脳梗塞ってどんな病気?原因・症状・治療法など、基礎知識を医師が解説

脳梗塞
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監修:丹保佳夫医師

1.脳梗塞について知っておこう

脳梗塞は突然やってくる、恐ろしい脳の病気です。とはいえ、脳梗塞には自覚できる予兆があり、自覚症状を理解していれば予防を心がけることもできます。脳梗塞の症状や治療と併せて、知っておきましょう。

脳梗塞って、どういう病気?

脳梗塞とは、脳血管障害のひとつです。何らかの原因で脳の血管に障害が生じ、脳細胞に血液と酸素が供給されなくなったために、脳細胞が壊死する病気です。脳細胞は、脳の血流が5分途絶えると壊死し始め、脳梗塞の症状はそれによって引き起こされます。

脳梗塞の原因は?

脳梗塞は、大きく分けて、脳血栓症と脳塞栓症があります。

脳血栓症は、脳血管の動脈硬化などで血栓(血のかたまり)ができることによって起こり、脳塞栓症は、脳以外の部位でできた血栓が脳血管に移動してきて、脳血管を詰まらせることで起こります。

どちらも、血管内に血栓ができたり、動脈硬化などで血管が狭くなっていることが、発症の原因になります。

症状にはどんなものがあるか?

めまい、耳鳴り、立ちくらみなどが起こります。

それらの症状は前触れ発作・TIA(一過性脳虚血発作)といい、脳梗塞の予告症状のようなものです。もちろん、個人差があるので、TIAが起こらないこともありますが、TIAを繰り返す場合は早めの治療が必要です。

病気の進行とともに、物忘れ、手足のしびれ、感情失禁(自分で感情が抑えられない)が起こり、脳梗塞の範囲が広がっていくとやがて、意識障害、感覚障害、運動障害、言語障害などが起きます。

発症から処置をされるまでの時期により、急性期と慢性期に分けられ、それにより治療や予後が異なります。

2.脳梗塞にならないために

予防法は?

動脈硬化にならないこと、既に動脈硬化を指摘されている人は、進行させないことが大切です。また、脂質異常症(高脂血症)は動脈硬化を進行させますので、特に注意が必要です。

同時に、血栓を形成する状況は、脳梗塞の大きなリスクになりますので、脱水にならないようにケアをすると同時に、適度な運動も脳梗塞の予防には欠かせません。

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの、リスクファクターを指摘されている人は、少なくとも年に1回の検査を心がけておきましょう。検査期間の度合いについては、医師の指導を仰いでください。

疑われる自覚症状

運動障害

手足の先が動かしにくくなる、喋りにくい、など

知覚障害

指先の感覚が鈍くなった、痺れているような感じがする、など

感覚障害

めまい・ふらつき

感情障害

怒りや悲しみなどの感情が自分でも抑えられなくなる

意識障害

意識が途切れる、ボーッとする、など

これらの症状が出現したら、脳外科のある医療機関を受診しましょう。

3.医療現場での脳梗塞の治療

診断について

まず、梗塞の起きた部位を確認するために、CTやMRI、脳血管撮影などの検査を行います。
また脳塞栓症を疑う場合は、血栓のできた臓器を特定するために、頚部のMRI、頚部や心臓の超音波検査、ホルター心電図検査(携帯型長時間心電図検査)を行うこともあります。

治療方法にはどんなものがあるのか?

急性期

脳血栓症の場合、血栓を溶かしたり、新たな血栓ができるのを防止する作用がある薬剤(抗血栓薬)を使います。 肺塞栓症の場合は、これらの薬剤を使用することにより、逆に出血性の梗塞が起こる危険がありますので、脳保護薬を使用します。

また、脳圧が高い場合は、脳浮腫治療薬を用いて、脳圧を正常に戻す治療が並行して行われます。

慢性期

基本的に、脳循環を改善させる薬剤や、抗血栓薬を内服します。
また状態の改善を待ち、バイパス手術などの外科的な手術によって脳血流の改善を図る場合もあります。

後遺症とリハビリの効果について

どのような後遺症が出るかは、梗塞が起きた部位と大きさによって個人差がありますが、神経麻痺や言語障害が残ることが多いといわれています。ですが、それらの後遺症も、リハビリである程度の機能を回復させることが可能です。

リハビリのポイントは、いかに脳の再学習(壊死しなかった部分の脳を使っての失った機能の学習)を促すか、にあります。

本人の自己イメージが低下したことにより、気力低下やうつ傾向に陥り、リハビリが滞りがちですが、焦らずに行うことが重要です。

再発について

脳梗塞は、ほとんどが生活習慣病の延長で発症します。つまり、生活習慣を変えない限り、再発のリスクは大きいといえます。

脳梗塞は、再発するごとに、症状が重くなっていくのが特徴ですので、生活習慣の改善や適度な運動、正確な服薬で、再梗塞を起こさないようにするのが肝要です。

脳梗塞とメタボリックシンドローム

脳梗塞のリスクファクターには、脂質異常症(高脂血症)や高血圧など、メタボリックシンドロームの症状と重なるものがあります。

つまり、メタボリックシンドロームの症状を改善することが、脳梗塞の予防に繋がるわけです。

平たく言うと、メタボリックシンドロームを放置することは、脳梗塞発症のリスクを高めることになりますので、メタボリックシンドロームかも、と思っている人は、必ず定期的な健康診断や検査を受け、医師などによる指導を受けてください。

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