胃炎・胃潰瘍の症状と原因を解説!自分でできる改善法もご紹介

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監修

銀座エルクリニック

院長: 簡野 晃次 先生

昭和63年3月  日本医科大学卒業
昭和63年6月  日本医科大学付属病院形成外科入局
平成7年6月   西新井皮膚科形成外科院長就任
平成18年10月  医療法人社団友輝会エルクリニック理事長
平成23年5月  新宿、銀座エルクリニック兼務

胃が痛んだり、もたれたりしませんか?

今回は、簡野先生に「胃炎・胃潰瘍の症状・原因や治療法・予防」を解説していただきます。

■□目次□■

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胃のしくみと働き

胃炎・胃潰瘍の症状
1.胃炎・胃潰瘍かも!空腹時の痛みと主な症状

胃炎・胃潰瘍の原因とピロリ菌との関係
1.胃炎の原因
2.胃潰瘍の原因はストレスだけではない
3.胃潰瘍の重症化に注意!死に至ることもある腹膜炎

胃炎や潰瘍の検査と治療
1.胃炎・胃潰瘍の検査
2.急性胃炎の治療法
3.慢性胃炎の治療法
4.胃潰瘍の治療法

胃炎・胃潰瘍の予防と改善
1.胃炎や胃潰瘍を予防・改善するための7つのポイント

胃のしくみと働き

胃 働き

胃がもたれる、胃が痛む、食欲がない、など胃にまつわる症状を訴える人は多いようです。

では、なぜこのような症状が起きるのでしょうか?まずは胃のしくみや働きについて理解しておきましょう。

胃は食道から送り込まれた食べ物を消化し、十二指腸へ送り込む働きをしています。胃壁は粘膜や筋肉という組織でできており、粘膜は胃液と粘液を分泌しています。この胃液は食べ物を消化する役目を果たしている一方で、胃壁を溶かしてしまいかねないほど酸性度が高いのです。

ですから、アルカリ性の粘液が胃壁を覆って中和することで、胃が健康的な状態に保たれています。

胃炎・胃潰瘍の症状

1.胃炎・胃潰瘍かも!空腹時の痛みと主な症状

胃炎の症状

胃炎には急性胃炎慢性胃炎があります。急性胃炎の場合、胃が重くなったり、みぞおちが痛くなったりし、食欲不振、吐き気などの症状が現れます。重症の場合は、吐血下血を起こすこともあります。

急性胃炎ほど強い症状はないけれど、胃のもたれや痛み、胸焼け、げっぷなどの症状が続く時は慢性胃炎と診断されます。

胃潰瘍の症状

胃炎がさらに悪化し胃潰瘍になると、空腹時にみぞおちの付近が痛むことが多いようです。胸焼け、げっぷ、吐き気、嘔吐、おなかの張りなどの症状も現れ、ひどくなると吐血下血がみられます。

胃潰瘍で出血を起こす割合は20~30%といわれていますが、出血量が多いと血圧が低下し、意識がなくなったり、臓器不全を起こしたりすることがありますので、注意しましょう。

胃炎・胃潰瘍の症状

胃炎・胃潰瘍の原因とピロリ菌との関係

1.胃炎の原因

急性胃炎の原因は暴飲暴食やアルコールの摂取、ストレス

胃は大変デリケートな臓器で、暴飲暴食病原菌がついた飲食物の摂取サバ卵などによるアレルギーアルコール香辛料などの刺激の強い飲食物の摂取、ストレスなどが原因で胃液の分泌量が増えると、胃の粘膜に傷がついてしまい、急性胃炎が起こるのです。

慢性胃炎の原因はヘリコバクター・ピロリ菌

胃炎 胃潰瘍 ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌に子供の頃感染したことが原因ではないかといわれており、長い時間をかけてゆっくりと進行します。また、慢性胃炎の一種である萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)は、加齢とともに胃の粘膜が萎縮して薄くなってきたことが原因です。

2.胃潰瘍の原因はストレスだけではない

胃潰瘍は、胃酸など胃壁を攻撃する因子と、胃の粘膜を守る防御因子とのバランスが崩れた時にできるといわれています。

胃の粘膜は再生能力が高いため、適切な治療をおこなえば胃潰瘍は数日から数ヵ月で治りますが、ピロリ菌に感染している場合、再発を繰り返すことがよくあります。その場合、ピロリ菌の「除菌治療」を行います。

3.胃潰瘍の重症化に注意!死に至ることもある腹膜炎

潰瘍があるのに暴飲暴食をすると、胃壁に穴があいて穿孔性潰瘍(せんこうせいかいよう)が起こる恐れがあります。そうなると胃の中の飲食物が穴から※腹腔内へ流れ出し、20時間以上放置すると腹膜炎を起こして死に至る危険性があります。

穿孔性潰瘍になった場合、激しい腹痛が起こり、時間の経過とともに痛みがひどくなってショック状態に陥りますので、すぐに病院へ行って処置をしてもらいましょう。

※腹腔・・・臓器を包み込むように覆っている半透明の膜(腹膜)の内側

胃炎や潰瘍の検査と治療

1.胃炎・胃潰瘍の検査

胃炎や胃潰瘍かどうか調べるには、主に次のような検査があります。

上部消化管X線検査
食道から十二指腸まで調べる
上部消化管内視鏡検査
胃の粘膜の状態を観察する
便、吐物検査
病原菌の有無や出血しているかどうかを調べる
胃液検査
胃の機能を調べる

2.急性胃炎の治療法

自分でできることから!食事の改善

急性胃炎

急性胃炎の治療で効果的なのは食事療法です。病原菌のついた飲食物やアレルギーを起こす食べ物の摂取が原因の場合は、まずそれらの飲食物を吐き出させます。

その後丸1日ほど絶食し、みぞおちの痛みなどの症状がある間は白湯や果汁、スポーツ飲料などの水分だけを摂取します。だんだん症状がおさまってきたら、野菜スープやおかゆなどの半流動食を食べましょう。そうすれば、特に薬を服用しなくても回復します。

3.慢性胃炎の治療法

胃液の分泌量に応じた薬物療法と食事の改善

慢性胃炎

慢性胃炎の治療法は、胃液の分泌量の多い少ないや、胃液が無酸になっているかどうかで異なります。胃液の分泌が多い場合は、胃液の分泌と胃の炎症を抑えるため、煮込みうどんなど消化のよい炭水化物や、魚、鶏肉など脂肪の少ないたんぱく質などを摂り、生野菜や甘いお菓子、香辛料、アルコール、タバコを控えます。

また、制酸剤や胃液の分泌を抑える自律神経遮断剤などを服用します。一方、胃液の分泌が少ない場合は、胃の働きを活発にするために食事ごとの摂取量を減らし、豆腐や白身魚など栄養価が高くて消化のよいものを食べるようにします。

無酸の場合は、胃液の殺菌能力が低下しているので生ものを控え、塩酸を補うための薬剤を服用します。

4.胃潰瘍の治療法

食事療法薬物療法による治療が中心で、規則正しい生活と、休養と睡眠を十分取って心身のストレスを解消することが大切です。穿孔性潰瘍や、大量に出血した場合は、内視鏡手術を行って患部に止血剤を塗ることですむ場合もありますが、胃を切除したり穴をふさぐ開腹手術が必要なことがほとんどです。

潰瘍の再発を繰り返すため、ピロリ菌を除菌する場合は、3種類の薬剤を1週間服用し、一定期間後、除菌できたかどうかを検査します。除菌率は約90%といわれています。

胃潰瘍

胃炎・胃潰瘍の予防と改善

1.胃炎や胃潰瘍を予防・改善するための7つのポイント

胃炎 胃潰瘍

1日3食きちんと食べ、朝食を抜かない

朝食を抜いて空腹の状態だと、ストレスがたまって胃酸の分泌量が増え、胃炎や胃潰瘍を招きやすくなります。

香辛料やコーヒー、アルコール、など刺激が強い飲食物は控えめに

刺激の強い飲み物や食べ物は、胃液の分泌量を増やし、胃の粘膜を傷つけやすくします。

塩分の多い食事や、脂っこい料理を摂り過ぎない

塩分の多い食事を好む人ほど、ピロリ菌の感染率が高いという説があり、高血圧や脳出血などを防ぐ意味でも塩分は控えめに。また、脂っこい食事は消化しづらく、胃に負担をかけてしまいます。

暴飲暴食を慎む

食べ過ぎ飲みすぎは、胃液の分泌過多を招きます。腹八分目にして、よく噛んで食べることを心がけましょう。

禁煙しよう

タバコに含まれているタールは胃への刺激が強く、タバコの吸いすぎは食欲不振につながります。

ストレスをためない

心身のストレスは、急性胃炎や胃潰瘍の大敵。十分な休養とストレス解消を。

薬の服用に注意

ある種の鎮痛剤、解熱剤などで胃の調子が悪くなった場合は、医師に相談してください。その薬を服用する時は、医師の指示に従って、医師に処方してもらった胃薬を一緒に飲むようにしましょう。

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