長時間の移動に注意!エコノミークラス症候群の予防と対策法

エコノミークラス症候群
  • LINEで送る

監修:丹保佳夫医師

エコノミークラス症候群。

卒業旅行・春休み・GWなど、これから海外へ行かれる方も多いでしょう。長時間のフライトなど、同 じ姿勢を長く取る状況ではエコノミークラス症候群にご注意ください。予備知識を付けてエコノミークラス症候群から自分を守り、良い旅を!

エコノミークラス症候群とは?

正式名称は、『急性肺動脈血栓塞栓症』といい、心臓から肺へ向かう動脈(肺動脈)が血栓(血のかたまり)で塞がれることによって、血液の流れが滞ることで起こる症状の総称です。

何が原因なのか?

長時間座ったままでいることにより、下肢(足)の静脈に血行不良が起こり、滞った血液が固まって血栓ができることがあります。その血栓が血行に乗って肺動脈にたどり着き、肺動脈をふさぐことで起こります。

血栓が形成される静脈が身体の深い部分にあることから、『深部静脈血栓症』とも呼ばれます。

どういう症状なのか?

胸が痛い、動悸、息切れ、呼吸困難などで、旅行後数日経過してから発症する場合もあります。ひどい症状になると、ショックを起こしたり、意識不明になったりすることもあります。

エコノミークラス症候群にならないためには?

水分をしっかりと摂る

血液の流れが滞ることで血栓が形成されやすくなります。ドロドロ血は血栓の元!水分を摂取することで、ドロッとしかけた血液を薄める効果があります。

利尿作用のある飲み物は控えめに

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインの利尿作用は、身体から水分を排出させて、血液を濃縮させてしまいます。

また、アルコール飲料は発汗を伴う血液循環を促し、カフェイン以上に水分を排出させるので、避けた方が無難です。

座っている間にも足を動かす

エコノミークラス症候群は、身体の深い部分の静脈を圧迫して、血流が滞ったところに血栓ができることで起こる疾患ですので、同じ姿勢で長時間過ごすことを避けることが重要です。

つまり、座っている間に足を動かすことは、圧迫を軽減させ、血流を促して、血栓ができることを予防できます。

許されるなら、時々は席を立って歩いておく

一番効果的なのは歩くことですが、血流の確保という点では、足を動かすだけでなく、立ったり座ったりするだけでも効果があります。

空腹で交通機関を利用しない

軽食を摂取すると血行が促されて、血栓ができにくいという報告もあります。

血栓症の既住のある人は、旅行前に内科医の診察を受けておく

予防的に抗血液凝固薬(血栓を作りにくくする薬)を服用することもあります。

エコノミークラス症候群になってしまったら?

緊急の対策法は?

まず、病院へ行くことです。数日を経過してから発症することもあります。胸痛や呼吸困難が現れるまでの数日の間に、椅子などに座って長時間じっとしていた、などの心当たりがあったならば、念のために病院へ行って検査を受ける方が良いでしょう。 寝ていれば良くなるだろう、という油断は禁物です。

緊急の対策法は?

大きく分けて、薬物療法、血管内治療法、手術療法の3つがあります。

薬物療法

抗凝固療法:抗血液凝固薬を血管内に注入し、血栓が大きくなること、および、血栓が増えるのを防ぐ。

血栓溶解療法

血栓溶解薬を血管内に注入することで、肺動脈を狭くしている血栓を溶かして、肺動脈の血流を確保する。

手術

症状が急激だったり、肺塞栓(肺の血管が細くなったり塞がったりしている症状)の範囲が広かったり、生命の危機に瀕している時に用いられる。薬物療法が功を奏しなかった場合にも選択される。

Column ビジネスクラスでも『エコノミークラス症候群』

エコノミークラス症候群は、ただ単にエコノミークラスの狭い座席で発症することが多いために名付けられた、便宜上の名称です。

なので、座席の広いビジネスクラスやファーストクラスでも、長時間じっと座ったまま動かなければ、発症する可能性もあります。

2002年にサッカーの高原直泰選手が、ビジネスクラスを利用して発症したのは有名な話ですね。

関連記事

  • LINEで送る