのが鼻粘膜誘発テストです。

これは、抗原を鼻の粘膜につけて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの反応が出るかどうか調べるものですが、花粉ではブタクサやスギ花粉など、いろいろな花粉のエキスを用いて調べることができます。

コラム ~花粉症が増えたワケ~

花粉症の人が増えた原因は、第2次大戦後に大量にスギが植林されてスギ花粉の飛散量が増えたことや、排気ガスなど大気汚染の影響、住宅の気密化、食生活が欧米化して高たんぱく高脂肪の食事になってきたこと、不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどで免疫力が低下してきたことだと考えられています。

花粉症治療最前線

シーズン前から薬を飲むことで症状が軽くなる

花粉症の治療の基本は薬物療法。花粉症のシーズンに入って、症状がひどくなってから病院へ行き、薬を飲み始める人が多いようです。しかし実は、花粉が飛び始める前に医療機関を受診し、シーズンの1~2週間ほど前から自分にあった薬を飲むようにすると、症状を軽減させることができるのです。

これを初期治療といい、主に次のような薬が使われます。

抗アレルギー剤

肥満細胞から刺激物質のロイコトリエンやヒスタミンなどが放出されるのを防ぐ薬で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効果があり、点鼻薬と点眼薬のほか、飲み薬もあります。副作用はほとんどありませんが、飲み始めてから薬の効果が現われるまで約2週間かかります。

抗ヒスタミン剤

肥満細胞から放出されたヒスタミンの刺激を抑える薬です。即効的な効果はありますが、効き目が持続する時間が短く、くしゃみや鼻水には有効ですが、鼻詰まりにはあまり効果がありません。

最近では、眠気やのどの渇きなどの副作用を改善した新しいタイプの抗ヒスタミン剤も出ており、鼻づまりにも効果がありますが、薬が効き始めるまでに1~2日かかります。

抗ロイコトリエン薬

ロイコトリエンは鼻の粘膜の血管に作用して鼻の粘膜に炎症を起こさせ、鼻詰まりを引き起こす働きがあります。抗ロイコトリエン薬はそれを防ぎ、鼻づまりや鼻水、くしゃみに効果があり、効果が現われるまで1週間ほどかかります。

重症の場合は局所ステロイド剤を

局所ステロイド剤

花粉が飛び始める前に初期治療を受けなかったり、初期治療を行っても、花粉が飛び始めると症状が重くなってしまったりしときは、鼻の粘膜に局所ステロイド剤をスプレーしてくしゃみや鼻水などの軽減を図ります。

また、毎年重い症状が出る場合は、花粉症の兆候がみられたらすぐ、抗ヒスタミン剤と抗ロイコトリエン薬、局所ステロイド剤など複数の薬を併用することもよくあります。

減感作療法や手術、レーザー治療もある

減感作療法

薬物療法以外の治療法としては、減感作療法や手術、レーザー治療などがあります。

減感作療法とは、花粉症を引き起こす原因となる花粉(抗原)のエキスを少量ずつ、定期的に皮下注射することによって、抗原に体を慣れさせ、花粉症を起こしにくい体質に変えていく、というものです。約60~70%の人に治療効果がみられ、治療を2年以上続けるとほとんど完治すると言われています。

また、鼻づまりがひどい場合は、下鼻甲介(かびこうかい)という鼻の粘膜を切除する手術などを行うこともあります。

レーザー治療は、鼻の粘膜にレーザーを照射して症状を軽減させる方法で、日帰りで手術ができます。いずれも、粘膜は数ヵ月~2年で再生するので長期的な効果は期待できません。

自分でできる花粉症対策

花粉の飛散量の多い日や時間帯は外出を控える

花粉症にならないようにするには、花粉が目や鼻、のどの粘膜に付着しないように予防することが最良の方法です。風が強い日はもちろん、よく晴れて気温が高い日は花粉がたくさん飛ぶので、できれば外出を控えましょう。雨の翌日の晴れた日も要注意です。

雨によって地面に落とされた花粉が、天気が晴れたことによって乾燥して再び舞い上がり、スギ林から飛んでくる花粉も加わって花粉が飛ぶ量が多くなるからです。

また、1日のうち花粉の飛散量が最大になるのは、スギ林の近くでは午前中、スギ林から離れた都市部ではお昼過ぎ~15時頃といわれています。そのため、なるべくこの時間帯を避けて外出するとよいでしょう。

外出する際はマスク・メガネ・帽子を身につける

マスク・メガネ・帽子

外出しなければならないときは、マスクやメガネ、帽子で花粉から身を守りましょう。マスクは花粉予防用のマスクでなくても、ガーゼのマスクの内側に水で湿らせたガーゼを入れて使用すると、花粉の90%以上をシャットアウトできるといわれています。

メガネは普通のメガネでもかまいませんが、サイドにプロテクターが付いた花粉症専用のメガネも効果的です。また、コンタクトレンズは目とレンズとの間に花粉が入り込んで目のかゆみなどがひどくなることがありますので、普段コンタクトレンズをつけている人も花粉のシーズン中はメガネをかけた方がよいでしょう。

花粉を室内に持ち込まない工夫を

外出から帰ったら、まずドアの前で衣類についた花粉を払い落としてから室内に入ります。そして、すぐに手や目、顔を洗い、うがいをして花粉を洗い流しましょう。

家の中では、花粉の飛散量の多い日は窓を締め切り、花粉のシーズン中は布団や洗濯物を戸外に干すのも控えた方がよいでしょう。掃除は、掃除機をかけたあとに、ぬれた雑巾で丁寧に拭き掃除をします。室内が乾燥していると花粉が空気中を浮遊しやすくなるので、湿度を60%以上に保つよう注意しましょう。

また、空気清浄機を使って花粉を除去するのも1つの方法です。

アルコールやタバコを控え、食事や睡眠に注意しよう

アルコールは鼻の粘膜の血管を拡張させる働きがあるので、アルコールを飲むと血流が悪くなり、鼻づまりがひどくなってしまいます。また、タバコは鼻やのどの粘膜を刺激して症状を悪化させるので、アルコールやタバコは控えた方がよいでしょう。

また、肉類など動物性のたんぱく質や脂肪に偏った食生活の人や、睡眠不足の人、ストレスが多い人は花粉症を発病しやすくなります。そのため、野菜やきのこ類、海藻類なども取り入れた栄養バランスのよい食事をしましょう。花粉症を軽減させるには乳酸菌や甜茶などがよいといわれており、個人差がありますが、試してみるのもよいでしょう。

さらに、生活のリズムを規則正しくして睡眠をしっかりとり、心身のストレスをためないようにすることも大切です。

関連記事

  • LINEで送る

花粉症の通院にはネット受付を利用しよう

ネット受付・予約もできる

病院検索サイト

EPARK
  • お探しのエリアで病院を かんたん検索♪
  • 24時間ネット予約ができる病院を探せる!
  • 病院の特徴が一目でわかる情報を多数掲載!

クリニック・病院を検索する