子宮内膜症の治療法を解説!治療薬と副作用、手術方法

子宮内膜症 治療
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石野博嗣先生

監修

医療法人社団 石野医院

副院長: 石野博嗣先生 

【職務経歴】
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

子宮内膜症は20~50代前半女性(閉経前まで)の約10%に認められ、閉経後は症状が軽くなるのが特徴です。

月経痛や月経時以外の下腹痛、腰痛、性交痛および排便痛などの痛みが主な症状で、子宮内膜症が卵巣に発生すると『卵巣チョコレート嚢胞』といわれる腫瘍をつくり、一部は腫瘍が癌化します。また、子宮内膜症の約50%に不妊症を合併すると言われています。

ただ、これらの病気があっても、まったく症状のない人もいます。治療は、『どのような症状で困っている』のか、『どんな治療を望んでいるのか』に応じて一人ひとりの治療方針が異なってきます

子宮内膜症の治療の選び方について

子宮内膜症の治療の選び方

子宮内膜症の治療は、大きく分けて薬で治す『薬物療法』と、お腹を切って行う『手術療法』があります。症状や年齢、子宮内膜症のステージ、いつ妊娠したいかなど、患者さんの希望によって治療法が異なるため、どの治療法で治していくかは担当医師と相談したうえで選択しましょう。

1.薬物療法と手術療法の違い

薬物療法

薬物療法は、症状の軽減病変の進行を予防します。大きく分けて、痛みを抑える『対処療法』と、病気の進行を止め病巣を萎縮させる『ホルモン療法』、漢方医学に基づく『漢方療法』があります。

手術療法

手術療法は、病巣を取るのでほとんどの症状の改善が期待できます

骨盤内癒着がひどい場合やチョコレート嚢胞のある方、深部子宮内膜症の方は、『腹腔鏡手術』で癒着を剥がしたり、腫瘍を切除したりします。ただし、手術を行っても、再発する場合があります。

『根治手術』(子宮・付属器摘出)は、子宮を取るので月経が無くなり、ずきずきと痛むような症状も無くなります。ただし、深部子宮内膜症の方の場合は手術を行ってもごく稀に再発する可能性があります。また、『根治手術』(子宮・付属器摘出)は、赤ちゃんを望んでいる方には行いません。

2.症状からの検討方法

薬物療法での治療が難しい場合や症状が進んでいる場合は、手術療法を用いることがありますが治療方針は主治医の判断によって異なります。

3.ライフプランからの検討方法

赤ちゃんを望んでいる方には、『保存手術』や『薬物療法』での治療を行い、通常『根治手術』(子宮・付属器摘出)は行いません。

赤ちゃんを望んでいない方には、『薬物療法』または『根治手術』を行います。

ただ、やはりこちらも主治医の判断によって治療方針は異なります。

子宮内膜症の薬物療法3パターン

子宮内膜症の薬物療法

1.痛みを抑える「対処療法」

痛みの原因となる「プロスタグランジン」の分泌を抑える鎮痛剤(非ステロイド系杭炎症剤)を使います。痛みがピークを迎える前に飲むのが有効とされています。ただ、「対処療法」は病気の原因をとりのぞくものではなく、病気の根本的な治療ではありません。

2.病気の進行を止める「ホルモン療法」

療法 作用 副作用
GnRHアナログ療法 エストロゲンとプロゲステロンの分泌を促進する脳から卵巣への信号を遮断し、女性ホルモンを閉経レベルまで下げ、人工的に閉経状態をつくります。

副作用を考慮し、6ヶ月以上の投与は原則としておこないません。

ほてり、萎縮性腟炎、骨密度の低下、気分の変動などの更年期障害のような症状
ダナゾール療法 男性ホルモンの誘導体で、下垂体に働きかけるホルモン剤です。エストロゲンの分泌を抑え、月経を止め、症状を改善します。

重病な副作用を誘発するリスクがあるため、現在はほとんど使われていません。

血栓症、肝機能障害、声の低音化、ニキビ、体重増加、体毛の増加、ほてり、萎縮性腟炎、足首の腫れ など
低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤療法 女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチン(人工的に合成された黄体ホルモン)が含まれた『経口避妊薬』(ピル)と同じ薬で、子宮内膜症、月経困難症の治療を目的としたものです。

排卵と子宮内膜の増殖を抑えるので、『プロスタグランジン産生』が減り、月経痛が軽減されます。

血栓症、吐き気、腹部の膨満感、乳房の圧痛、食欲増進、浮腫 など
黄体ホルモン療法 卵巣機能抑制、子宮内膜症細胞増殖抑制により子宮内膜症状を抑えます。 不正出血 など

3.「漢方療法」

子宮内膜症は、漢方治療では「骨盤内のうっ血」によるものと考えます。漢方医学に基づく診察を行い、患者さんの訴えや痛みなどの症状、体質を考慮した上で、その人に適した漢方薬を処方します。

子宮内膜症の手術療法2パターン

子宮内膜症の手術療法

1.腹腔鏡手術について

子宮内膜症の確定診断としても使われる『腹腔鏡手術』は、全身麻酔をしてお腹の3~4箇所に小さな穴をあけ、モニターで直接お腹の中を観察する検査です。そのときに癒着が発見された場合は、その場ではがしたり、小さな病状であれば治療してしまったりすることもできる手術です。

メリット

術後の傷も少なく、麻酔をするので痛みも少なく、入院期間も数日~1週間程度と負担が少ない方法です。

注意点

開腹手術と比べると、見渡せる部分が限られていることもあり、手術中に予期せぬ事象が見つかった場合や腹腔鏡手術では困難な治療と判断された場合は、やむを得ず開腹手術に切り替えることがあります。

2.開腹手術について

全身麻酔または下半身麻酔で、腹部を10cmほど開腹して行う手術です。処置の範囲が広い場合、癒着が多い場合はこの方法がつかわれます。入院期間は2週間程度です。

メリット

癒着があったり、筋腫が大きかったりしても比較的安全な手術ができます。

注意点

開腹するため、体への負担は他に比べ重く、10cmほどの傷あとが残ります。また、まれに出血や感染症などが起こることもあります。

まとめ

子宮内膜症は近年増加している病気の1つです。「まさか私がなるはずがない」と他人ごとにならないでください。妊娠可能年齢で、すでに月経痛で毎月辛い想いをしている、未経産婦などの方は、定期的に検査をすることをおすすめします。

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