ひどい月経痛の正体は『子宮内膜症』かも。症状と検査方法を解説

子宮内膜症
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石野博嗣先生

監修

医療法人社団 石野医院

副院長: 石野博嗣先生 

【職務経歴】
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

女性特有の病気はたくさんありますが、中でも毎月の月経痛が悩みのタネだという方も、多いのではないでしょうか。

月経痛は、ホルモンの過剰分泌や子宮の未発達などが原因の場合も多いですが、病気の可能性も考えられるので注意が必要です。この記事では、月経のある女性の10人に1人が患っているといわれる『子宮内膜症』の症状と検査方法ついて解説しています。

子宮内膜症について

1.子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本来子宮の中に存在するはずの子宮内膜の組織(あるいは内膜類似組織)が、子宮の外で増殖してしまう病気です。

子宮内膜症の説明画像

子宮内膜は、卵巣から分泌される女性ホルモンの1つ、『エストロゲン』によって増殖して妊娠の準備をします。そして、妊娠しなかった場合は、25〜38日周期で内膜が剥がれ落ち、月経として体の外へ排出されていきます。

ところが、子宮内膜症の場合は、経血や内膜類似組織が体の外へ排出されず、腹膜、卵巣、卵管、ダグラス窩などの『子宮周囲の組織』に付着したところで増殖をし、慢性的な炎症、癒着、また卵巣に嚢胞(卵巣チョコレート嚢胞)ができてしまいます。また、子宮の筋層内に限って発生している場合は、「子宮腺筋症」といいます。

卵巣チョコレート嚢胞の説明画像

また、子宮内膜症の原因は、遺伝性があるといわれていますが、明らかにはなっていません。月経のある女性にみられ、20歳半ばから発症、35歳くらいでピークになります。

若いうちから何人も出産しているとかかりにくい病気のですが、近年は晩婚化、少子化によって、月経のある女性の10人に1人の割合で子宮内膜症にかかっているといわれています。

ただ、閉経すると卵巣からのホルモン分泌がなくなるので症状が治っていきます。

2.子宮内膜症の特徴

子宮内膜症の特徴は、“痛み”と“不妊”です。一部、無症状の人もいますが、症状が進むと月経期以外にも『排尿』『排便』『性交渉の際の痛み』『腰痛』や『下腹部痛』などが起こります。特に月経時は、仕事や日常の生活に支障をきたすほどの痛みがともないます。

不妊を引き起こすしくみは、明らかではありませんが、着床を妨げたり精子や受精卵の障害となったりすることが考えられます。

実際に、子宮内膜症の人が不妊症になりやすいことや、不妊症の約30%に子宮内膜症の合併があるといわれています。

3.がん化の危険性!

通常、子宮内膜症は良性のものですが、40歳以上の方チョコレート嚢胞が10cm以上の方はがん化するリスクが高まります。卵巣チョコレート嚢胞は、通常の卵巣で起こる子宮内膜症の、なんと23倍もがん化する恐れがあるのです。

卵巣チョコレート嚢胞は、嚢胞が大きくなると破裂を起こすこともあり、また閉経しても症状が治まらず、がん発生率が高いので、手術で取り除く必要があります。

子宮内膜症の検査方法

endometriosis

1.婦人科で受けられる検査

子宮内膜症の検査はいくつかあり、費用も異なります。検査を受けるときは、最初に日頃の月経状態や、初潮など月経に関する問診から始まります。

自覚症状」、「内診」、「画像診断」、「血液検査所見」などを総合して診断し、確定診断には「腹腔鏡直視下」で確認することが必要です。

通常は、保険適用となり検査費用は3割負担です。

内診(視診・双合診)

内診は、膣から子宮にかけて指を入れ、弾力性や伸展性、癒着、異物の確認をおこないます。また、下腹部腹壁を押さえて、子宮底、卵巣を両手で挟み触知します。通常子宮はたまごくらいの大きさで、弾力があり硬く、可動性が良好です。

膣鏡診

膣鏡診とは、「膣鏡」という筒状の器機を使い、膣の中を広げて帯下の性状や膣壁の状態、子宮膣部の形状を確認します。

直腸診

直腸診は、肛門から指を入れて子宮と直腸の間“ダクラス窩”を触診する検査です。この検査は、ほとんどの場合、性交経験のない患者さん膣の狭い患者さんに行います。

これらは、多少違和感あるものの、痛みはほとんどありません。また、ほとんどの医療機関で内診検査がおこなわれています。

エコー検査(経膣超音波)

膣の中から棒状の器機を入れ、高い周波数の音波をあてて体の中の状態を調べる検査で、子宮や卵巣の大きさ、位置、異物などがないかを確認します。検査での痛みはほとんどありません。

ただ、この検査では、脂肪、骨、歯、毛髪が主成分の『皮様嚢胞腫(ひようのうしゅ)』との鑑別が難しいです。

血液検査(腫瘍マーカー)

血液検査は、採血時の痛みはありますが、手軽に行える検査の1つです。採血をして「CA125」「CA19ー9」「CA72ー4」という血液検査の数値を確認します。保険適用があるのは、「CA125」のみです。月経中は、この値が高くなることがあるので、月経中を避けて採血します。

注意点としては、血液検査では病気の反応がない場合があるので、血液検査の結果が正常だから安心ということはなく、また数値が高いからといって必ず罹患しているというわけでもないということです。実際の子宮内膜症患者さんでもこの数値が低いこともあります。

MRI(磁気共鳴装置)

MRIは、体の断面を映し出し、子宮や卵巣の状態を映し出す検査です。機械に横になっているだけなので痛みは生じません。縦・横・斜め角度から映し出すMRIは、CTや超音波よりも詳しい画像が見られるので、子宮内膜症の検査として有効とされています。

特に、チョコレート嚢胞と卵巣がんを判別する場合にも有用ですし、内診や超音波では判断し難い重症な子宮内膜症(重症深部子宮内膜症)の診断にも有効です。

ただ、子宮内膜症の病巣は、超音波検査、MRI、CTでは映りにくいため、子宮内膜症の治療法で解説する、『腹腔鏡(ふっくうきょう)』で腹内を視診しないと確定診断は難しくことも多くあります。

2.生理のタイミングは避けて検査へ

endometriosis

検査を受けるときは下着を脱いでの検査となります。また生理中は、生理でないときと比べて血液バランスが異なることがあるので、生理中の検査は避ける方がより正確な診察を受けることができます。

まとめ

子宮内膜症は、月経のたびに進行していく病気です。現代女性は初経が早く、生涯子供を産む回数も減り、閉経も遅くなったことから、生涯の排卵回数や月経回数が、昔に比べ格段に増えているため、近年は、子宮内膜症を発症数も増加しています。

毎月原因不明のまま、当たり前に辛い痛みを我慢している人は早めに医療機関で相談してみてください。

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